【材料】エムアップホールディングス---3Qは2ケタ増収増益、EC事業が好調に推移
エムアップ <日足> 「株探」多機能チャートより
エムアップホールディングス<3661>は12日、2021年3月期第3四半期(2020年4月-12月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比13.3%増の91.85億円、営業利益が同57.2%増の9.12億円、経常利益が同62.4%増の9.56億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同69.5%増の5.62億円となった。
コンテンツ事業の売上高は前年同期比10.2%増の73.71億円、セグメント利益は同0.3%減の8.58億円となった。引き続き新規ファンクラブ/ファンサイトの開設を進めるとともに、アーティストとファンの距離をより近づけ、ファンクラブ入会への動機づけをするためのポータルメディアとして「Fanpla」を開設するなど、収益の源泉となる新たな有料会員の確保に取り組んだ。また、アーティストなら誰でもファンクラブを開設できるサービスとして、「Fanpla Kit」の提供を開始した。新型コロナウイルス感染症の影響により、音楽ライブやイベントが中止、延期となっている状況への対応として、生配信を観ながらコメントやギフティングによってアーティストの応援ができる機能を搭載した視聴専用アプリ「FanStream」と、VRでのライブ生配信や様々なVR映像コンテンツを提供する「VR MODE」の提供を開始し、ライブ配信を積極的に展開した。同時に、「FanStream」を活用しファンクラブ限定のオンラインライブなどを実施し、既存会員の維持にも努めた。加えて、ファンクラブのアプリ化も進めることで、多様化する利用者ニーズへの対応と、収益獲得のための間口の拡大にも努めた。
EC事業の売上高は同54.0%増の8.26億円、セグメント利益は同89.1%増の6.22億円となった。引き続き中止や延期となった音楽ライブ、イベントにて販売予定であった商品のeコマースでの取り扱いが増加し、収益は大きく増加した。また、アーティストの公式通販サイトの開設やファンクラブ会員限定グッズの販売なども実施してきた。
電子チケット事業の売上高は同15.3%増の9.46億円、セグメント損失は1.29億円(前年同期は1.62億円の損失)となった。新型コロナウイルス感染症の影響により、ライブ、コンサートの多くが中止、延期されたことに伴い、電子チケット及びチケットトレードに関連する収益も大きく減少している。これに対して、ライブの生配信やオンライン配信の視聴パスを販売するプラットフォーム「StreamPass」のサービスを開始し、コンテンツ事業にて実施するライブ配信と連動し、収益の確保に努めてた。また、オンラインライブと連動する施策としては、アーティストのサイン入りのグッズなどの商品を提供するオンラインくじ「メモコレ」の提供、販売を拡大させてきた。電子チケット周辺領域のサービスは、これまでと同様にプロ野球等のカードコレクションアプリなどの提供を行うとともに、無観客での開催となったプロ野球の公式戦において、「FanStream」や「StreamPass」を活用し、試合の生配信を実施した。加えて、安心安全な1on1イベントを実現するライブトークアプリとして、「Meet Pass ライブトーク」のサービスを開始するなど、コロナ禍における新たなスポーツ観戦やエンタテインメントのスタイルを提案、提供してきた。
2021年3月期通期の連結業績予想については、新型コロナウイルス感染症の拡大により、多くのライブ、コンサートが延期や中止となるなど、音楽やエンタテインメント業界は大きな影響を受けているなか、事業環境の大きな変化に対応した事業展開により業績への影響を抑えるとともに、新規事業への参入により新たな収益の確保にも努めた結果、業績は期初の予想に比して好調に推移しており、 今後も様々な対策を講じていく方針のため、通期の業績に関しては第3四半期累計期間までの趨向が続くと見込んでいる。しかし、感染が再拡大し緊急事態宣言が再発令されたことでアーティストの活動状況やファンの動向などを予測することは非常に困難という理由から、現段階では据え置きとし、より確度の高い予想が策定可能となった時点において見直しをする方針としているため、売上高は前期比8.5%増の120.00億円、営業利益は同12.4%増の8.20億円、経常利益は同11.3%減の8.20億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同19.1%増の5.60億円とする期初計画を据え置いている。
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提供:フィスコ