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【市況】前場に注目すべき3つのポイント~半導体株の強い値動きが日経平均をけん引する可能性~

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

12日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:半導体株の強い値動きが日経平均をけん引する可能性
■菱地所、21/3上方修正 営業利益2170億円←1910億円
■前場の注目材料:大成建設、建材“見える化”X線CT試験機開発、内部を超精密測定


■半導体株の強い値動きが日経平均をけん引する可能性

12日の日本株市場は底堅い相場展開が見込まれる。11日の米国市場ではNYダウが7ドル安と小幅に下落する一方でナスダックは上昇。史上最高値付近では引き続き景気敏感株を中心に利益確定の売りも強く、さらに、原油価格の下落を警戒した売りに上値が抑制された。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融緩和や追加経済対策成立期待も根強く、下値も限定的となった。バイデン政権が半導体不足への対応を検討していると伝わり、半導体株が上昇しており、ナスダックをけん引。シカゴ日経225先物清算値は大阪比35円高の29455円。円相場は1ドル104円70銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする形から、小じっかりの展開からのスタートになりそうである。また、半導体株が軒並み強い値動きをみせていることもあり、指数インパクトの大きい東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>などへの支援材料になる可能性が高く、足元で利食いの動きがみられていた半導体株の強い値動きが日経平均をけん引する可能性がありそうだ。祝日時には日経225先物のナイトセッションで29160円まで下げる場面がみられていたが、29500円辺りでの底堅さが意識されやすく、ショートカバーも入りやすいだろう。

また、VIX指数は引き続きボトム圏での推移が続いているため、リスク選好の流れは継続となるため、押し目買い意欲の強さは意識されやすいと考えられる。物色の流れとしては半導体株のリバウンドが意識されるほか、決算を受けた個別物色に。本日は決算ピークとなるとともに決算が一巡してくるため、改めて業績に安心感のある銘柄などを再評価する展開も期待される。

その他、バイデン大統領は、大型インフラ刷新計画の推進に向け民主・共和両党の上院議員と会合したと伝わっている。「気候変動の影響に持ちこたえ、米国のクリーンエネルギー政策を主導する持続可能なインフラ構築」計画を共有したと伝わっていることもあり、脱炭素に関連した銘柄への物色も強まりそうであり、関連する材料株へは個人主体の資金が向かうことになりそうだ。


■菱地所、21/3上方修正 営業利益2170億円←1910億円

菱地所<8802>は2021年3月期業績予想の修正を発表。売上高は1兆1420億円から1兆2000億円、営業利益は1910億円から2170億円に上方修正した。コンセンサス(2030億円程度)を上回る。新型コロナウイルス感染症拡大の影響及び物件売却の見通し等を更新している。営業利益の増加要因は、国内分譲マンション事業での販売好調、ビル賃貸事業でのコスト圧縮、国内外での物件売却益の増加等。


■前場の注目材料

・日経平均は上昇(29562.93、+57.00)
・ナスダック総合指数は上昇(14025.77、+53.24)
・シカゴ日経225先物は上昇(29455、大阪比+35)
・1ドル104円70-80銭
・SOX指数は上昇(3180.84、+105.97)
・VIX指数は低下(21.25、-0.74)
・日銀のETF購入
・海外コロナ向けワクチン接種の進展
・世界的金融緩和の長期化


・大成建設<1801>建材“見える化”X線CT試験機開発、内部を超精密測定
・NEC<6701>NEC・日立など、データ連携基盤で調査、スーパーシティ向け
・トヨタ<7203>米で25年までに新車4割電動化、バイデン政権下で弾み
・NEC<6701>PQCと協業、量子アニーリング実用化
・KDDI<9433>米アプリVBに出資、コネクテッドカー強化
・ダイナパック<3947>パルプモールド増産、設備投資3年60億円
・住友化学<4005>ポーランドにPPコンパウンド生産拠点、来春、年3万トン
・旭化成<3407>デジタル共創本部新設、DX推進組織を集約


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・特になし

<海外>
・休場:香港(旧正月、15日まで)、中国(旧正月、17日まで)

《ST》

 提供:フィスコ

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