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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

栄研化 <日足> 「株探」多機能チャートより

■栄研化学 <4549>  2,435円 (+398円、+19.5%)

 東証1部の上昇率トップ。栄研化学 <4549> はマドを開けて買われ、前日比19.6%高の2438円まで上値を伸ばした。27日の取引終了後、21年3月期の連結経常利益が56億7000万円(前期比2.01%増)になりそうだと発表。従来予想の42億円(同11.1%減)から一転して増益を見込み、3期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが好感された。独自技術であるLAMP法を用いた新型コロナウイルス遺伝子検査試薬の販売が伸びることが寄与。新型コロナウイルス感染症の第2波、第3波に備えて増産体制を整備し、検査試薬の安定供給を実現したという。また、コロナ禍での活動方法の見直しで販売費などの経費が減少することも上振れにつながる。好調な業績を踏まえ、年間配当を従来計画の30円から36円(前期は30円)に増額修正したことも好材料視された。

■日邦産業 <9913>  628円 (+100円、+18.9%) ストップ高

 日邦産業 <9913> がストップ高。27日取引終了後、フリージア・マクロス <6343> が同社株に対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、持ち分法適用会社化を目指すと発表。TOB価格が前日終値を76.1%上回る1株930円とあって、きょうの株価はこれにサヤ寄せする形で買い気配値を切り上げた。買付期間はきょうから3月12日まで。なお、日邦産業は今回のTOBは一方的かつ突然に行われたものとし、今後、公開買付届出書の内容などを精査した上で、速やかに見解を公表するとしている。

■エンプラス <6961>  4,575円 (+700円、+18.1%) ストップ高

 東証1部の上昇率2位。エンプラス <6961> がストップ高に買われた。27日の取引終了後、21年3月期の連結経常利益を従来予想の10億円(前期比53.5%減)から13億円(同39.5%減)へ上方修正しており、これが好感された。自動車市場の回復を背景にエンプラ事業で自動車用部品の販売が好調に推移するほか、半導体機器事業では車載向けの受注や米国を中心にサーバー向けの需要が伸びる。併せて、125万株(発行済み株式数の12.75%)または50億円を上限に自社株買いを実施すると発表。このうち、30万株は28日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で取得するという。なお、取得結果はまだ報告されていない。

■バーチャレク <6193>  662円 (+100円、+17.8%) ストップ高

 バーチャレクス・ホールディングス <6193> がストップ高。同社は27日取引終了後に、21年3月期通期の連結業績予想を修正。営業損益見通しは従来の3000万円の黒字から1億1000万円の黒字(前期は1億9200万円の赤字)に引き上げたことが好感されたようだ。売上高見通しは前期比7.5%減の55億円(従来予想は53億円)に上方修正した。アウトソーシング事業がコロナ禍で影響を受けている案件があるものの予想よりも順調に推移したことや、IT&コンサルティング事業で予定を上回る案件の獲得があったことが売上高に寄与。また、製造経費や販管費ともにコスト削減を継続したことが利益を押し上げた。

■NOK <7240>  1,453円 (+188円、+14.9%)

 東証1部の上昇率3位。NOK <7240> が続急伸。27日の取引終了後、21年3月期の連結経常損益を従来予想の95億円の赤字から一転して118億円の黒字に上方修正すると発表しており、これを好感する買いが向かった。今期業績の上方修正は昨年10月に続き、2回目。中国をはじめとした自動車生産台数が想定を上回ったことでシール事業が復調するほか、電子部品事業においても自動車向け、高機能スマートフォン向けの販売が伸びる。人件費・経費や投資を引き続き抑制したことなども黒字化に貢献する。

■マネックスグループ <8698>  590円 (+71円、+13.7%)

 東証1部の上昇率4位。マネックスグループ <8698> が大幅続伸。株価は一時、前日に比べ14%高に買われ昨年来高値を更新した。27日付の日本経済新聞は「新生銀行 <8303> がマネックス証券と証券分野で包括提携する」と報じたことを受け、同日にマネックスGの株価は急伸。27日に新生銀とマネックスGは包括提携を正式発表したが、この日も株価は大幅高となり買い人気は衰えていない。この提携に関して、アナリストからは「新生銀行にとってはシステムを含めた運営コスト削減や商品ラインアップの拡大につながり、マネックスにとっては顧客基盤の拡大につながることから、相互にメリットが大きい」と評価する見方が出ている。特に、マネックスにとっては、新生銀の投資信託口座が移管されることなどの効果が期待されている。更に、SBIホールディングス <8473> は新生銀の10%強の株式を保有する大株主となっているが、今回マネックスとの間で包括提携が結ばれたことも市場の関心を集めた。

■JCRファーマ <4552>  3,115円 (+373円、+13.6%)

 東証1部の上昇率5位。JCRファーマ <4552> が5連騰。前日10%近く上昇したのに続き、この日も大幅高に買われた。28日付の日本経済新聞朝刊で「英製薬大手アストラゼネカは日本で新型コロナワクチンの量産準備に入る。国内メーカーが近く受託生産を始める」と報じており、これが材料視された。同社はアストラゼネカと国内における新型コロナワクチンの原液製造を請け負う契約を結んでおり、ワクチンの量産報道に株価が大きく反応した。

■イーグル工業 <6486>  1,118円 (+95円、+9.3%)

 東証1部の上昇率9位。イーグル工 <6486> が大幅高で6日続伸。株価は前日比10.2%高の1128円まで上値を伸ばした。27日の取引終了後、21年3月期の連結経常利益を従来予想の32億円(前期比52.7%減)から62億円(同8.4%減)へ大幅上方修正しており、これを好感する買いが入った。今期業績の上方修正は昨年10月に続き、2回目。自動車・建設機械業界向け事業で国内、海外ともに販売が想定以上に回復することが上振れの要因としている。

■エクセディ <7278>  1,637円 (+139円、+9.3%)

 東証1部の上昇率10位。エクセディ <7278> が続急伸。27日の取引終了後、21年3月期の連結税引き前利益を従来予想の45億円(前期比69.9%減)から110億円(同26.5%減)へ大幅上方修正すると発表しており、これが好感された。今期業績の上方修正は昨年10月に続き2回目。新型コロナウイルス感染症の経済活動への影響が残るなど、依然として不透明な状況にあるものの、第3四半期までの業績と足もとの需要動向を勘案し、増額修正に踏み切った。コロナ禍で落ち込んだ自動車関連の需要が回復基調にあることが背景とみられる。なお、同時に発表した4~12月期の同利益は前年同期比46.8%減の71億9400万円だった。

■大東建託 <1878>  10,610円 (+700円、+7.1%)

 大東建託 <1878> が後場一段高。同社はきょう午前11時30分頃に、21年3月期第3四半期累計(20年4~12月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比12.1%減の778億2400万円となったが、通期計画800億円に対する進捗率が97.3%となっていることが買い手掛かりとなったようだ。売上高は同3.2%減の1兆1092億3400万円で着地。建設事業は4月の緊急事態宣言下での施工現場休止の影響などから苦戦したが、一方で主力の不動産事業では家賃収入や連帯保証人不要サービスなどの収入が伸びた。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。

■キヤノン電子 <7739>  1,843円 (+121円、+7.0%)

 キヤノン電子 <7739> が大幅高で4日続伸。27日の取引終了後に発表した21年12月期の業績予想は売上高891億6000万円(前期比19.5%増)、経常利益80億7500万円(同38.6%増)と19年12月期の水準にV字回復を見込んでおり、これが好感された。前期業績は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2ケタ減収減益に沈んだ。ただ、7月に下方修正した後、個人向けプリンターの受注回復に加え、カメラ関連ユニットや歯科向け機器の販売好調などを背景に、2度にわたって上方修正するなど業績は上向いており、今期も回復基調が続くと見込んでいるようだ。なお、今期の年間配当は未定としている。

■ミスミグループ本社 <9962>  3,615円 (+235円、+7.0%)

 ミスミグループ本社 <9962> が大幅高で6日続伸。株価は前日比7.7%高の3640円まで上値を伸ばし、昨年来高値を更新した。27日の取引終了後に発表した21年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結経常利益は前年同期比1.1%減の174億5900万円だった。ただ、直近3ヵ月の10~12月期では前年同期比37.3%増の83億5100万円と7四半期ぶりに増益に転じており、足もとの業績回復が好感された。FA事業は中国をはじめとする海外需要が回復傾向にあるほか、コスト削減を徹底した効果もあり大幅増益を達成した。また、金型部品事業は自動車関連業界で持ち直しがみられ、流通事業では中国に加え、欧州、米州も好調に推移したという。同時に発表した12月の売上高は前年同月比9.7%増の273億1000万円と今期初めて増収となり、これも好材料視された。

■三越伊勢丹 <3099>  671円 (+36円、+5.7%)

 日経平均が一時600円超の下落で2万8000円大台を割り込むなど波乱となるなか、三越伊勢丹ホールディングス <3099> が一時7%を超える上昇をみせたほか、高島屋 <8233> 、J.フロント リテイリング <3086> 、エイチ・ツー・オー リテイリング <8242> 、丸井グループ <8252> など百貨店株が軒並み高に買われる異色展開となった。三越伊勢丹については前日に20年4~12月期決算を発表しており、最終損益が347億5900万円の赤字となった。10~12月期は回復歩調をたどっているものの、足もとは2度目の緊急事態宣言が発令されており厳しい環境を強いられている。こうした状況下で21年3月期通期売上高見通しについても8150億円見通しから8000億円見通しに一段の下方修正を発表しているが、株価面ではヘッジファンドなどによる景気敏感株への買い戻しが反映されて、上値追いに拍車がかかる格好となった。

■日本航空 <9201>  1,913円 (+85円、+4.7%)

 日本航空 <9201> 、ANAホールディングス <9202> などいずれも買い優勢の展開。全体相場は急落しているが、半導体や電子部品など主力ハイテク株中心で、これまで売り込まれた景気敏感セクターは堅調な銘柄が少なくない。空運大手2社はその最たる例で、コロナ禍で経営面ではネガティブ環境に晒されているが、株式需給面で「グロース買い・バリュー売り」のポジションを取っていたヘッジファンドのアンワインドを反映した買い戻しが入った。

■川崎汽船 <9107>  1,871円 (+69円、+3.8%)

 川崎汽船 <9107> が大幅高で4日ぶりに反発。28日付の日本経済新聞朝刊で「川崎汽船の2021年3月期通期の連結経常利益は、前期比6倍の450億円前後となりそうだ」と報じられており、これを材料視する買いが向かった。記事によると、コロナ禍からの景気回復を背景にコンテナ船の輸送量が想定以上に増え、出資するコンテナ船事業会社オーシャン・ネットワーク・エクスプレスの利益が拡大するという。損益ゼロとしていた11月時点から大幅に上振れる見通しとなり、上方修正期待が高まったようだ。

■ソースネクスト <4344>  290円 (+7円、+2.5%)

 ソースネクスト <4344> が大幅続伸。27日の取引終了後、株主優待制度を導入すると発表しており、株主還元の強化を好感する買いが入った。基準日は毎年3月末と9月末時点で、100株以上を保有する株主を対象に、保有株数に応じた株主優待ポイント(年間2500から2万ポイント)を付与する。また、1年以上継続保有する株主には年間1500ポイントが追加される。21年3月末から開始するとしている。

■良品計画 <7453>  2,464円 (+58円、+2.4%)

 良品計画 <7453> が続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は27日、同社株の目標株価を2500円から2700円に引き上げた。レーティングは「オーバーウエイト」としている。海外での販売回復が遅れ気味とみられるが、国内事業の収益改善が進むことを評価している。21年8月期の第1四半期(20年9~11月)決算は、海外事業の決算期変更などもあり正確な比較はできないが、20年2月期第3四半期(19年9~11月)比で営業利益は42.6%増となった。国内事業は販促抑制効果で増益となり、海外事業は欧米や西南アジア・アセアニアは販売不振が続くなかコスト削減に注力、東アジア事業は値引き抑制・EC販売強化に努めている。利益は、おおむね想定したペースでの回復が進んでいるとみている。

■SHOEI <7839>  4,345円 (+95円、+2.2%)

 ヘルメット大手のSHOEI <7839> が4日続伸し、昨年来高値を更新した。同社は27日取引終了後に、21年9月期第1四半期(20年10~12月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比34.1%増の14億3100万円となり、上半期計画26億円に対する進捗率は55.0%となった。売上高は同28.9%増の57億6700万円で着地。前年末に船積みなどの関係で積み上がった在庫の販売が実現したほか、中国を中心に好調な受注が続いたことが好業績につながった。なお、上半期及び通期の業績予想は従来計画を据え置いている。

■物語コーポレーション <3097>  11,530円 (+210円、+1.9%)

 物語コーポレーション <3097> が反発、一時9.6%高の1万2410円に買われた。27日の取引終了後、21年6月期の連結業績予想について、営業利益を39億6000万円から40億2100万円(前期比32.6%増)へ、純利益を23億2700万円から28億6000万円(同6.3倍)へ上方修正しており、これが好感されたようだ。昨年の全国での緊急事態宣言が解除されて以降、来客数が当初想定よりも早い回復基調となったほか、既存業態の粗利益率の改善や社内におけるリモートシステムの活用などに伴う販売一般管理費の減少などが業績の押し上げにつながった。また、期末配当予想を35円に増額することもあわせて発表した。同社は2月28日を基準日として1株から2株への株式分割を予定しており、従来予想(50円)に比べ実質増配となる。

■沖縄セルラー電話 <9436>  4,775円 (+85円、+1.8%)

 沖縄セルラー電話 <9436> が反発し、昨年来高値を更新した。同社は27日取引終了後に、21年3月期通期の連結業績予想を修正。営業利益見通しは前期比3.8%増の145億円(従来予想は140億円)に引き上げた。営業収益は同7.3%増の730億円(従来予想は700億円)に上方修正。au通信ARPA(契約者1人当たりの売上高)の伸びや、auでんき契約件数の増加を見込んでいる。

■東洋建設 <1890>  521円 (+9円、+1.8%)

 東洋建設 <1890> が3日続伸。27日の取引終了後、21年3月期の連結経常利益を従来予想の77億円から107億円へ上方修正すると発表。従来の16.0%減益予想から一転して16.7%増益を見込み、3期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなったことが好材料視された。国内建築事業における一部工事の着手遅れやコロナ禍で海外建設事業の施工中断が長期化したことにより売上高は計画を下回るものの、国内土木事業の一部大型繰り越し工事で採算が改善したことなどで利益は前回予想を上振れする見込みとなった。業績好調に伴い、期末一括配当を従来計画の12円から20円(前期は15円)へ大幅増額修正したことも評価材料となっている。

■ブルボン <2208>  2,140円 (+30円、+1.4%)

 ブルボン <2208> が3日続伸。27日の取引終了後に発表した第3四半期累計(20年4~12月)連結決算が、売上高865億6400万円(前年同期比0.9%増)、営業利益27億6200万円(同73.7%増)、純利益20億8200万円(同2.1倍)と大幅な増益となったことが好感された。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出・イベント自粛などが継続した影響で伸び悩んだ商品があったものの、内食需要や節約志向の高まりからビスケット品目を中心に大袋商品やロングセラー商品が順調に推移した。また、生産性向上とコスト削減に加え、主原料の相場が安定的に推移し利益を押し上げた。なお、21年3月期通期の業績予想は、売上高1186億円(前期比0.9%増)、営業利益36億円(同23.3%増)、純利益24億円(同27.9%増)の従来見通しを据え置いている。また、従来11円50銭を予定していた期末配当予想を1円増額して12円50銭に増額することもあわせて発表しており、これも好材料視された。年間では24円、前期実績に対しては1円増配となる予定だ。

※28日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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