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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

インソース <日足> 「株探」多機能チャートより

■インソース <6200>  2,338円 (+387円、+19.8%) 一時ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。インソース <6200> が7連騰。25日の取引終了後、第2四半期累計(20年10月-21年3月)連結業績予想について、売上高を31億4000万円から33億円(前年同期比13.6%増)へ、営業利益を6億5000万円から9億4000万円(同50.5%増)へ、純利益を4億3000万円から6億6000万円(同56.8%増)へ上方修正したことが好感された。同時に発表した第1四半期決算(20年10月-12月)が好調だったことに加えて、第2四半期にはITサービス事業の「Leaf」のカスタマイズとストレスチェックの納品が3月に集中する見込みという。また、動画・eラーニング販売で期末(3月)に向け予材を確保していることや、研修事業のオンライン化への移行により、講師派遣型研修の単価が向上し、公開講座の1開催当たり受講者数が増加したことなども寄与するという。同時に発表した第1四半期決算は、売上高18億1400万円(前年同期比11.7%増)、営業利益6億4600万円(同56.1%増)、純利益4億5200万円(同63.7%増)だった。また、21年9月期通期業績予想は、売上高67億4000万円(前期比31.6%増)、営業利益14億5000万円(同84.9%増)、純利益9億4000万円(同2.1倍)の従来見通しを据え置いている。

■ジオマテック <6907>  555円 (+80円、+16.8%) ストップ高

 ジオマテック <6907> [JQ]がストップ高。25日の取引終了後、三井金属鉱業 <5706> と共創・協働で量産体制を整えている次世代半導体チップ実装用特殊ガラスキャリア「HRDP」に関して量産出荷を開始したと発表しており、これが好感された。ファンアウト・パネルレベルパッケージ用ガラスキャリア付き微細回路形成用材料「HRDP」は三井金が開発し、ジオマテックが薄膜を提供して事業化を推進しているが、今年1月から、国内の複合チップモジュールデバイスメーカー向けに量産出荷を始めたという。また、21年度中には海外の大手実装メーカーでの採用が予定されているほか、22年度以降はHPC(大規模で高度な計算処理能力を有するコンピューター)やモバイルなど多様なアプリケーション用途の量産開始も計画されているとしている。

■朝日ラバー <5162>  749円 (+100円、+15.4%) ストップ高

 朝日ラバー <5162> [JQ]がストップ高。26日付の日刊工業新聞で、「産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所(FREA、福島県郡山市)と北拓(北海道旭川市)、朝日ラバーなど4者のコンソーシアムは共同で、風力発電機のブレード(羽)表面にプラズマを発生させて風車性能を改善する『プラズマ気流制御技術』の実用化に乗り出す」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、実用化すれば風車の効率アップや耐久性の向上が期待できるという。また、ブレード上の流れを整流して、後方に立地する風車への乱流の影響を抑える効果も期待できるとしている。

■JUKI <6440>  603円 (+54円、+9.8%)

 東証1部の上昇率2位。JUKI <6440> が続急伸。25日の取引終了後、未定としていた20年12月期の連結業績予想について、売上高700億円(前の期比29.4%減)、経常損益40億円の赤字(前の期29億4100万円の黒字)で着地したようだと発表。経常損益は赤字に転落したものの、第4四半期(10-12月)は同2億2000万円と黒字に転換しており、これが好感された。中国などを中心に、特に5Gや自動車関連の設備投資需要の回復が見られるなど、経済活動活性化の兆しが見えてきたことが寄与した。また、期初に掲げた構造改革を更に深掘りした固定費削減を進め、収益改善を図ったことも寄与したという。なお、同じく未定としていた期末一括配当予想は前の期比5円減の20円としている。

■ツインバード <6897>  2,195円 (+195円、+9.8%)

 ツインバード工業 <6897> [東証2]、神栄 <3004> など、ワクチン関連の一角が買いを集めた。市場関係者によると「米製薬大手メルクがワクチン開発を中止したことは全体で見ればワクチン普及が遅れ経済活動が遅滞することへの懸念につながり、景気敏感セクター中心にネガティブ材料となるが、これによって現在承認されている米ファイザーの優位性が一段と高まったということがいえる。ファイザーのワクチンは冷凍保存が必須なため、超低温冷凍庫を製造・販売するツインバードや、超低温冷凍庫向け温度ロガーを手掛ける神栄などの株価を強く刺激することになった」(ネット証券マーケットアナリスト)という。

■ナガワ <9663>  10,810円 (+900円、+9.1%)

 東証1部の上昇率3位。ナガワ <9663> が大幅に4日続伸し上場来高値を更新した。25日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を280億円から300億円(前期比3.4%増)へ、営業利益を36億円から45億円(同27.3%増)へ、純利益を25億円から30億円(同42.5%増)へ上方修正したことが好感された。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う事業活動及び業績への影響はあるものの、ユニットハウス事業の販売及びレンタルが好調に推移し、3期ぶりに営業利益の過去最高を更新する見込み。なお、同時に発表した第3四半期累計(4-12月)決算は、売上高212億3300万円(前年同期比0.5%増)、営業利益32億2200万円(同25.1%増)、純利益23億1400万円(同31.8%増)だった。同時に、株主優待制度を拡充すると発表しており、これも好材料視された。現行制度では保有株数と保有期間に応じて3000円から1万5000円分のクオカードを贈呈していたが、21年3月31日時点の株主から1万円から5万円分を贈呈するとしている。

■キヤノン電 <7739>  1,698円 (+101円、+6.3%)

 東証1部の上昇率10位。キヤノン電子 <7739> が続急伸。親会社のキヤノン <7751> 向けを中心にプリンターの受託生産を手掛ける。25日取引終了後に20年12月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の43億円から56億円(前期比31%減)に上方修正しており、これが株価を強く刺激する形となった。フルサイズミラーレスの新製品が牽引するカメラ関連ユニットの販売が好調だったほか、ドキュメントスキャナーにおける米国市場でのECチャネルによる拡販などが寄与、コスト削減努力など合理化効果も想定を上回って推移していることが利益増額の背景となった。

■富士ソフト <9749>  5,530円 (+320円、+6.1%)

 富士ソフト <9749> が続急伸。26日付の日本経済新聞朝刊で、「2020年12月期の連結営業利益は前の期比2割増の160億円程度と、会社予想(3%増の136億円)や市場予想平均(QUICKコンセンサス、13%増の149億円)を上回ったようだ」と報じられており、2年連続で最高益となるとの観測が好材料視されたようだ。記事によると、新型コロナウイルス禍を契機にネット通販を強化する企業が増えていることを受けて、ECサイト構築などの案件が伸びたほか、テレワーク関連の通信機器の引き合いも増えたという。

■山洋電 <6516>  6,580円 (+360円、+5.8%)

 山洋電気 <6516> が続急伸し昨年来高値を更新。25日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を730億円から768億円(前期比8.6%増)へ、営業利益を19億円から36億円(同3.5倍)へ、純利益を14億円から25億円(同5.9倍)へ上方修正し、従来40円を予定していた期末配当を45円にすると発表したことが好感された。第3四半期以降、通信機器向けや医療機器向けなどをはじめ、主要販売市場であるロボット、半導体製造装置、電子部品実装機、射出成型機などのFA市場からの需要が増加したことが要因としている。なお、年間配当は80円(従来予想75円)となる予定だ。

■ダイヤHD <6699>  1,603円 (+77円、+5.1%)

 ダイヤモンドエレクトリックホールディングス <6699> が6日続伸。同社は26日、グループのダイヤモンド電機ハンガリーが計画している新規投資について、ハンガリー政府が実施する投資支援プログラムに採択されたと発表。これが株価を刺激したようだ。ハンガリー外務貿易大臣はこのほど、在ハンガリー日系企業3社が行う計65億フォリント(約22億7500万円)の投資について、政府がそのうちの20億フォリント(約7億円)を支援すると発表。ダイヤモンド電機ハンガリーは、欧州連合(EU)圏内で自動車機器事業の案件増に伴う新規投資を計画している。

■JSR <4185>  3,445円 (+165円、+5.0%)

 JSR <4185> が6連騰し昨年来高値を更新した。25日の取引終了後に発表した第3四半期累計(20年4-12月)連結決算は、売上高3167億9600万円(前年同期比11.7%減)、営業利益126億3900万円(同58.7%減)と大幅減益となったものの、10-12月期では同6.7%営業増益となったことが好感された。半導体材料が販売数量を伸ばしたことが牽引した。また、第3四半期に自動車・タイヤ向け需要の回復によりエラストマー、合成樹脂の販売量が回復していることも寄与した。なお、21年3月期通期業績予想は、売上高4200億円(前期比11.0%減)、営業利益165億円(同49.8%減)の従来見通しを据え置いている。

■弁護士COM <6027>  12,540円 (+600円、+5.0%)

 弁護士ドットコム <6027> [東証M]が5連騰。同社は25日取引終了後に、21年3月期第3四半期累計(20年4-12月)の単独経常利益が前年同期比1.5%減の2億2500万円になったと発表。ただ、10-12月期に限れば1億1600万円の黒字(前年同期は3000万円の赤字)となっており、これが好感されたようだ。売上高は第3四半期累計で前年同期比27.1%増の38億600万円、10-12月期では前年同期比28.7%増の13億7100万円となった。電子契約サービス「クラウドサイン」の売り上げが大きく伸びたことなどが寄与した。なお、通期業績予想は売上高52億円(前期比25.8%増)とする従来計画を据え置き、各利益については引き続き未定としている。また、同日には税理士業界に特化した事業承継支援を行う「税理士事務所の承継支援サービス」を開始したことを明らかにしている。

※26日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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