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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

ヤギ <日足> 「株探」多機能チャートより

■ヤギ <7460>  1,710円 (+300円、+21.3%) ストップ高

 ヤギ <7460> [東証2]がストップ高。19日の取引終了後、洗って繰り返し使うことのできるアイソレーションガウン(感染予防用隔離ガウン)「EITORE for Medical Reusable Gown」(仮称)を3月から販売すると発表しており、これが好材料視された。同製品は、グループ会社のYAGI USAがアパレル商社のやまぎん(大阪市中央区)と共同開発した製品で、東レ <3402> 及び東レグループで生産した生地を使用し、50回の洗濯をしても医療用ガウンの規格であるAAMI(アメリカ医療機器振興協会)のレベル2の基準をクリアしているのが特徴。同製品が医療機関などで使われることで、医療用ガウンの安定供給に貢献するほか、使い捨てガウンのごみ問題の解決や、医療機関のコスト削減にもつながるとしている。

■日総工産 <6569>  815円 (+112円、+15.9%)

 東証1部の上昇率2位。日総工産 <6569> が急反騰。19日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を670億円から680億円(前期比9.3%減)へ、営業利益を18億円から24億円(同21.6%減)へ、純利益を13億円から17億円(同16.4%減)へ上方修正したことが好感された。主力の製造系人材サービスで、顧客メーカーにおける生産活動再開のもと、製造スタッフの稼働が上昇し、1人当たり売上高が改善するなどの回復基調が従来予想より鮮明となったことが要因。また、自動車関連や電子デバイス関連の一部顧客メーカーが増産・増員に転じ、外部人材活用ニーズの回復が予想より早まり、在籍の増加及び1人当たり売上高の増加が見えつつあることも寄与するとしている。同時に業績予想の修正に伴い、従来11円53銭を予定していた期末一括配当を15円10銭にすると発表しており、これも好材料視されたようだ。なお、前期実績に対しては9円90銭の減配になる予定だ。

■AFC-HD <2927>  1,083円 (+112円、+11.5%) 一時ストップ高

 AFC-HDアムスライフサイエンス <2927> [JQ]が3日続急騰し、昨年来高値を更新した。20日午前11時ごろ、21年8月期の連結業績予想について、売上高を160億円から174億円(前期比10.0%増)へ、営業利益を11億円から16億円(同46.4%増)へ、純利益を7億2000万円から10億5000万円(同55.3%増)へ上方修正し、あわせて中間・期末各10円の年20円を予定していた配当予想を中間・期末各12円50銭の年25円に引き上げたことが好感された。第1四半期決算において、躍進した海外部門を筆頭に、主なOEM事業、通販事業、医薬品事業の売上高が計画を上回る水準で推移したことに加えて、第2四半期も、引き続き好調を維持したことが要因としている。なお、年間配当は前期実績に対しては5円の増配となる予定だ。

■データアプリ <3848>  1,810円 (+170円、+10.4%) 一時ストップ高

 データ・アプリケーション <3848> [JQ]が3日ぶり急反騰。19日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を19億3500万円から20億円(前期比6.9%減)へ、営業利益を1200万円から1億6000万円(同56.2%減)へ、純利益を1600万円から1億1700万円(同56.2%減)へ上方修正したことが好感された。サブスクリプション型売り上げの伸長や期間限定ライセンスが計画を上回っていることに加えて、作業の内製化による外注費の削減や顧客動向変化に伴う旅費交通費や出張転勤費の未消化、計画していたイベントの延期などによる広告宣伝費の未消化が利益押し上げに寄与した。

■ニチコン <6996>  1,470円 (+107円、+7.9%)

 東証1部の上昇率7位。ニチコン <6996> が大幅続伸。20日付の日本経済新聞朝刊で「40億円を投じ、2021年末までにフィルムコンデンサーの生産能力を倍増させる」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、電気自動車(EV)向けの需要が拡大しており、自動車メーカーや系列部品メーカーへの販売に加えて、モーター専業メーカーである日本電産 <6594> への供給も決まったとしており、日本電産が手掛けるEV駆動用モーターに組み込むことで、中国などの新興自動車メーカー向けなどに販路を拡大するという。

■YKT <2693>  325円 (+22円、+7.3%)

 YKT <2693> [JQ]、テラスカイ <3915> 、フィックスターズ <3687> など量子コンピューター関連に位置づけられる銘柄に買いが集まった。IoT社会の進展で世界的にデータセンターの増設需要が急増し、つれて半導体の高集積化ニーズが高まっているが、一方でスーパーコンピューターと比較しても桁違いの計算速度を持つ量子コンピューターがビジネス分野で実装され始めている。同分野で業界を先駆するカナダのDウェーブ社は、フィックスターズと提携関係にあるほか、デンソー <6902> などを顧客に持つなど日本との関わりを深めている。米国では一昨年にグーグルが「量子超越」を実証した経緯があるが、今後日本でも研究開発が加速する可能性が高まっている。

■東京製綱 <5981>  1,099円 (+59円、+5.7%)

 東京製綱 <5981> が大幅高で3連騰。ワイヤーロープの最大手で橋梁や超高層ビルのエレベーター用で高い実績を誇る。足もとの業績は厳しく20年3月期は無配に転落したが、株価面では織り込みが進んだ。ここ数年来の業績不振でファンド系資金など機関投資家の保有が減少し、株式需給面から上値が軽くなった。一方で、信託口を経由した株主構成の変化に思惑がある。同社の独自研究によって開発された世界唯一の炭素繊維複合材ケーブルが注目されている。既に米バージニア州のハンプトンロードブリッジトンネル拡張事業に採用された実績を持ち、今後の需要獲得が期待されている。

■fonfun <2323>  601円 (+32円、+5.6%)

 fonfun <2323> [JQ]が急反発。同社は20日、子会社が医療機関向けにSMS送信サービス「fonfunSMS(フォンファン エスエムエス)」をSMS送信費用のみで利用できる支援措置(スポット配信)を実施すると発表しており、今後の業容拡大への期待感から反発した。SMS送信費用は1通につき10円で、固定費用はかからないという。実施期間は1~3月としている。

■青山商事 <8219>  630円 (+30円、+5.0%)

 青山商事 <8219> が続急伸。20日付の日本経済新聞朝刊で「専門店の6割にあたる400店で売り場面積を最大5割減らす」と報じられたものの、「空きスペースはコンビニエンスストアなどを誘致する」とあることから、テナント収入などによる業績への貢献を期待した買いが入ったようだ。

■アウトソシン <2427>  1,325円 (+63円、+5.0%)

 アウトソーシング <2427> が8日ぶり急反発。工場の生産ライン向けを主力に技術系人材派遣ビジネスを展開、コロナ禍にあっても需要は堅調で足もとの業績は底堅く推移している。20年12月期は営業利益段階で前の期比11%減と2ケタ減益の見通しながら株価には織り込まれており、21年12月期は売上の半分を占める海外向けが牽引し急回復が有力視されている。積極的なM&A戦略が評価されており、直近では、製造業向け人材サービスを手掛けるエス・エス産業(愛知県小牧市)の全株式を取得し子会社化することを発表、これによる業容拡大効果を材料視する買いを呼び込む形となった。

■ソースネクスト <4344>  287円 (+13円、+4.7%)

 ソースネクスト <4344> が3日ぶり大幅反発。20日午後0時30分ごろ、業務・資本提携先の米国モレクレ社のPECO(光電気化学酸化)フィルターが搭載された空気清浄機について、一度空気を吸い込むと空気中のコロナウイルスやインフルエンザウイルスを99%以上減少及び不活化する効果があることが明らかになったと発表しており、これが好材料視された。ミネソタ大学の物理工学部並びに獣医学部の実験で判明したという。

■AGC <5201>  3,920円 (+140円、+3.7%)

 AGC <5201> が大幅続伸。20日付の日本経済新聞朝刊で「2021年12月期の連結営業利益(国際会計基準)は、前期推定に比べて3割増の約1000億円になる見通しだ」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、医薬品の受託製造や半導体用の先端材料事業が伸びるほか、自動車向けなどのガラス事業の営業損益が改善するという。なお、決算発表は2月5日に予定されている。

■カイオム <4583>  262円 (+9円、+3.6%)

 カイオム・バイオサイエンス <4583> [東証M]が大幅反発。19日の取引終了後、がん治療用候補抗体CBA-1535に関して米国における特許査定を取得したと発表しており、これが好感された。同特許は現在、欧州、中国などで特許出願中であり、これまでに日本及び英国で特許が成立している。また、あわせて治験薬製造の準備を進めており、21年後半以降の治験申請を目標としているという。

※20日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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