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【特集】コプロHD Research Memo(1):建設技術者派遣事業を展開、プラント業界向けを第2の柱に育成


■要約

コプロ・ホールディングス<7059>は建設技術者派遣・紹介事業を展開している。雇用した派遣技術社員(以下、技術社員)を、大手ゼネコンを中心とする顧客企業に派遣する。技術社員の主な業務内容は、建設工事の施工管理(建築・土木・設備・プラント工事現場における工程管理、安全管理、品質管理、原価管理)及びCADオペレーター等である。

1. 技術社員の高い定着率などが強み
教育・研修やメンタルケア・サポートの徹底による技術社員の高い定着率、幅広い人材ニーズに対応した流動性の高い派遣人材基盤、全国ネットワークによる顧客拡大力、質の高い技術社員と顧客企業との信頼関係に基づく高稼働率の維持などを特徴・強みとしている。

2. 2021年3月期第2四半期累計は一過性コストで減益だが計画超で着地
2021年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比17.8%増の7,271百万円、営業利益が同20.7%減の531百万円、経常利益が同20.0%減の534百万円、親会社株主帰属四半期純利益が同7.3%減の404百万円だった。売上面は、コロナ禍でも新規採用を積極的に行い、技術社員の増加やチャージアップの効果で大幅増収だった。利益面は、原価及び販管費における一過性コストの影響で減益だった。一過性コストを除くベースでは営業増益だった。期初計画との比較では、一過性コストが想定内に収まり、全社的な経費削減によって販管費が想定を下振れたため、営業利益は期初計画の408百万円に対して122百万円超過達成して着地した。

3. 2021年3月期通期は2ケタ増収増益で過去最高更新予想
2021年3月期通期の連結業績予想(10月28日に上方修正)は、売上高が前期比17.6%増の15,432百万円、営業利益が同12.6%増の1,793百万円、経常利益が同13.3%増の1,795百万円、親会社株主帰属当期純利益が同12.7%増の1,221百万円としている。第2四半期累計の期初計画超過達成分を上方修正した。2ケタ増収増益で過去最高更新予想である。第2四半期累計の進捗率が低水準の形だが、売上面では下期が建設業界の需要期となり、利益面では第2四半期累計の一過性コストの多くがはく落する。通期会社予想は達成の可能性が高いだろう。コロナ禍でも高成長を継続することが期待される。

4. 長期目標は2030年3月期売上高1,000億円、営業利益100億円
中長期経営ビジョンには「業界No.1ブランド」を掲げ、経営目標値は2030年3月期売上高1,000億円、営業利益100億円としている。既存の建設業界向け技術者派遣の成長をベースとして、プラント業界向け技術者派遣を第2の収益柱に育成して事業分野を拡大する。新分野開拓や海外展開も視野に入れる。清川甲介(きよかわこうすけ)代表取締役社長は、今後の展望として「サポート体制充実やマッチング率向上によって技術社員の定着率をさらに高め、質の高い技術者の派遣によって既存顧客との取引拡大や新規顧客の獲得につなげるという好循環を生み出す。目標の達成に向けてM&Aも積極活用したい」と意欲的に語る。中長期的に収益拡大基調だろう。

5. 2021年3月期連続増配予想
2021年3月期の配当予想は2020年3月期比15円増配の75円(第2四半期末20円、期末55円=普通配当50円+東証1部・名証1部への市場変更記念配当5円)としている。連続増配予想である。収益拡大に伴って株主還元の更なる充実も期待されるだろう。

■Key Points
・建設技術者派遣事業を展開、プラント業界向けを第2の柱に育成
・2021年3月期は2ケタ増収増益で過去最高更新予想
・長期目標は2030年3月期売上高1,000億円、営業利益100億円

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《NB》

 提供:フィスコ

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