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【市況】26700円から26900円辺りでのレンジ相場【クロージング】

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

3日の日経平均は小幅に上昇。8.39円高の26809.37円(出来高概算12億3343万株)で取引を終えた。米ファイザーとドイツのビオンテックが共同開発した新型コロナワクチンを英国政府が承認したことや米国の追加経済対策を巡る楽観的な見方などを受けて、バリュー志向の物色となった。急ピッチの上昇に対する過熱感が警戒されるなか、日経平均は27000円に接近する場面では利益確定の流れが意識されており、一方でバリュー志向の流れの中でTOPIX型の底堅さが目立った。もっとも下値を売り込む流れとはならず、日経平均の26700円辺りでの底堅さが意識され押し目買い意欲の強さが窺え、26700円から26900円辺りでのレンジ相場となった。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1200を超えており、過半数を占めている。セクターでは海運、空運、パルプ紙、非鉄金属、輸送用機器、陸運が堅調。半面、精密機器、ゴム製品、サービス、その他製品、医薬品、機械がさえない。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、ファーストリテ<9983>、KDDI<9433>が堅調。一方でエムスリー<2413>、ダイキン<6367>、第一三共<4568>、オリンパス<7733>が軟調。

朝方は指数インパクトの大きいファーストリテが85620円まで下げていたこともあり指数の重石となっていたが、後場半ばには87780円と上昇に転じるなど、日経225型への買い戻しとみられる動きもあり、日経平均は続伸で終えている。英国でのワクチン承認を受けてバリュー志向とはなったが、明確に資金をシフトさせる流れとしては、しばらく見極めが必要であろう。また、マザーズ銘柄の弱さが目立っていたが、マザーズ指数は2.5%の下落ながらも25日線が支持線として意識されており、時価総額上位銘柄に対する利益確定の流れによる影響であり、需給状況が悪化しているわけではない。年末に向けてはIPOラッシュとなり、資金の流れも速くなるため、いったんキャッシュ化の動きもありそうだ。

明日もこう着感の強い相場展開が見込まれるが、海外勢による押し目買い意欲は強そうである。米国では直近で予想を下回る経済指標が相次いでおり、雇用統計に対する警戒感からオーバーウィークのポジションは取りづらいところである。一方で、追加の経済対策への期待感からショートを積み上げる流れにはならないだろう。そのため、27000円突破を意識しつつも、目先的は26800円辺りを挟んでのレンジ推移。物色の流れとしては低位のテーマ株などに値幅取り狙いの資金が向かいやすいだろう。

《CN》

 提供:フィスコ

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