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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

東京ドーム <日足> 「株探」多機能チャートより

■東京ドーム <9681>  1,347円 (+300円、+28.7%) ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。東京ドーム <9681> ストップ高に買われた。前週末27日に三井不動産 <8801> がTOBを実施し、完全子会社化を目指すと正式発表した。TOB価格は1株1300円で27日終値を約24%上回る水準。買い付け期間は11月30日から21年1月18日まで。

■不二精機 <6400>  619円 (+100円、+19.3%) ストップ高

 不二精機 <6400> [JQ]が連日のストップ高。前週末にストップ高に買われる人気となっていたが、30日も寄り付きから大量の買い注文を集め、値幅制限いっぱいに買われた。医療機器用精密金型で実績が高く、現在の世界株高の背景にある新型コロナウイルスのワクチン開発に絡み、同社には注射器などをはじめワクチン特需が見込まれるとの思惑が投資資金攻勢の根拠となった。多分にマネーゲーム的要素は強いものの信用売り残も積み上がっていることで、需給相場の様相にある。

■池上通信機 <6771>  949円 (+150円、+18.8%) ストップ高

 東証1部の上昇率2位。池上通信機 <6771> がストップ高まで買われた。同社は30日、世界最速(最大70万錠/時)の処理能力を持つ錠剤検査装置「TIE-10000」を新たに開発したと発表。12月から製薬業界を中心に販売を開始すると発表しており、これが株価を刺激したようだ。近年、超高齢化社会の進行と、ジェネリック医薬品の使用促進による医薬品生産量の急速な増加を背景に、より高速で高精度な医薬品検査を行い、品質を担保する検査装置に対するニーズが高まっている。TIE-10000は、大量の錠剤を安定的に供給し、高い精度で均等に錠剤を整列する供給・整列部と、水平ベルト搬送方式を採用したことにより、世界最速の処理能力を実現。搬送速度は、錠剤の特性に合わせて設定できる可変式のため、衝撃に弱いOD錠(口腔内崩壊錠)や転がりやすい錠剤には、その特性に最適な搬送速度に設定することで、安定した搬送が可能だという。

■DMP <3652>  3,330円 (+503円、+17.8%) ストップ高

 ディジタルメディアプロフェッショナル <3652> [東証M]がストップ高。同社は30日、米エヌビディアのパートナープログラム「NVIDIA Partner Network(NPN)」に参画したと発表。これにより、自動・自律化に関わる人工知能(AI)ビジネスを更に加速・強化するとしており、今後の展開が期待されたようだ。NPNへの参画により、DMPが次世代自動運転や自律運転向けに開発するローコストかつ高精度なSLAM(自己位置推定と環境地図作成を同時に行うことで、ロボットなど移動体の自動化、自律化を実現するうえで欠かせない技術)を含むソフトウエアをエヌビディア及びその代理店のネットワークを通じて提供することが可能になるという。

■D・アクシス <4245>  1,047円 (+150円、+16.7%) ストップ高

 東証1部の上昇率3位。ダイキアクシス <4245> がストップ高まで買われ、年初来高値を更新した。同社は30日、子会社のダイキアクシスインディアがインドの水環境省からインド製浄化槽に対する推奨認可を取得したと発表。これが材料視されたようだ。今回の認可取得で、同社はインドでの分散型汚水処理で浄化槽を全面に押し出した地方政府の入札案件を増やすことができるほか、民間向けにもアピールすることが可能になるという。なお、分散型汚水処理に対するインド中央政府による推奨認可の第1号になるとしている。

■アルファクス <3814>  1,080円 (+150円、+16.1%) ストップ高

 アルファクス・フード・システム <3814> [JQG]がストップ高の1080円に買われた。前週末27日の取引終了後、23年9月期を最終年度とする中期経営計画を発表しており、最終年度に営業利益8億8000万円(20年9月期は5億800万円の赤字)を目指すとしたことから、意欲的な中計との評価から買われたようだ。主力製品で、引き合いの多いASP/パッケージシステム「自動発注システム」の拡販のため、今後名古屋、沖縄営業所の開設を予定しており、北海道、関東、中京、関西、中四国、九州・沖縄と基盤を整える方針。また、エネルギー事業では建設デベロッパーなどからの紹介を中心とした代理店拡充施策を推進し、導入店舗数の拡大を目指すとしている。

■スマレジ <4431>  5,370円 (+625円、+13.2%)

 スマレジ <4431> [東証M]が3連騰し上場来高値を更新。大和証券が27日付で、投資判断を新規に「2(アウトパフォーム)」、目標株価を5700円としたことが好材料視されたようだ。主力のスマレジとは、クラウド型POSレジサービスのことで、小売やアパレルなど飲食以外に強いことが強み。同社のターゲットは、店舗数が数店から数十店程度の中規模の小売業者だが、中規模チェーンでのシェアはまだ約2%。会社側は、将来的に中規模チェーンでのシェアを30~40%を目指すとしており、仮に30%取れたとすると売上規模は約200億円と試算している。同証券では、一部の飲食店などはコロナ影響で閉店する動きが見られるが、アパレルや雑貨店など飲食業界以外の顧客からの需要は回復しているもようで、大型の高価なPOSシステムから安価な同社のスマレジへのシフトも期待できるとして、下期からも業績モメンタム改善と来期の増収増益への回復を見込む。

■クボテック <7709>  369円 (+34円、+10.2%) 一時ストップ高

 東証1部の上昇率5位。クボテック <7709> が続急騰、一時ストップ高まで買われた。同社は30日、画像処理検査エンジンの販売強化などを目的に、12月1日から社長直轄のプロジェクトチームでの活動を開始すると発表しており、今後の展開などが期待されたようだ。同社はこれまでに培った技術やノウハウを生かし、さまざまな顧客ニーズに応えられる画像処理外観検査用のエンジンを開発し、従来の液晶向け以外の分野にも進出・拡販することで、収益の拡大と安定によって、収益性の高い事業体制を確立するとしている。

■G-FAC <3474>  360円 (+31円、+9.4%) 一時ストップ高

 G-FACTORY <3474> [東証M]が急伸し一時ストップ高の409円に買われた。30日午前10時ごろ、ローソン銀行(東京都品川区)と業務提携契約を締結したと発表しており、これが好材料視された。今回の提携は、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、一層の経営合理化や業務効率化が求められる飲食業やサービス業などの顧客の売り上げ管理・入金管理面でのサポート強化を図ることが目的という。また、これによりローソン銀行が11月16日にスタートした事業会社向けのATM入金サービス「金庫がわりクン」を、飲食企業に向けて案内を開始している。

■SUMCO <3436>  2,114円 (+166円、+8.5%)

 東証1部の上昇率8位。SUMCO <3436> がマドを開けて急伸、一時10.7%高の2157円まで買われる人気となり今年のコロナショックで全体相場が暴落した直前の2月21日につけた高値1983円を上抜き約9ヵ月ぶりに年初来高値を更新した。同社株が2000円大台に乗せたのは2018年8月以来、約2年3ヵ月ぶりとなる。半導体シリコンウエハー大手メーカーだが、新型コロナウイルスの感染拡大のなかも、データセンター増設や5G関連投資などを受けた半導体需要は旺盛で、同社にもその恩恵が及んでいる。特にスマートフォンの高機能化などを背景に大口径の300ミリウエハーの需要が高水準で、21年12月期以降の業績急回復を見込んだ買いを呼び込む格好となった。

■シスロケ <2480>  1,893円 (+125円、+7.1%)

 システム・ロケーション <2480> [JQ]が7連騰。前週末27日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、最終利益を3億2000万円から4億7000万円(前期比43.7%増)へ上方修正したことが好感された。持ち分法適用関連会社である韓国CAR AUCTION社株式の一部を譲渡することに伴い、関係会社株式売却益を特別利益として計上することが要因という。なお、売上高11億200万円(同3.5%増)、営業利益4億4300万円(同4.2%増)は従来見通しを据え置いている。

■グッドパッチ <7351>  2,923円 (+192円、+7.0%)

 グッドパッチ <7351> [東証M]が3連騰。30日の午前中、デザインを重視した有力なスタートアップへの出資を行う「Goodpatch Design Fund」で、レシート買取アプリ「ONE」を提供するWED(東京都渋谷区)への出資を決定したと発表しており、これが好材料視された。WEDは、レシート買取アプリ「ONE」よって得た販促データを活用し、各企業に膨大な販促情報の橋渡しを行っている。今回の出資は同ファンドの第2号出資案件で、今後、両社は定期的なディスカッションを通じて事業連携を検討するとしている。なお、同件が21年8月期業績に与える影響は軽微という。

※30日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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