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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

日本製鉄 <日足> 「株探」多機能チャートより

■日本製鉄 <5401>  1,277円 (+60円、+4.9%)

 日本製鉄 <5401> が大幅続伸。24日、室蘭製鉄所構内で製銑設備を保有する北海製鉄第2高炉について、7月8日に「吹き止め」して改修工事を実施してきたが、11月22日に「火入れ」を行い、稼働を再開したと発表しており、これが好感された。今回の改修では、同社では初めてとなる高炉本体を覆う「鉄皮(てっぴ)」をそのまま残した状態で、関連設備・耐火物の更新を行う工法を採用。また、最新の高度ICTとして、数学モデルを用いた炉内状況予測システムを導入し、鉄鉱石などの原料投入量や炉内への熱風吹込み量についてAIにて最適な操業条件を自動で調整することを可能としたという。これにより、高炉操業安定化が図れるとともに、高炉作業オペレーターの負荷軽減にもつながるとみられ、更に同高炉の運用により得られた結果を他製鉄所の高炉にも活用することで、全社ベースでの安定生産や生産性向上を図るとしている。

■日経レバ <1570>  26,220円 (+1,230円、+4.9%)

 NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]が大幅反発。同銘柄は日経平均リンク型のETFで変動率が2倍に設定されており、全体相場のボラティリティが高まる場面では個人投資家をはじめとする短期資金の商いが活発化する。24日は前日の米国株市場でNYダウが300ドルを超える上昇をみせ、このリスク選好の流れが東京市場にも波及した。日経平均は前週末まで3営業日続落しており目先スピード調整が一巡したとの見方から、上値を買う動きが予想以上に強まっており2万6000円台を回復、日経レバもこれに連動する動きとなった。信用取組は売り長で直近信用倍率は0.8倍弱と取組妙味も指摘される。

■ダイヘン <6622>  4,400円 (+165円、+3.9%)

 ダイヘン <6622> が大幅高で4日続伸し、年初来高値を更新。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が20日付で、投資判断「バイ」を継続しつつ、目標株価を4500円から5200円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、電力機器部門の継続的な収益改善に加えて、溶接メカトロと半導体機器部門の需要回復のタイミングが重なるとみて、21年3月期営業利益予想を90億円から96億円へ、22年3月期を同112億円から116億円へ引き上げた。22年3月期の営業利益は過去最高(18年3月期101億円)を更新すると予想しているが、株価はこれらの収益変化と成長性が織り込まれていないと指摘している。

■野村 <8604>  528.2円 (+19.2円、+3.8%)

 野村ホールディングス <8604> 、大和証券グループ本社 <8601> をはじめ証券株が軒並み高に買われ、24日は東京株式市場が全面高様相となるなか業種別騰落率で証券セクターが33業種中値上がりトップとなった。20日の米株高を受け、24日はリスクオンの流れが一気に強まり、日経平均株価は700円近い上昇で2万6261円まで上昇、バブル後の最高値圏に浮上している。証券各社は株高による運用環境の向上と手数料収入の増加が見込まれ、リターンリバーサル狙いの買いを呼び込んだ。

■アバント <3836>  1,080円 (+33円、+3.2%)

 アバント <3836> が3日続伸。24日午後1時ごろ、100%子会社ジールが、世界的なデータ&AI企業で統合データ分析基盤を提供する米データブリックス社(カリフォルニア州)とパートナー契約を締結したと発表しており、これが好材料視された。ジールでは、顧客向けにパブリッククラウド上でのデータ分析プラットフォームの導入支援を推進しており、データブリックス社とのパートナー契約により、Microsoft Azure及びAWS上で、データブリックスの導入を支援するとともに、データブリックス日本語トレーニングなどの教育についても強化するとしている。

■バンナムHD <7832>  9,379円 (+285円、+3.1%)

 バンダイナムコホールディングス <7832> が大幅反発。同社は20日、アバターテクノロジーのリーディングカンパニーである米ジーニーズ社(カリフォルニア州)及びその日本を拠点とするアジア本社であるジーニーズ(東京都港区)と資本・業務提携すると発表しており、これが好感された。今回の提携は、デジタルとフィジカルを融合させた新しいアバター事業を展開するのが狙い。バンダイグループがこれまで培ってきたキャラクターIP(知的財産)やゲームにおけるノウハウ、玩具など幅広い事業への展開力と、ジーニーズグループが持つアバター事業のノウハウや著名人とのネットワーク、それに紐づくファンベースなどを掛け合わせることで、キャラクターIPを使ったアバターや着せ替え用デジタルグッズの展開、フィギュア化など新しいアバター事業を展開するとしている。

■松田産業 <7456>  1,684円 (+48円、+2.9%)

 松田産業 <7456> が続伸。前週末20日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表しており、これが好材料視された。上限を14万株(発行済み株数の0.53%)、または2億円としており、取得期間は20年11月24日から21年1月29日まで。機動的な資本政策を実行し、1株当たりの株主価値の向上を図ることが目的としている。

■トーセイ <8923>  1,120円 (+28円、+2.6%)

 トーセイ <8923> が続伸。24日前引け後に20年11月期の連結業績予想について、営業利益を56億6400万円から62億4400万円(前期比50.8%減)へ、純利益を29億4300万円から35億100万円(同58.6%減)へ上方修正したことが好感された。売上高は646億4600万円から640億200万円(同5.4%増)へやや下方修正したものの、開発事業における分譲戸建販売が好調に推移したことに加えて、販管費の削減に努めたことが寄与したという。また従来16円を予定していた期末一括配当を3円増額して19円(前期42円)にするとあわせて発表しており、これも好材料視されたようだ。

■住友大阪 <5232>  3,350円 (+75円、+2.3%)

 住友大阪セメント <5232> が4日ぶりに反発。前週末20日の取引終了後、11月30日付で200万株(発行済み株数の4.92%)の自社株を消却すると発表しており、これが好材料視された。なお、消却後の発行済み株数は3864万3217株となる予定だ。

■ヤマダHD <9831>  503円 (+10円、+2.0%)

 ヤマダホールディングス <9831> が3日続伸。大和証券が20日付で、株式レーティングを「2(アウトパフォーム)」から「1(買い)」とし、目標株価を615円から740円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、21年3月期上期決算が会社計画比で大幅上振れしたことをポジティブと評価。新生活様式に対応した関連商品の需要の高まりなどが増収に寄与し、セルアウト重視などでPOS粗利益率が改善した。また、販管費は営業時間の短縮や支社長制度の効果などで計画以上に削減した。これらを踏まえて、今後継続的に取り組む支社長制度の効果やSPA(オリジナル商品の製造販売)商品の強化などによる収益改善などを見込み、21年3月期の営業利益予想を586億円から825億円へ、22年3月期を同587億円から832億円へ引き上げている。

■キリンHD <2503>  2,273円 (+41円、+1.8%)

 キリンホールディングス <2503> が続伸。22日付の日本経済新聞朝刊で、「オーストラリアの乳飲料事業の子会社を、豪乳業大手のベガ・チーズに売却する方針を固めた」と報じられており、これを好材料視した買いが入った。記事によると、売却額は400億円超とみられるとしている。同子会社に関しては、当初は中国企業に売却する計画だったが、豪と中国との関係悪化に伴い中止し、新たな売却先を探していた。今回の売却により、海外の低収益事業の整理が完了することになるとみられている。

■HIS <9603>  1,641円 (+27円、+1.7%)

 エイチ・アイ・エス <9603> が3日続伸。24日正午ごろ、新規ビジネスとして通信販売事業プロジェクトを立ち上げ、通販サイト「From the WORLD」をオープンしたと発表しており、これが好感された。同サイトは、海外69ヵ国に現地拠点があり、ローカルの人材による情報収集と商品の仕入が可能な同社が実現した“世界のよりすぐりのモノ”を販売するセレクトショップ型の通販サイト。“よりすぐりのスポット”から“よりすぐりのモノ”を“よりすぐりのストーリー”に沿って、海外にある商品をサイト上で紹介し、第1弾として、「バリ島」「ハワイ」「オーストラリア・ニュージーランド」からスタートするという。

■メドピア <6095>  5,590円 (+90円、+1.6%)

 メドピア <6095> が4日続伸。24日、医師とMRが1対1でコミュニケーションをとることができるダイレクトコミュニケーションツール「MedPeer Talk」の本格提供を開始すると発表しており、これが好材料視された。従来は、医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」の「Web講演会」の視聴中に、医師会員と製薬企業がコミュニケーションをとることができるツールとして3月から提供していたが、利用範囲を「Web講演会」のみからMedPeerの常設メッセンジャーとして機能を拡張したという。これにより、医師会員とMRがMedPeer上でダイレクトにコミュニケーションをとることができるようになり、従来対面で行っていたコミュニケーションをオンラインで完結できるようになるとしている。

■じげん <3679>  327円 (+4円、+1.2%)

 じげん <3679> が反発。前週末20日の取引終了後、ベーシック(東京都千代田区)の比較メディア事業を譲受すると発表したことが好感された。今回譲受するのは、フランチャイズ比較サイト「フランチャイズ比較.net」や結婚相談所比較サイト「結婚相談所比較ネット」、家庭教師比較サイト「家庭教師比較くらべーる」及び留学エージェント比較サイト「留学くらべーる」などの事業で、譲受価額は12億5000万円。じげんでは今回の事業譲受により、新たにフランチャイズ領域への参入及びそれに伴う独立開業層のユーザーを確保するのに加えて、結婚相談所比較サイトや家庭教師比較サイト、留学エージェント比較サイトの新たな分野におけるメディア展開で、ライフメディアプラットフォームの更なる価値拡大を図るとしている。なお、21年3月期業績への影響は軽微としている。

■トヨタ <7203>  7,431円 (+79円、+1.1%)

 トヨタ自動車 <7203> 、ホンダ <7267> など自動車株が総じて高い。20日の米国株市場では新型コロナウイルスのワクチン開発期待などを背景にNYダウが大幅高に買われたが、リスクオンの流れは外国為替市場にも及び、24日は1ドル=104円台半ばの推移とドル高・円安方向に振れた。ワクチンの早期普及により経済再生が早まるとの思惑に加え、ドル高・円安による輸出採算の改善期待が為替感応度の高い自動車セクターに追い風となった。

※24日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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