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【市況】来週の相場で注目すべき3つのポイント:大統領選開票結果の行方、終盤迎える国内企業決算、米半導体アプライドの決算

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

 

■株式相場見通し

予想レンジ:上限24500-下限23700円

来週の日経平均は、24000円の大台を固めつつ、2018年10月2日の取引時間中に記録したバブル後最高値24448.07円の更新を意識する展開となってきそうだ。日経平均上昇の道筋を作ったのは米株高であるところも大きく、引き続き大統領選の結果を見据えた米国株の動向に影響を受けることになるだろう。しかし、米議会選において共和党が上院過半数を維持すれば、バイデン大統領誕生の場合でも民主党が提示している大型増税や規制強化は大きく進展しないとの見方が株式市場にプラスに働いている。

また、4-5日に開催されたFOMCでは事前の予想どおり政策金利が据え置かれたほか、パウエルFRB議長が会見において状況次第で量的緩和を拡充する可能性を示唆したことが相場の支援材料となっている。6日には為替相場が3月以来およそ8カ月ぶりに1ドル=103円台に突入するまでの円高となりながらも日経平均が連騰を維持した背景には、このFOMC効果もあったとみられる。

そのほか、ソニー<6758>、任天堂<7974>、トヨタ自動車<7203>と市場心理への影響が大きい企業の決算は総じて堅調で、発表後の株価も好反応を示している。ここまで主要企業の企業業績が事前予想と比べてポジティブだったことも、日経平均がリスクオンにシフトチェンジすることに寄与したといえよう。ただし、欧米での新型コロナ感染拡大への警戒は続いているほか、日経平均は4連騰の間に値幅にして1348円あまりの上昇となっており、スピード調整も出やすいタイミングにある。底堅さを試すなかでの強調展開が予想される。


■為替市場見通し

来週のドル・円はもみ合いか。11月3日に行われた米大統領選と議会選では民主党のバイデン候補が勝利に近づいているが、民主党が上院で過半数議席を獲得できない可能性があることや、トランプ大統領の陣営は法廷闘争に向けて準備を進めていることから、米国の政治不安が高まっており、安全逃避的なドル買いが再び強まる可能性は残されている。

議会選に関しては、民主党の上下両院支配の可能性は残されているものの、上院で共和党が多数派を維持した場合、バイデン候補が大統領選で勝利しても議会運営は容易ではないとの見方が出ている。そのため、大規模な追加経済対策など政策運営への期待は後退しつつある。市場参加者の間からは「米国の雇用情勢は改善しており、大規模な追加経済支援策を導入する必要は薄れた」との声も聞かれている。

なお、米連邦準備制度理事会(FRB)は4-5日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、緩和的な金融政策を維持する方針を強調しており、米国金利の先安観は消えていない。パウエルFRB議長は会見で財政支援策の必要性について改めて言及しており、新たな財政支援が実現すれば、追加緩和を行う可能性が高いとみられている。



■来週の注目スケジュール

11月9日(月):日・景気先行CI指数(9月)、決算発表:ソフトバンクGなど
11月10日(火):日・景気ウオッチャー調査(10月)、米・アップルがイベント開催など
11月11日(水):日・工作機械受注(10月)、欧・ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁がECBフォーラムで講演など
11月12日(木):日・コア機械受注(9月)、日・東京オフィス空室率(10月)、パウエルFRB議長がECBフォーラムで講演、決算発表:米アプライドなど
11月13日(金):米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(11月)など

《YN》

 提供:フィスコ

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