市場ニュース

戻る
 

【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

リバーエレク <日足> 「株探」多機能チャートより

■リバーエレク <6666>  1,375円 (+258円、+23.1%) 一時ストップ高

 リバーエレテック <6666> [JQ]が続急騰し、年初来高値を更新した。同社は19日取引終了後に、製造子会社の青森リバーテクノで水晶振動子の製造ラインを増設すると発表。生産能力増強による業績への寄与などが期待されたようだ。音叉型水晶振動子は、主にデジタル機器の電源管理やクロック源として使用されるタイミングデバイスで、次世代通信規格5Gの進展などにより音叉型水晶振動子に対する小型・省電力化・高信頼性の要求が高まるとともに、堅調な受注に対応できる安定した供給体制の構築が求められている。なお、設備投資額は約6億3000万円で、来年6月の稼働開始を予定している。

■不二硝子 <5212>  1,015円 (+150円、+17.3%) ストップ高

 不二硝子 <5212> [JQ]がストップ高の1015円に買われた。国連児童基金(ユニセフ)が19日、新型コロナウイルスのワクチン投与に使用するために、21年中に全世界で注射器10億本を備蓄すると発表しており、これを受けて医療用ガラス専業で、注射剤を入れるための容器であるアンプルやバイアル(管瓶)などを手掛ける同社に思惑的な買いが入ったようだ。

■日電波 <6779>  470円 (+45円、+10.6%)

 東証1部の上昇率3位。日本電波工業 <6779> が続急騰。20日に水晶振動子の生産能力増強を発表したリバーエレテック <6666> [JQ]が一時ストップ高まで買われたことで、同じく水晶振動子を手掛けている日電波にも物色人気が波及したもよう。なお、日電波は12日に76.8メガヘルツのサーミスタ内蔵水晶振動子の量産を6月から開始していることを明らかにしている。これは米クアルコムが開発している5G向けスマートフォンに搭載されるチップセットの要求仕様に合致・合格し、クアルコムが認定する水晶振動子製造会社の承認を受けたことによるもの。日電波は同製品の安定供給に尽力するとともに、拡販を図る予定だとしている。

■いい生活 <3796>  1,024円 (+97円、+10.5%)

 いい生活 <3796> [東証2]が大幅反発。19日の取引終了後に発表した9月度の月次概況(速報)で、クラウドソリューション事業の売上高が1億8500万円(前年同月比6.3%増)と2ヵ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。サブスクリプション収益が1億7200万円(同4.9%増)と牽引したほか、スポット収益も1300万円(同30.0%増)と高伸長だった。

■パルテック <7587>  576円 (+51円、+9.7%) 一時ストップ高

 PALTEK <7587> [東証2]が続急伸。一時ストップ高の625円に買われた。20日午後1時ごろ、米ザイリンクス社SoC(システム・オン・チップ)「MPSoC」搭載の世界最小の組み込みFPGAエッジコンピューティング「So-Oneモジュール」の販売を開始すると発表しており、これが好感された。同社によると、「So-Oneモジュール」を活用することで、5Gの普及により必要とされる高速演算処理が可能なエッジコンピューティングを、エッジ側のさまざまな情報機器端末に実装することが可能になり、店舗などでの監視カメラや製造現場でラインセンサカメラなどでのエッジコンピューティングの高速化が可能になるほか、人工知能(AI)による病巣の診断補助や工場施設でのセンサデータ解析、ビジョンセンサを活用した産業用ロボットでの映像解析の高速化などができるようになるとしている。

■DMソリュ <6549>  2,379円 (+198円、+9.1%)

 ディーエムソリューションズ <6549> [JQ]が急反発。20日前引け後に、AI CROSS <4476> [東証M]とセールスパートナー契約を締結することで基本合意したと発表しており、これが好感された。今回の提携は、DMソリュが得意とするリアルなコミュニケーションツール「ダイレクトメール」と、AIクロスが得意とするデジタルなコミュニケーションツール「SMS配信」を融合し、両社の持つ資源や強みを生かしたソリューションを開発するのが狙いとしている。

■TKP <3479>  3,250円 (+252円、+8.4%)

 ティーケーピー <3479> [東証M]が大幅高で3日続伸。SMBC日興証券が19日付で、投資評価「1」を継続し、目標株価を3200円から4100円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。新型コロナウイルスの影響で21年2月期上期は厳しい状況だったが、コロナ禍でも新たな貸会議室需要を取り込みつつあることや、コスト削減により収益体質が改善していることにより、第3四半期以降は黒字回復を予想。また、中長期的にも高水準の利益成長が続くと見込んでおり、同証券では、来期以降の業績回復を織り込むタイミングと判断し、目標株価を引き上げたという。

■MDV <3902>  3,400円 (+260円、+8.3%)

 東証1部の上昇率9位。メディカル・データ・ビジョン <3902> が続急伸。同社は20日、パソコンやスマートフォンといった情報通信機器を通じたオンライン診療システム「オンラインドクターバンク」のサービス提供を27日に開始すると発表。新たな買い手掛かりとなったようだ。同サービスを利用することで、医師は既往歴や受診歴などの患者情報を確認したうえで診察することが可能。更にMDVが保有する国内最大規模の診療データベース(9月末時点の実患者数3332万人)を活用した問診システムを実装する予定で、医師はビッグデータに裏打ちされた問診システムを参考にすることができる。

■イントラスト <7191>  1,044円 (+65円、+6.6%)

 イントラスト <7191> が3日続伸し、連日で年初来高値を更新。19日の取引終了後、21年3月期の単独業績予想について、営業利益を11億円から11億6600万円(前期比14.2%増)へ、純利益を7億4000万円から7億9000万円(同15.0%増)へ上方修正したことが好感された。売上高は想定の42億5000万円(同17.2%増)通りで進捗しているものの、弁護士移管事案が想定よりも少なく推移したことなどを受けて貸倒費用が抑制されたことに加えて、リモートワークの推進などで、人件費や通信費が抑制されたことなどが要因としている。あわせて、従来5円を予定していた中間配当を5円50銭にすると発表した。期末配当予想は5円を据え置いている。また、21年3月期末時点の株主から、株主優待制度を変更すると発表した。従来はクーポン交換プログラムである「バリュースターモール」で利用できる2000円分のオンラインクーポンを贈呈していたが、変更後は保有株数と保有期間に応じて500円相当または1000円相当のクオカードを贈呈する。

■日本コークス <3315>  68円 (+4円、+6.3%)

 日本コークス工業 <3315> が続急伸。19日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(4-9月)連結業績について、営業利益が11億円から14億円(前年同期2300万円の赤字)へ、最終利益が収支均衡から3億円(同6億2800万円の赤字)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。売上高は440億円から410億円(同27.0%減)へ下振れたものの、製品市況が堅調に推移し、コークス事業の業績が上振れたことが利益を押し上げたとしている。

■広栄化学 <4367>  3,425円 (+185円、+5.7%)

 広栄化学工業 <4367> [東証2]が急反発。20日付の化学工業日報で、1液の熱硬化型ウレタンを80度の低温で硬化できる触媒とブロックイソシアネート(BI)を開発したと報じられており、これが好材料視された。触媒の反応性を高め、BIのブロック剤を最適化するもので、この温度領域の実現は世界初としている。また、従来の2分の1の温度で硬化できるため、低耐熱の樹脂が基材の用途にも適用できるほか、塗装ラインの省エネルギー化や工程短縮化も見込めるとしている。

■宮入バ <6495>  134円 (+7円、+5.5%)

 宮入バルブ製作所 <6495> [東証2]が急伸。19日の取引終了後、化学プラント向けバルブなどの製造・販売を行うインターバルブテクノロジー(横浜市港北区)及びインターバルブの中国合弁会社で半導体製造装置用バルブの販売を行うBGIT社と業務提携することで基本合意したと発表しており、これが好感された。今回の提携は、3社の事業領域が地域的及び製品分野的で重複せず、むしろ補完関係にあるため、それぞれの得意分野で経営資源を共有し協働することで、各社の事業が大きく拡大する可能性があると判断したという。また提携により、宮入バの製品をインターバルブとBGIT社が連携して中国で販売するほか、インターバルブが製造する製品の部品を宮入バが製造するとしている。なお、同件による21年3月期業績への影響は軽微としている。

■自律制御シ研 <6232>  2,845円 (+120円、+4.4%)

 自律制御システム研究所 <6232> [東証M]が大幅続伸。19日の取引終了後、文部科学省が進める先端研究基盤共用促進事業の支援を受けて国内4機関が実施する受託事業「風と流れのプラットフォーム」における「特定利用課題」に採択されたと発表しており、これが好感された。「風と流れのプラットフォーム」は、国内の6ヵ所の風洞施設と1つのスーパーコンピューターが連携して行われる。自律制御シ研はこれらを利用し、物流用ドローンの社会実装推進のために必要な安全性の向上を目的にコンピューターシミュレーションや風洞試験を実施することで、強風などの外乱環境でも安定した飛行制御が可能な物流用ドローンの開発を目指すという。

■バルクHD <2467>  312円 (+13円、+4.4%)

 バルクホールディングス <2467> [名証C]が大幅続伸。同社は20日、子会社のサイバージムジャパンがニュートラル(名古屋市)とサイバーセキュリティー分野で業務提携したと発表しており、これが株価を刺激したようだ。ただ、買い一巡後は徐々に上値が重くなった。サイバージムジャパンはイスラエルのサイバージムとの連携で専用トレーニング施設での実践的かつ体系的なトレーニングを中心とする幅広いセキュリティーソリューションを手掛けており、ニュートラルはさまざまなITソリューションを提供している。今回の業務提携により、サイバージムジャパンはニュートラルが持つ名古屋・大阪・静岡・金沢エリアでの幅広い販売網を通じてサイバーセキュリティーソリューションを提供することが可能になるという。

■IDOM <7599>  649円 (+26円、+4.2%)

 IDOM <7599> が大幅高で3日ぶりに反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が19日付で、投資判断「ホールド」を継続しつつ、目標株価を550円から750円に引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、コロナ禍からの販売台数の回復が想定よりも早かったとして、単独販売台数の想定を21年2月期12万9000台から13万7000台へ、22年2月期13万台から14万台へ引き上げ、一方で、単独販管費の予想を広告宣伝費の低減に加えて店舗関連費用の削減が進んでいるとして、21年2月期497億円から484億円へ、22年2月期486億円から479億円へ減少させた。更に、それに伴い21年2月期の営業利益予想を66億円から90億円へ、22年2月期を同81億円から103億円へ引き上げている。

※20日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均