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【注目】前週末9日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

アウン <日足> 「株探」多機能チャートより

■アウン <2459>  300円 (+80円、+36.4%) ストップ高

 アウンコンサルティング <2459> [東証2]がストップ高。同社は8日、「YouTube SEO」サービスを新たに開始すると発表しており、これが材料視されたようだ。SEOとは、「Search Engine Optimization」の略で、日本語にすると「検索エンジン最適化」。同社は20年以上のSEOに関するノウハウを生かし、通常のGoogle検索とは異なるアルゴリズムで形成されているとされる評価項目を分析し、企業のプロモーションを支援するとしている。また同日に、ポストスケイプ(東京都渋谷区)との業務提携により、CVXのタイ・ベトナム圏での独占販売権を獲得したと発表したことも買い手掛かりとなったもよう。CVXとは、デザイン・コーディングの知識が不要で、ランディングページのA/Bテストからトラッキング、クリエイティブ改善まで支援するLPO(ランディングページ最適化)ツール。ポストスケイプと連携し、タイ語、ベトナム語のツール開発支援を行うとともに、タイ・ベトナムのローカル企業に対してサービス提供することで、アウンコンサルティングとポストスケイプ双方の事業展開の促進など、包括的な業務提携の実施が可能となるとしている。

■ナビタス <6276>  431円 (+80円、+22.8%) ストップ高

 ナビタス <6276> [JQ]がストップ高。8日の取引終了後、中国市場における検査装置事業を強化するため、100%出資で新会社「希瑞斯(上海)視覚科技」を設立することを決定したと発表しており、これが好材料視された。新会社は、製造業の自動化が進む中国で画像検査処理需要が旺盛なことから、よりスピーディーな判断とアクションを展開することが目的で、画像検査システムの輸入及び販売、保守、メンテナンス、その他関連するサービスを提供する。なお、業績に与える影響は軽微としている。

■SHIFT <3697>  18,000円 (+1,930円、+12.0%)

 東証1部の上昇率3位。SHIFT <3697> が続急騰し、上場来高値を大幅に更新した。8日の取引終了後に発表した20年8月期の連結経常利益は25億3500万円(前の期比64.2%増)に伸びて着地。続く21年8月期も34億円(前期比34.1%増)と4期連続で過去最高益を更新する見通しとなり、好調な業績を評価する買いが入った。前期は製造業・エネルギー業・5G(第5世代移動通信システム)を中心とする通信・製造領域のソフトウエアテストが成長を牽引した。今期はコロナ禍で投資を見送る顧客もいるが、ソフトウエアサービス市場が拡大するなか、テスト業務の受注を伸ばす計画で、売上高は450億円と前期比56.7%増の大幅増収を見込む。

■良品計画 <7453>  1,981円 (+188円、+10.5%)

 東証1部の上昇率5位。良品計画 <7453> が急反騰。8日取引終了後に発表した20年8月期決算は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け低迷し、営業利益は8億7200万円(前の期実績は363億8000万円)と急激な落ち込みをみせた。ただ、株価面では今期の業績悪については織り込みが進んでいた。また、足もとは食品などを中心に巣ごもり需要を取り込み、回復色を強めている。売上高の拡大に加えコストコントロールなども寄与して21年8月期営業利益は492億円見通しと前期の落ち込みを大幅に上回る急回復を予想しており、これを手掛かり材料に買いを引き寄せた。

■ADプラズマ <6668>  1,304円 (+110円、+9.2%)

 アドテック プラズマ テクノロジー <6668> [東証2]が続急伸、全般軟調相場のなか逆行高となった。半導体向けを主力とする高周波プラズマ電源装置のトップメーカーで、ここ世界的に半導体市況回復期待が高まるなか、見直し買いが流入した。前日8日のアジア株市場では半導体受託生産世界トップのTSMCの7~9月の売上高が大幅な伸びとなったことで同社の株価も上昇、大手半導体メーカーの設備投資意欲の高まりを織り込みに行く段階に入った。同社は来週14日に20年8月期の決算発表を控えるが、営業利益段階で前期比85%増の10億5000万円を計画している。市場では未達の可能性が意識されているが、株価的には織り込みが進み、ここ三井住友DSアセットマネジメントが純投資目的で保有株を買い増す動きなどをみせていることも思惑につながった。

■システムディ <3804>  1,990円 (+161円、+8.8%)

 システム ディ <3804> [JQ]が急反発、年初来高値を更新した。岩井コスモ証券は8日、同社株の投資判断を「B+」から「A」に引き上げた。目標株価は1650円から2200円に見直した。同社は特定業種・業務に特化したパッケージソフトを提供している。特に、行政のデジタル化やハンコレス、ペーパーレスの動きが加速するなか、同社はこの流れに貢献できるサービスを多く持っていることに注目している。20年10月期の連結営業利益は会社予想の6億700万円に対して6億9000万円(前期比29%増)と増額修正を見込んでおり、21年10月期は7億3000万円への増益を予想している。

■大有機 <4187>  2,546円 (+189円、+8.0%)

 東証1部の上昇率9位。大阪有機化学工業 <4187> が続急伸。同社は8日、自社開発した高分子液晶型光配向材料が、有機ELディスプレーに使われる薄型積層フィルムの原材料として採用され、量産・販売を開始したと発表。これが材料視されたようだ。この材料は、その高い配向力を生かすことで、有機ELフレキシブルディスプレー用薄型積層フィルム用途だけでなく、自動車や建材などに用いられる調光フィルムやAR(拡張現実)・VR(仮想現実)向けホログラフィック光学素子といった、将来拡大が期待される新規分野への展開も可能。同社は引き続き、用途開発及び性能の更なる向上を目指すとしている。

■東洋合成 <4970>  7,890円 (+570円、+7.8%)

 東洋合成工業 <4970> が大幅5日続伸。同社は半導体関連の次世代露光技術EUV(極端紫外線)用フォトレジスト向け感光性材料を手掛けており、今後の成長期待が膨らんでいる。特に、EUV露光装置を手掛けるオランダのASMLホールディングスが14日に決算発表を予定しており、その内容が良好なら同社を含むEUV関連株に見直し買いが流入することも期待された。

■出前館 <2484>  3,195円 (+231円、+7.8%)

 出前館 <2484> が3日ぶり急反発。同社は9日、10月末までに日本マクドナルドホールディングス <2702> [JQ]の約850店舗で「出前館」のサービスが導入されることになったと発表。両社は19年4月から「出前館」のシェアリングデリバリーを活用した出前サービスの連携を開始。首都圏及び関西の一部店舗で展開していたが、10月末までに1都1道2府21県の合計850店舗に本格導入されることになったという。両社は11月以降も「出前館」の拠点拡大とともに、順次対応店舗を増やしていくとしている。

■魚喜 <2683>  1,117円 (+80円、+7.7%)

 魚喜 <2683> [東証2]が続急伸。8日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(3-8月)連結業績について、売上高が50億円から51億6300万円(前年同期比11.1%減)へ、営業利益が1500万円から6000万円(同4.3倍)へ、最終利益が500万円から2200万円(前年同期1000万円の赤字)へ上振れたようだと発表しており、これが好感された。内食需要の高まりで鮮魚事業が堅調に推移したことに加えて、巣ごもり需要を考慮した商品仕入れの実施、品切れや廃棄ロスの軽減などを図ったことが寄与した。

■北興化 <4992>  757円 (+47円、+6.6%)

 北興化学工業 <4992> が急反発。8日の取引終了後に発表した第3四半期累計(19年12月-20年8月)連結決算が、売上高321億9900万円(前年同期比3.8%減)、営業利益26億3400万円(同3.5%減)、純利益22億9600万円(同0.5%減)と減収となったものの、6-8月期は35.4%営業増益となっており、これが好感された。農薬事業の国内販売で、流通在庫の影響や海外からの原材料の入荷遅れに伴う生産・出荷の遅れが生じ、販売が減少したことが響いた。ただ、ファインケミカル事業で高利益品目の構成比が上昇したことや、海外子会社の製造コストの低減を図ったことなどが奏功した。なお、20年11月期通期業績予想は、売上高435億円(前期比3.6%増)、営業利益30億円(同3.4%増)、純利益28億5000万円(同1.1%増)の従来見通しを据え置いている。

■MrMax <8203>  833円 (+43円、+5.4%)

 ミスターマックス・ホールディングス <8203> が急反発。8日の取引終了後、21年2月期の連結業績予想について、売上高を1256億9600万円から1287億3700万円(前期比5.2%増)へ、営業利益を33億8700万円から48億4100万円(同97.6%増)へ、純利益を21億5300万円から28億6000万円(同2.2倍)へ上方修正したことが好感された。新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、衛生用品や巣ごもり関連商品の需要が高まったことに加えて、来店客の集中を避けるための販促の見直しやウェブ会議の活用などを継続して実施したことで、経費は計画を下回る見込みであることも寄与する。

■セブン&アイ <3382>  3,542円 (+156円、+4.6%)

 セブン&アイ・ホールディングス <3382> が大幅反発。同社は8日取引終了後、21年2月期の連結業績予想の増額修正を発表したことが好感された。売上高に相当する営業収益は5兆6920億円から5兆7590万円(前期比13.3%減)に見直したほか、営業利益は3220億円から3400億円(同19.9%減)、純利益は1200億円から1385億円(同36.5%減)に修正した。海外コンビニエンスストア事業やスーパーストア事業、それに金融関連事業などの利益見通しが予想を上回っていることなどが、業績に寄与する見通しだ。

■No.1 <3562>  3,480円 (+130円、+3.9%)

 No.1 <3562> [JQ]が大幅反発。9日前引け後に、子会社アレクソンが情報通信機器の企画開発・製造・販売を手掛ける台湾AMITワイヤレス社と、AMITが展開する5G通信対応製品の販売に関するアライアンスを締結したと発表しており、これが好感された。今回締結したアライアンスにより、No.1は、AMIT製品の販売だけではなく、5G通信を利用した製品の開発及び受託開発ビジネスへの展開を目指すという。具体的には中小企業向けのテレワーク環境構築のためのソリューションの開発や、受託開発事業(OEM/ODM)への5G並びにIoT技術の展開などを行うとしている。

■イオンFS <8570>  1,127円 (+32円、+2.9%)

 イオンフィナンシャルサービス <8570> が6日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が8日付で、投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウエイト」とし、目標株価を980円から1300円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、第2四半期(6-8月)3ヵ月の利益が予想を上回ったと指摘。第1四半期にアジアで貸倒引当金を大きく積み増した後、第2四半期には償却率の上昇が始まるとみていたが、償却率が上がらずクレジットコストが低水準だったことがその要因という。これを反映し、第3四半期以降のクレジットコストを従来よりも引き下げるなどしたことで、21年2月期の最終利益予想を69億9100万円から127億6500万円へ引き上げており、下期の配当予想も12円から35円(年46円)に引き上げている。

■アウトソシン <2427>  1,136円 (+26円、+2.3%)

 アウトソーシング <2427> が6日続伸。8日の取引終了後、経営コンサルティングを手掛けるエコシティグループ(横浜市都筑区)及びその完全子会社エコシティサービスの全株式を取得し子会社化したと発表しており、これが好材料視された。今回の子会社化は、中期経営計画で成長戦略の重点施策に位置付けている公共系アウトソーシング事業の拡大に資するシナジーを図るのが狙い。国内における公共関連事業の業容拡大だけではなく、将来的には英国既存グループ会社が有する公的債権回収を効率化する独自開発AIを利活用し、国内の公的債権回収業務のDX化を図る可能性も検討するという。なお、同件による20年12月期業績への影響は軽微としている。

■ポールHD <3657>  1,022円 (+20円、+2.0%)

 ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングス <3657> が3日続伸。8日の取引終了後、子会社キュービストがグラフィック制作事業を行うカラフル(東京都品川区)の株式を取得し、子会社化すると発表しており、これが好材料視された。カラフルのIPに特化したブランド力やレアリティーの技術と、キュービストの外部制作のノウハウ・プロモーション力・営業力を融合させることで、ゲームグラフィック業界における飛躍的なシェア獲得を図るのが狙い。また、ポールHDグループにカラフルのグラフィック制作事業を加えることで、より利便性の高いサービスを開発・提供し、受注の拡大や企業価値の向上を図るとしている。

■ポーラHD <4927>  2,067円 (+37円、+1.8%)

 ポーラ・オルビスホールディングス <4927> が5日続伸。同社は9日、17年1月に発売したシワを改善する薬用化粧品「リンクルショット メディカル セラム」を更に進化させた新商品を来年1月1日に発売すると発表。アンチエイジング(抗老化)に対する需要は依然大きいとみられ、新商品に期待する向きもあるようだ。「リンクルショット メディカル セラム」の累計売り上げは、17年1月の発売から今年6月までで約328億円(国内外合計)に上る人気商品。新商品はポーラ独自の医薬部外品有効成分「ニールワン」に加え、肌のハリ感とうるおいをサポートするオリジナル複合保湿成分「IC ユニット 1」、複合成分「エイドリキッド」、角層をサポートするオリジナル複合保湿成分「NEREリキッド」が配合されている。

■武田 <4502>  3,712円 (+57円、+1.6%)

 武田薬品工業 <4502> が3日ぶり反発。9月下旬に急な調整に見舞われたが、9日は押し目買いの動きが活発化した。同社は9日取引開始前、新型コロナウイルスへの感染から回復した患者の回復期血漿を、罹患して入院中の患者に投与する治療法の臨床試験を開始したことを開示しており、これを材料視する買いを呼び込んだ。同社リリースによると、血漿分画製剤で世界をリードする製薬会社が協業し、新型コロナによる重篤な合併症リスクを持つ患者に対する治療薬となり得る血漿分画製剤を開発する「CoVIg-19 アライアンス」が、高度免疫グロブリン製剤の有用性を評価するための臨床第3相試験において、第1例目の患者が登録されたことを確認したと公表したことを伝えている。

■博展 <2173>  403円 (+5円、+1.3%)

 博展 <2173> [JQG]が反発。8日の取引終了後、リアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank」を運営するunerry(東京都千代田区)と、デジタル技術とビッグデータによりイベント来場者の行動・属性などを分析し、デジタルマーケティングへ活用する新サービス「イベシル」の提供を開始したと発表しており、これが好感された。新サービスは、ビーコンやIoTセンサーの設置によりリアルの「場」の効果を測定可能とし、イベント会場者・ブース訪問者の来訪・日常行動特徴などのリアル行動分析、データやインサイトをシームレスに広告などのデジタルマーケティング施策に連携するもの。混雑状況に応じた新しい集客を実現するとともに、質の高い体験の提供が可能なリアルイベントで取得したデータを生かして、類似する幅広いユーザーにデジタル上でライトな体験を届ける統合的なマーケティング活動を推進するとしている。

※9日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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