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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

カワセコンピ <日足> 「株探」多機能チャートより

■カワセコンピ <7851>  310円 (+80円、+34.8%) ストップ高

 カワセコンピュータサプライ <7851> がストップ高。同社は25日取引終了後に、これまで未定としていた21年3月期通期の単独業績予想を公表。営業損益見通しは1000万円の黒字(前期は1億4100万円の赤字)としていることが買い安心感につながったようだ。新型コロナウイルス感染症の拡大防止策として訪問営業の抑制などが続く見通しであることから、通期の売上高見通しは前期比3.4%減の26億7000万円としている。ただ、売上高に見合う原価率の低下や経費の削減などが利益を押し上げるとみている。

■キャリアリンク <6070>  1,375円 (+300円、+27.9%) ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。キャリアリンク <6070> がストップ高の1375円に買われた。前週末25日の取引終了後、21年2月期の連結業績予想について、売上高を231億3200万円から269億8000万円(前期比27.8%増)へ、営業利益を5億8500万円から17億9500万円(同2.5倍)へ、純利益を4億200万円から12億7500万円(同2.4倍)へ上方修正したことが好感された。上期において、BPO事業者及び官公庁から新規大型BPO案件を受注することができたことに加えて、収益率の高い新規BPO案件の計上で売上総利益が改善することが要因としている。

■まぐまぐ <4059>  3,560円 (+550円、+18.3%) 一時ストップ高

 直近IPO株が軒並み高。まぐまぐ <4059> やSTIフードホールディングス <2932> が一時ストップ高に買われたほか、トヨクモ <4058> やI-ne <4933> 、それに雪国まいたけ <1375> も値を飛ばした。10月6日に東証への株式公開を予定していたキオクシアホールディングス <6600> が、この日に上場中止を発表した。キオクシアは時価総額1兆5000億円超の今年最大のIPOとなる見込みだったが、直近IPO銘柄には同社の上場に伴う資金捻出のための売りも懸念されていただけに、需給悪化懸念が後退したことも好感されたようだ。明日上場のヘッドウォータース <4011> は、人工知能(AI)絡みで人気化が予想されており、当面IPO関連人気は続くとみられている。

■テクノマセマティカル <3787>  1,010円 (+150円、+17.4%) ストップ高

 テクノマセマティカル <3787> が後場急伸しストップ高の1010円に買われた。前引け後に、独自のコンピュータアルゴリズム「DMNA」を用いて開発した低遅延モバイル・モニタリング・システム「Point-One」の販売を開始したと発表しており、これが好感された。「Point-One」は、最大16台のスマートフォンから実用的なレベルの映像・音声を0.1秒の低遅延かつ低ビットレートで伝送し、マルチビューワパソコンでモニタリングするシステム。伝送路に公衆インターネット回線網を使用し、クラウドサーバ環境が不要なため、安価なシステム構築が可能な点が特徴としている。

■スカラ <4845>  1,041円 (+150円、+16.8%) ストップ高

 東証1部の上昇率2位。スカラ <4845> がストップ高。同社は企業向けASPサービスなどを主力に企業や自治体のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資需要を取り込んでいる。そうしたなか、25日取引終了後、日本初の官民共創を展開するPublic dots & Company社(東京都渋谷区)と業務提携し、共創型DXプラットフォームシステム「CO-DO」の開発に着手することを発表、これを手掛かり材料に短期資金の攻勢が加速する形となった。

■日本ラッド <4736>  1,099円 (+150円、+15.8%) ストップ高

 日本ラッド <4736> は引き続き大口資金の流入が続き、150円高はストップ高となる1099円に買われた。株価は前週末まで連日で値幅制限いっぱいに買われており、きょうで3営業日連続のストップ高となる。独立系システムインテグレーターで、産業用コンピューター分野では世界首位級の台湾のアドバンテック社とインダストリアルIoT分野で資本・業務提携していることから、量子コンピューターなど次世代コンピューティング分野での展開力に期待が大きい。また、日本通運 <9062> 子会社の情報資産管理会社と業務提携し、電子署名・電子契約を活用したハンコ業務の効率化促進に取り組んでいることも足もとの物色人気につながっている。

■ビジ太田昭 <9658>  1,564円 (+201円、+14.8%)

 東証1部の上昇率4位。ビジネスブレイン太田昭和 <9658> が急反発し、年初来高値を更新。前週末25日の取引終了後、未定としていた21年3月期の連結業績予想について、売上高285億円(前期比0.5%増)、営業利益22億円(同3.3%増)、純利益14億5000万円(同1.6%増)と増収増益を見込み、3期連続営業最高益更新を予想していることが好感された。最近の受注状況などを考慮したほか、新型コロナウイルス感染症が緩やかに収束に向かうと想定している。

■NF回路 <6864>  2,232円 (+228円、+11.4%)

 エヌエフ回路設計ブロック <6864> 、フィックスターズ <3687> が買われたほか、シグマ光機 <7713> 、ユビキタス AIコーポレーション <3858> 、HPCシステムズ <6597> 、スパークス・グループ <8739> 、テラスカイ <3915> など量子コンピューター関連株が軒並み高に買われた。世界的に量子技術を巡る覇権争いが激化しており、直近は論文数で中国が米国を抜き世界首位となるなど、次世代テクノロジーにおける米中間の摩擦先鋭化のひとつの背景ともなっている。日本では7月末に東京大学を主体とする産官学の「量子イノベーションイニシアティブ協議会」が発足しており、トヨタ自動車 <7203> をはじめ日本を代表する企業など10団体が研究開発に積極的に取り組む構えをみせており、同分野に経営資源を注ぐ銘柄群に物色の矛先が向いた。

■プロパティエージェント <3464>  1,573円 (+145円、+10.2%)

 東証1部の上昇率10位。プロパティエージェント <3464> は後場上げ幅を拡大し年初来高値を更新。この日正午ごろ、集合住宅における全ての入室・利用及び時間制限付の鍵貸しを可能とする顔認証技術に関して特許を取得し、サービス展開すると発表しており、これが好感された。同特許は、子会社DXYZの有する物理的な鍵や暗証番号を一切必要とせずに顔認証を利用することで集合住宅のエントランス、宅配BOX、エレベーター、各住戸の入室・利用を可能とするもの。顔認証を共通プラットフォーム化することで、一度登録した顔情報をもとに、利用者自身が集合住宅以外でも顔情報を再度登録することなくサービスを利用することを可能としたほか、顔認証を活用して占有スペースに所有者がいなくても訪問者が占有スペースに入ることを可能とし、利便性を向上させたという。

■エイチ・アイ・エス <9603>  1,910円 (+143円、+8.1%)

 エイチ・アイ・エス <9603> が大幅続伸。朝方は売りに押されていたが、前場後半から急速に買いが優勢となり、後場寄り一段高に買われた。格安航空券などを扱う旅行会社大手でハウステンボスなどテーマパークやホテル事業なども運営する。前週末25日取引終了後、20年10月期の最終損益が318億円の赤字となる見通しを発表。前期実績の122億4900万円の黒字から大幅に悪化する。ただ、コロナ禍で業績悪は織り込み済みで、最近は政府主導の「Go To キャンペーン」などが追い風要因として意識されており、空売り筋の買い戻しを誘った。直近の信用倍率は0.6倍台と大幅に売り長で、日証金では逆日歩がついた状態にあり、株式需給面では浮揚力が働きやすい。

■ジュンテンドー <9835>  1,140円 (+80円、+7.6%)

 ジュンテンドー <9835> が急騰して一時、前日比169円(15.9%)高の1229円に買われ、年初来高値を更新した。前週末25日の取引終了後、21年2月期の単独業績予想について、売上高を448億円から475億円(前期比12.1%増)へ、営業利益を9億5000万円から19億6000万円(同6.7倍)へ、純利益を4億5000万円から10億5000万円(同12.2倍)へ上方修正したことが好感された。新型コロナウイルス感染症の影響により、マスクなどの感染予防関連や園芸や資材などの巣ごもり関連の売り上げが、第1四半期に引き続き第2四半期も想定以上に伸長しており、当面影響が続くとみられることが要因としている。

■新日本空調 <1952>  2,429円 (+159円、+7.0%)

 新日本空調 <1952> が後場一段高。同社はきょう、室圧の変更が可能な多用途型簡易クリーンブース「DiverCell(ダイバーセル)」を開発したと発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。「DiverCell」は、用途に応じて清浄な空気質を保持しながら室圧制御が可能。陽圧運転時には医療現場などにおける待機室や感染抑制室として在室者の感染リスクを低減させることができ、陰圧運転時では感染症発生時の仮設病室や臨時の感染隔離室として感染症の原因ウイルスなどを封じ込めることができるという。

■理経 <8226>  309円 (+19円、+6.6%)

 理経 <8226> が続急騰で連日の年初来高値更新、一時21%高と値を飛ばし352円まで駆け上がる場面があった。時価は急騰相場を演じた14年7月以来約6年2ヵ月ぶりの高値圏に浮上した。同社は情報機器の輸入商社であるとともに、システムインテグレーターでもあり、システム開発やネットワークソリューションも手掛け、ハード、ソフト両面を事業テリトリーとしている。官庁向けで高い実績を持っていることから、菅首相が打ち出した行政のデジタル化推進では、同社の商機が高まるとの見方がある。時価総額50億円前後と小型株にも関わらず、出来高流動性に富んでおり150万株程度まで積み上がった信用買い残もほとんど気にならない。業績面は厳しいものの、前20年3月期が底とみられており、300円近辺の値ごろ感から追随買いを誘った。

■丸文 <7537>  530円 (+30円、+6.0%)

 丸文 <7537> が急騰。27日付の日本経済新聞で「デジタル機器を無線電波で遠隔充電する新技術が国内での実用化へ動き出す。無線給電の米オシアなどが2021年に日本でサービスを始める」と報じられており、なかで同社が設備の導入などで協力し、企業向けに提供するとあることが好材料視された。記事によると、Wi―Fiと同じ電波を使い、ロボットや電子値札、スマートフォンなどを10メートル離れた場所から充電できるという。デジタル機器の長時間使用につながるだけに、用途は広いとの見方が買いにつながったようだ。

■西松屋チェーン <7545>  1,474円 (+81円、+5.8%)

 西松屋チェーン <7545> が大幅高、7%を超える上昇で8日続伸と異彩の上値追いを継続。ベビー・子供衣料専門店を経営、郊外型の大型店舗での展開に特徴がある。コロナ禍も足もとの業績は好調で、9月の月次既存店売上高は前年同月を11%上回り11ヵ月連続のプラス成長を確保。店内は高い天井と広い通路幅でスペースを確保し3密を回避、店員を少なくしたローコスト経営が功を奏した。「このビジネスモデルの強みが今朝の金融・ビジネス系のテレビ番組で紹介されたこともあって人気が加速した」(国内証券アナリスト)という。株価は8月25日の高値を抜き2016年12月以来約3年9ヵ月ぶりの高値圏に浮上した。

■ハイマックス <4299>  2,535円 (+136円、+5.7%)

 ハイマックス <4299> が大幅続伸。前週末25日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を145億円から151億円(前期比1.6%減)へ、営業利益を7億5800万円から11億円(同8.7%増)へ、純利益を5億1200万円から7億4000万円(同6.5%増)へ上方修正したことが好感された。クレジット案件などを中心に売り上げの増加が見込めることに加えて、全般的な経費が圧縮されていることが要因としている。

■いちご <2337>  313円 (+16円、+5.4%)

 いちご <2337> が4日ぶりに反発。同社はきょう、プロジェクトに参加しているスマートフォン向けリアルワールドサッカーゲーム「TSUBASA+(ツバサ プラス)」の世界各国での公開日が決定したと発表しており、これが株価の刺激材料となったようだ。ゲームの公開は、9月30日に欧州主要地域(スペイン、フランス、イタリア、ベルギー、ドイツ、オランダ、イギリス)、10月15日にアジア・オセアニア地域及び一部の欧州地域(日本、台湾、香港、シンガポール、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、オーストラリア、ポルトガル、スイス)を予定。公開日が未発表の地域についても順次公開していくとしている。

■日本精化 <4362>  1,743円 (+85円、+5.1%)

 日本精化 <4362> がカイ気配スタートで続急伸。前週末25日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を275億円から290億円(前期比0.2%減)へ、営業利益を28億円から36億円(同1.1%減)へ、純利益を20億円から25億5000万円(同2.7%減)へ上方修正したことが好感された。家庭用製品事業で感染症対策製品の販売が当初予想を上回っていることに加えて、想定以上に工業用品事業での販売状況に改善が見込まれることが要因としている。

■Zホールディングス <4689>  698円 (+33円、+5.0%)

 Zホールディングス <4689> が続伸。SMBC日興証券は25日、同社株の投資評価「1」を継続するとともに、目標株価を650円から900円に引き上げた。インターネット広告需要は底打ちしたとみており、回復局面入りを予想。同証券では、同社の21年3月期連結営業利益を従来予想の1636億円から1717億円(前期比12.7%増)に増額修正している。また、LINE <3938> との経営統合に関して8月に公正取引委員会から承認を得たことなどから、統合準備が進捗している。

■三栄建築設計 <3228>  1,482円 (+52円、+3.6%)

 三栄建築設計 <3228> が続伸。前週末25日の取引終了後、子会社のメルディアホテルズ・マネジメントが、ホテル再建などのコンサルティングをはじめホテル・旅館・レストランの総合サポートを手掛ける日本ベストサポート(東京都千代田区)株式数の68.8%を取得し、子会社化すると発表しており、これが好感された。今回の株式取得は、日本ベストサポートの20年間に及ぶホテル運営に関する経験やノウハウ、経営資源を共有することで三栄建築グループのホテル事業を成長・拡大させることが狙い。取得価格は非開示。なお、21年8月期業績への影響は軽微としている。

■ソラスト <6197>  1,360円 (+39円、+3.0%)

 ソラスト <6197> が続伸。前週末25日の取引終了後、神戸・大阪エリアでグループホームを展開するファイブシーズヘルスケア(神戸市長田区)の全株式を取得し子会社化すると発表しており、これが好感された。今回の子会社化は、神戸・大阪エリア同エリア内のサービスの拡充や、ソラストが進める「地域トータルケア」の実現に資するのが狙い。取得価額は連結純資産(20年3月期167億7000万円)の15%未満。なお、21年3月期業績予想には一定額の影響を織り込み済みとしている。

■ソフトバンクグループ <9984>  6,341円 (+177円、+2.9%)

 ソフトバンクグループ <9984> は続伸、75日移動平均線をサポートラインにリバウンド局面にある。9月下旬に入ってからはハイテク株比率の高い米ナスダック市場が波乱含みとなるのを横目に、株価は下値模索の動きを強いられていたが前週末に下げ止まり、きょうも強弱感対立のなかも買い優勢の動きとなり続伸歩調にある。売買代金は東証1部第2位で引き続きマーケットの注目度は高い。同社は米ハイテク株のオプション取引でコール(買う権利)を大量に購入していることが判明し、ナスダック市場との株価連動性が高まったが、前週末はナスダック総合指数が240ポイントあまりの上昇で75日移動平均線の水準をキープしたことで、これを受けて目先買い戻しを誘導した。また、同社傘下企業のソフトバンクロボティクスが28日、飲食店向けに配膳・運搬ロボットを来年1月から販売することを発表、コロナ禍での人と人との非接触ニーズや人手不足に対応する商品として、これも株価の刺激材料となったとみられている。

■太陽ホールディングス <4626>  5,640円 (+90円、+1.6%)

 太陽ホールディングス <4626> が続伸。この日正午ごろ、21年3月期連結業績予想について、営業利益を101億円から118億円(前期比29.2%増)へ、最終利益を64億円から75億円(同2.0倍)へ上方修正したことが好感された。車載向け電子機器用部材が大幅に減少したことなどから、売上高は806億円から789億円(同11.7%増)へ下方修正した。ただ、新型コロナウイルス感染症の影響による世界的なリモートワークなどの拡大により、パソコンやタブレット端末及びサーバーやデータセンターの需要の高まり、電子機器用部材事業において利益率の高い半導体パッケージ用製品の受注が好調であったことや、新型コロナの影響で旅費交通費などの費用が減少したことが寄与した。

※28日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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