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【注目】前週末25日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

日本ラッド <日足> 「株探」多機能チャートより

■日本ラッド <4736>  949円 (+150円、+18.8%) ストップ高

 日本ラッド <4736> [JQ]が連日のストップ高で3連騰。菅政権下で行政のデジタル化に本腰を入れる方針が明らかとなっているが、直近では河野行政改革相が、行政上の手続きにおけるハンコの使用を原則廃止にしたいとの意向を示したこともあって、電子署名や電子契約に関連する銘柄群に短期資金の攻勢が活発化した。象徴的銘柄としては鈴与シンワート <9360> [東証2]で、同社株はワークフロー処理の時間を大幅に短縮できる印鑑Bot「Biz-Oin(ビズ オーイン)」の提供開始を手掛かり材料に連日のストップ高を演じ、25日もストップ高で3000円大台に乗せてきた。日本ラッドは、日本通運 <9062> 子会社で情報資産管理を行うワンビシアーカイブズと業務提携し、電子署名・電子契約を活用したハンコ業務の効率化促進に取り組んでおり、これがテーマ物色の波に乗る格好となっている。

■アイリッジ <3917>  1,113円 (+150円、+15.6%) ストップ高

 アイリッジ <3917> [東証M]がストップ高。同社は24日、JR西日本 <9021> が提供を開始したMaaSアプリ「WESTER(ウェスター)」の開発を支援したことを明らかにしており、これが改めて材料視されたようだ。アイリッジは今年4月にMaaS事業推進室を新設し、同領域における市場調査やMaaSアプリ企画支援、実証の実施を積み重ねており、今後はその知見を生かして鉄道業界のMaaS領域拡大の支援を目指すとしている。

■ニイタカ <4465>  3,510円 (+465円、+15.3%)

 東証1部の上昇率2位。ニイタカ <4465> が急反騰。24日の取引終了後に発表した第1四半期(6-8月)連結決算が、売上高46億4600万円(前年同期比8.8%増)、営業利益6億8600万円(同2.5倍)、最終利益4億7900万円(同96.7%増)と大幅増益となったことが好感された。アルコール製剤の販売が引き続き堅調だったほか、各施設で導入が増えているアクリル製パーティションなど飛沫感染防止設備のウイルス除去ニーズに対応した洗浄剤「ケミガード」などの新製品も貢献した。また、医薬部外品で高付加価値の手指用消毒液の出荷が多かったことも利益向上に貢献した。なお、21年5月期通期業績予想は、売上高175億円(前期比1.3%減)、営業利益13億円(同19.6%減)、最終利益9億円(同15.0%減)の従来見通しを据え置いている。

■SGHD <9143>  5,470円 (+700円、+14.7%) ストップ高

 東証1部の上昇率4位。SGホールディングス <9143> がストップ高。24日の取引終了後、10月31日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表したことが好感された。投資単位あたりの金額を引き下げることで、より一層の投資家層の拡大と株式の流動性の向上を図るのが目的という。あわせて、21年3月期の連結業績予想について、最終利益を525億円から550億円(前期比16.3%増)へ上方修正し、従来25円を予定していた期末配当について、実質増額となる14円に修正した。保有する日立物流 <9086> 株式と、日立物流が保有する佐川急便株式の持ち分法比率の変更を発表しており、日立物流株式売却に伴う持ち分法投資利益の減少と、佐川急便株式取得による最終利益の増加を織り込んだという。また、25日昼に発表した「上期最終を30%上方修正、通期も増額、上期配当も10円増額」も好材料視された。

■日本ガイシ <5333>  1,565円 (+128円、+8.9%)

 日本ガイシ <5333> が大幅高で3日ぶりに反発。24日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、営業利益を300億円から330億円(前期比40.0%減)へ、最終利益を170億円から210億円(同22.6%減)へ上方修正したことが好感された。売上高は4200億円(同5.0%減)の従来見通しを据え置いているものの、上期においてセラミックス事業で中国市場をはじめとして自動車販売や生産が回復しつつあることや、コロナ禍におけるデジタル化の進展によって電子部品の需要が増加していることなどが利益を押し上げる見通し。

■BBSec <4398>  2,890円 (+230円、+8.7%)

 ブロードバンドセキュリティ <4398> [JQ]が急反発。25日午前10時ごろ、大日本印刷 <7912> と資本・業務提携すると発表しており、これが好材料視された。今回の提携は、情報セキュリティー事業分野で、両社の事業競争力の強化・拡大を図るのが狙い。両社の「技術力」と「営業力」を組み合わせて、企業がテレワークなどにより新たに導入したクラウドやモバイル環境などのネットワークにおける脆弱性診断事業を強化するとともに、脆弱性対策のコンサルティングや製品・サービスを提供するとしている。なお、資本提携では大日印がBBSec株式を新たに取得するというが、その取引内容は適時開示基準に該当するものではないとしている。

■日ガス <8174>  5,170円 (+400円、+8.4%)

 日本瓦斯 <8174> が3連騰し年初来高値を更新した。大和証券が24日付で、投資判断を「2」から「1(買い)」へ、目標株価を4780円から6200円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、LPガスを中心に顧客数が増加するのに伴い利益が成長し、それを原資に配当が拡大するという、従来の株主価値向上サイクルは当面の継続が期待できると評価。また、LPガス・都市ガス・電力の「小売事業一元化」も、必要性は幅広く認識されながらも多くの事業者で実現できていない取り組みで、長期的な顧客基盤の維持・拡大及び1件あたり収益性の確保に寄与すると見込んでいる。

■スキヤキ <3995>  705円 (+52円、+8.0%)

 SKIYAKI <3995> [東証M]が5日ぶりに急反発。同社は25日、8月末時点の総会員数が前年同月比24.2%増の347万8000人になったと発表しており、順調に拡大していることが好感されたようだ。総会員数とは、ファンクラブサービス及びEC(グッズ)サービス、AMIPLE(イベントに行く仲間を簡単に探すことができるSNSサービス)、LiveFans(ライブ・セットリスト情報サービス)の会員数の合計。なお、8月末時点の有料会員数は同3.1%増の81万6000人となっている。

■ディディエス <3782>  312円 (+23円、+8.0%)

 ディー・ディー・エス <3782> [東証M]が急反発。24日の取引終了後、日立製作所 <6501> と「多要素認証基盤 EVE MA(イブエムエー)」及び「万能認証基盤 Themis(テミス)」の販売に関してOEMパートナー契約を締結したと発表しており、これが好感された。日立はこれまでもディディエスの認定販売パートナーとしてEVE MAを販売しているが、今回のOEM契約により日本国内でEVE MA及びThemisの顔認証、ワンタイムパスワード認証、IDマネージャーが日立のブランド製品としての取り扱いとなり、製品の保守サポートも行われることになるという。なお、同件によるディディエスの20年12月期業績への影響は軽微で、連結業績に織り込み済みとしている。

■F-ブレイン <3927>  1,219円 (+85円、+7.5%)

 フーバーブレイン <3927> [東証M]が急反発。24日の取引終了後、サイバーセキュリティクラウド <4493> [東証M]と取次店契約を締結し、クラウド型セキュリティー対策サービス「攻撃遮断くん」の取り扱いを開始したことを発表しており、これが好感された。「攻撃遮断くん」は、深層学習(ディープラーニング)をもちいた独自の攻撃検知人工知能(AI)を活用したクラウド型WAF(Webサイトの脆弱性を突いた攻撃に対するファイアウォールの一種)サービス。F-ブレインは「攻撃遮断くん」を取り扱うことで、国外セキュリティーベンダーのWAF製品と含め、幅広い顧客層に対してWAFセキュリティーを提供するとしている。

■神戸物産 <3038>  5,710円 (+360円、+6.7%)

 神戸物産 <3038> が急反発。24日の取引終了後、10月31日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表したことが好感された。投資単位の水準を引き下げることで株式の流動性の向上と投資家層の更なる拡大を図ることが目的という。なお、効力発生日は11月1日。

■アステリア <3853>  841円 (+48円、+6.1%)

 アステリア <3853> が大幅反発。24日の取引終了後、同社のモバイル向けコンテンツ管理システム「Handbook」が、国内モバイルコンテンツ管理市場における累計ユーザー数ランキングで1位を獲得したと発表しており、これが好感された。独立系コンサルティング・調査会社のアイ・ティ・アール(東京都新宿区)が発行した「ITR Market View:ユニファイド・エンドポイント管理市場2020」によると、国内モバイルコンテンツ管理市場は、会議での活用が拡大傾向にあることが市場の拡大を後押ししており、20年度売り上げは前年度比10.0%増を見込む。そのなか、「Hankbook」は、新規ユーザーが着実に増加していることに加えて、既存ユーザーのシステム拡張が好調に推移しているという。

■C&R <4763>  1,351円 (+59円、+4.6%)

 クリーク・アンド・リバー社 <4763> が大幅反発。25日の午前中、同社のアスリート・エージェンシーが、琉球アスティーダスポーツクラブ(沖縄県中城村)が運営するプロ卓球チーム「琉球アスティーダ」と、キャリア支援におけるパートナーシップを締結したと発表しており、これが好感された。琉球アスティーダは、日本のプロ卓球リーグ「Tリーグ」に所属するクラブチームで、リオ五輪団体銀メダリストの吉村真晴選手や、全日本社会人女子シングルス優勝の実績を持つ森薗美月選手、五輪2大会連続メダリストの福原愛さんの夫でリオ五輪台湾代表の江宏傑選手などが所属している。今回のパートナーシップ締結により、所属選手に対して、個々のキャリアカウンセリングを実施したのち、夢・目標・経験・スキル・特性に合わせたプログラムを作成し、これまで得てきた経験や能力、個性を最大限に引き出し、コーチやビジネスパーソン、YouTuber、デザイナー、ライターなど、キャリアの幅を広げる支援を行うとしている。

■ホットリンク <3680>  624円 (+26円、+4.4%)

 ホットリンク <3680> [東証M]が大幅反発。25日午前11時ごろ、映像制作プロダクションのTHINGMEDIA(シングメディア、東京都渋谷区)と業務提携契約を締結したと発表しており、これが好材料視された。今回の提携により、ソーシャルメディアマーケティングに強みを持つホットリンクと、映像制作やライブ配信技術を持つシングメディア社によって、SNSライブ配信や、制作から配信まで一気通貫したSNS動画広告の支援が可能になるという。特にSNSライブ配信では、ホットリンクが企画設計やライブ集客に向けた広告、話題作りに向けたSNS運用の面で支援し、シングメディア社は配信を担当するとしている。

■前沢給装 <6485>  2,210円 (+91円、+4.3%)

 前澤給装工業 <6485> が大幅続伸。24日の取引終了後、発行済み株式数(自社株を除く)の1.06%にあたる12万株または2億5428万円を上限に、25日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買いを実施すると発表しており、これが材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められたようだ。

■ヒロセ電 <6806>  13,770円 (+430円、+3.2%)

 ヒロセ電機 <6806> が大幅反発。24日の取引終了後、第2四半期累計(4-9月)連結業績予想について、売上高を500億円から600億円(前年同期比0.4%減)へ、営業利益を85億円から120億円(同4.0%増)へ、純利益を60億円から80億円(同6.7%減)へ上方修正したことが好感された。産機向けビジネスが堅調に推移しているほか、自動車向けビジネスやスマートフォン向け・コンシューマ向けビジネスが想定よりも早期に回復していることが要因としている。

■ヤマトHD <9064>  2,803円 (+83円、+3.1%)

 ヤマトホールディングス <9064> が3日続伸。24日の取引終了後、10月13日付で自社株2276万4400株(発行済み株数の5.53%)を消却すると発表しており、これが好材料視された。なお、消却後の発行済み株数は3億8857万5592株となる予定だ。

■ニトリHD <9843>  22,125円 (+595円、+2.8%)

 ニトリホールディングス <9843> が反発。25日付の日本経済新聞朝刊で、「2020年3-8月期の連結営業利益は約800億円と前年同期に比べ4割強増えたようだ」と報じられており、会社側の従来予想577億円を大きく上回るとの観測が好材料視された。記事によると、新型コロナウイルス感染防止で在宅時間が長くなり、家具やカーテンなどインテリア需要が伸びたという。また、夏場以降はカーテンやベランダの園芸用品などにも需要が広がったことも寄与したという。なお、決算発表は10月2日を予定している。

■はてな <3930>  1,830円 (+50円、+2.8%)

 はてな <3930> [東証M]が11日ぶりに反発。24日の取引終了後、SaaS型サーバー管理サービス「Mackerel(マカレル)」が新機能「Google Cloud インテグレーション」の提供を開始したと発表しており、これが好感された。「Google Cloud インテグレーション」は、米グーグルが企業向けに提供しているクラウドソリューションに連携した新機能。これにより「Mackerel」を使って簡単にGoogleクラウドの連携対象サービスの監視が可能になるとしている。

■ライク <2462>  1,878円 (+49円、+2.7%)

 ライク <2462> が4日ぶりに反発。25日午前10時30分ごろ、グループ会社のライクスタッフィングが、建設業界向け就労移行支援事業を10月から本格スタートすると発表しており、これが好感された。今回本格スタートする建設業界向け就労移行支援事業では、建設業界の企業に対して、障害者の職域開拓から入社前の研修、入社後の定着支援まで総合的にサポートを行うほか、求職者に対しては、一社会人として長く仕事に生かせるよう専門的な研修を行い、キャリア形成の力添えができるよう支援をするという。

■ビザスク <4490>  3,480円 (+85円、+2.5%)

 ビザスク <4490> [東証M]が反発。25日午後1時ごろ、新規事業創出支援サービスでフィラメント(大阪市中央区)と業務提携したと発表しており、これが好感された。ビザスクでは、1時間インタビュー「スポットコンサル」をベースに、メンタリング、ワークショップ、業界勉強会などへの講師紹介などを組み合わせることで新規事業を包括的に支援するサービス「ビザスクproject」を提供しているが、今回の提携により同サービスで、フィラメントが保有する事業開発・人材開発に向けた独自のコミュニケーション施策やワークショッププログラムを利用できるようになる。また、フィラメントが主に大手企業向けに新規事業開発プログラムを進めるなかで、ビザスクが保有する10万人超のアドバイザーを活用した各種サービスを利用できるようになるとしている。

■豊田合 <7282>  2,306円 (+56円、+2.5%)

 豊田合成 <7282> が7日ぶりに反発。25日午後1時ごろ、ウイルスや細菌を除去する「深紫外LED光源モジュール」を開発し、量産化第1弾として出資先のWOTA(東京都文京区)が20年11月に発売する水循環型ポータブル手洗いスタンド「WOSH(ウォッシュ)」に搭載されたと発表しており、これが好感された。深紫外LEDは波長の短い紫外線で遺伝子を破壊して細菌やウイルスを除去するもの。これを搭載したWOSHは水を内部で浄化・循環して繰り返し再生利用することで、店舗入り口や屋外など水道が使いにくい場所に設置し、水を提供できることが特徴。フィルターでのろ過・吸着や塩素での消毒に加え、深紫外線を照射することで高い浄水性能を実現したという。

■技研製 <6289>  3,955円 (+85円、+2.2%)

 技研製作所 <6289> が3日ぶりに反発。同社は25日、自社が製造販売する杭圧入引抜機「サイレントパイラー」によるインプラント工法が、米ニューヨーク市のゴワヌス運河の護岸改修工事に採用されたことを明らかにしており、これが買い手掛かりとなったようだ。この案件は、グループ会社の技研アメリカがエンジニアリング企業として、設計会社や元請業者に提案し、採用に至ったもの。同社は注目度の高い運河での実際の施工を通じて、インプラント工法の優位性をアピールすることで、圧入技術の認知度向上と採用拡大が進むことを期待している。

■トヨタ <7203>  7,031円 (+103円、+1.5%)

 トヨタ自動車 <7203> が反発。ここ欧米を中心に世界景気先行きに対する懸念から主力輸出株には向かい風が意識され、加えて日米金利差縮小を背景としたドル安・円高への警戒感から為替感応度の高い自動車セクターは売りに押されやすい相場環境にあった。しかし、24日は米国株市場が下げ止まったほか、外国為替市場ではドルが買い戻され、25日は1ドル=105円50銭近辺の推移と円安方向に振れ、これがポジティブ材料となった。なお、同社の21年3月期通期想定為替レートは1ドル=105円で実勢よりもやや円高で設定されている。

■SBG <9984>  6,164円 (+77円、+1.3%)

 ソフトバンクグループ <9984> が反発。株価は前日24日まで4日続落と下値模索の動きで、特に前日は300円近い下げとなり6000円トビ台まで水準を切り下げていた。テクニカル的にも75日移動平均線に接触し正念場を迎えていたが、25日は前日の米国株市場でナスダック総合指数が小反発ながら下げ止まる動きをみせたことで、米ハイテク株とここ株価連動性が高まっている同社株にも買い戻しの動きが観測された。

※25日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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