【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):任天堂、トヨタ、千趣会
任天堂 <日足> 「株探」多機能チャートより
任天堂<7974>は7日ぶりに反落。今月下旬に開催される東京ゲームショウを前にゲーム関連株への注目度が高まるなか、家庭用ゲームでは「ニンテンドースイッチ」とその関連ソフトで独り勝ち状態にある同社の存在感が高まり、前日まで6日続伸と上値指向を強めていた。そうしたなか、16日に同社はニンテンドースイッチのオンライン有料会員数が急増し、9月時点で2600万人を超えたと発表、ドル箱商品である「あつまれ どうぶつの森」などがオンラインサービスで収益に貢献している。しかし、寄り付き上値が重く、これが利益確定の売りを誘発する格好となった。
■トヨタ自動車 <7203> 7,021円 -43 円 (-0.6%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>や日産自動車<7201>、ホンダ<7267>など自動車株が安い。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、23年末まではゼロ金利政策を維持する方針が表明された。これを受け、ドル安・円高が進行。午前9時20分過ぎには、一時1ドル=104円80銭台をつけた。トヨタでは今期の想定為替レートを1ドル105円としており、円高の進行は業績の悪化要因となることを懸念する売りが出ている。
■千趣会 <8165> 474円 +80 円 (+20.3%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率3位
千趣会<8165>はストップ高。同社は女性向けアパレルや雑貨などを主力とするカタログ・ネット通販の大手で、足もとの業績は苦戦している。そうしたなか、16日取引終了後、JR東日本<9020>と資本・業務提携することを発表。EC事業の強化や商品の共同開発などで連携することで業容拡大期待が高まった。資本面ではJR東日本を引受先とする第三者割当による571万4200株の自己株処分を実施する。JR東日本は議決権ベースで12.46%を保有する筆頭株主になる予定で株価へのインパクトも大きくなった。
■アスコット <3264> 198円 +33 円 (+20.0%) 一時ストップ高 本日終値
アスコット<3264>は一時ストップ高。16日の取引終了後、20年9月期連結業績予想について、営業利益を8億5800万円から14億7500万円(前期比47.5%増)へ、純利益を3億200万円から8億2900万円(同2.1倍)へ上方修正したことが好感された。新型コロナウイルス感染拡大の影響などで不動産ソリューション事業における収益不動産販売の取引数が減少し、売上高は179億6200万円から157億7500万円(同25.0%減)へ下方修正した。ただ、不動産開発事業で高い利益性のある販売用不動産が順調に売却されていることが利益を押し上げる見通し。
■イノベーション <3970> 4,205円 +700 円 (+20.0%) ストップ高 本日終値
イノベーション<3970>が急騰。16日の取引終了後、21年3月期の連結経常利益を従来の1億7000万円~2億1000万円(前期比1.7%減~21.3%増)のレンジ予想から2億7000万円(前期比56.1%増)へ大幅上方修正し、4期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなったことが好材料視された。新型コロナウイルス感染拡大による影響を改めて精査した結果、懸念していた対面営業の自粛や顧客企業の広告宣伝費抑制などによる売上高減少リスクは極めて限定的にとどまると判断。好調だった第1四半期の実績も考慮し、上方修正に踏み切った。なお、4~9月期(上期)の業績見通しは引き続き開示しなかった。
■No.1 <3562> 3,040円 +500 円 (+19.7%) ストップ高 本日終値
No.1<3562>がストップ高。前場の取引終了後に、10月31日時点の株主を対象に1株を2株にする株式分割を実施すると発表したことが好材料視された。最低投資金額が現在の2分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かったようだ。
■ファンクリG <3266> 106円 +17 円 (+19.1%) 一時ストップ高 本日終値
ファンドクリエーショングループ<3266>が一時ストップ高に買われた。16日の取引終了後、連結子会社のファンドクリエーションが太陽光発電施設の購入に関して、SBIソーシャルレンディング(東京都港区)の貸付型クラウドファンディングを活用した資金調達を16日10時に開始し、申込総額が募集金額の5億7000万円に即日達したと発表。これが好感されたようだ。この後、25日に融資実行を受け、資金調達が完了する予定という。
■ソフトマックス <3671> 1,458円 +188 円 (+14.8%) 一時ストップ高 本日終値
ソフトマックス<3671>の上げ足加速、300円高はストップ高となる1570円まで駆け上がる場面があった。株価は昨年7月の高値1500円を上抜き、2013年7月以来約7年2カ月ぶりの実質青空圏に突入している。Web型電子カルテを主力に医事会計システムや健診システムなど医療情報システム開発分野で実績を伸ばし、電子カルテは中規模病院を中心に需要開拓を進めている。医療機関への業務請負や介護サービスなどを展開するソラスト<6197>とは医療ICTの活用に関連したサービスで包括的協業体制にあり、展開力が増している。株価は前日も取引時間中にストップ高に買われる場面があったが、直近は大口の実需買いが入るとともに、個人投資家などを中心とした短期資金の攻勢で株価が一気に押し上げられる形となった。
■フェニックスバイオ <6190> 795円 +100 円 (+14.4%) ストップ高 本日終値
フェニックスバイオ<6190>がストップ高。16日の取引終了後、米国のBioanalytical Systems,Inc.DBA Inotivと業務提携契約を締結したと発表しており、これを好感する買いが入った。Bioanalytical SystemsはCRO(医薬品開発支援)事業の商号「Inotiv」を用いて事業展開し、安全性と病理学的評価の知見を武器に非臨床分野で多くの実績を持つ企業。同社はPXBマウスを用いた試験を実施できる北米のCROを開拓しており、業務提携を通じて北米市場での販路拡大を進める構えだ。
■鈴与シンワート <9360> 1,311円 +124 円 (+10.5%) 一時ストップ高 本日終値
鈴与シンワート<9360>が急騰し、一時ストップ高に買われる場面があった。きょう午前に、印鑑Bot「Biz-Oin(ビズ オーイン)」の提供を開始すると発表しており、これを好感する買いが入った。Biz-Oinは社内承認の捺印処理業務をオンライン上で完結する定額制サービス。同社が提供するビジネスチャット「TAGS」などビジネスチャットツールとのAPI連携で在宅勤務でも押印が可能なほか、ワークフロー処理の時間を大幅に短縮できることが特徴だ。コロナ禍の影響でリモート勤務が定着するなか、捺印処理業務のオンライン化への需要取り込みが期待されている。
株探ニュース