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【特集】タナベ経営 Research Memo(5):経営コンサルティング事業は増収増益基調が続く

タナベ経営 <日足> 「株探」多機能チャートより

■業績動向

2. 事業セグメント別動向
(1) 経営コンサルティング事業
タナベ経営<9644>の経営コンサルティング事業の売上高は前期比7.9%増の5,577百万円、営業利益は同8.0%増の1,466百万円と増収増益基調が続き、2020年2月に修正した会社計画(売上高5,500百万円、営業利益1,370百万円)に対しても上回って着地した。主力の経営コンサルティングが順調に推移したほか、(株)リーディング・ソリューションの子会社化も増収増益に貢献した。2019年5月にRPA導入支援サービス「RoboRoid」を展開するワークスアイディ(旧 キューアンドエーワークス)(株)と業務提携契約を締結し、共同でRPAを活用した業務改善コンサルティング「Robo Working」の開発・提供を開始しており、数十件を受注した。当期末の単体ベースのコンサルタント人員(経営コンサルタント、人材開発コンサルタント)は、前期末比5名増の181名となっている。(株)リーディング・ソリューションについては受注が旺盛なことから、人員が子会社化前の14名から21名まで増えている。

分野別の売上動向を見ると、主力の経営コンサルティングは前期比6.3%増の3,923百万円となった。チームコンサルティングの期中平均契約数が前期比5.6%増の487契約となり、平均単価も上昇したことが増収要因となっている。高単価の「中期経営計画(ビジョン)策定・推進」や「FCCアカデミー(企業内大学)設立」等の受注が好調で、FCCアカデミーは新たに17社開校し、累計開校数は97社となった。

一方、戦略ドメイン&ファンクション研究会は、新たな研究テーマとして「『成長M&A』実践」「人材開発」等を追加したほか、「ナンバーワンブランド」「アグリビジネスモデル」等で海外企業視察を実施するなど、積極的な展開を進めていたが、新型コロナウイルス感染症の影響により2月、3月の研究会が中止となったことが響き減収となった。また、アライアンスは、全国の提携金融機関等からのクライアント紹介によりコンサルティング案件が増加したものの、提携先金融機関の顧客支援を目的とした勉強会「経営塾」については、会員数の減少や新型コロナウイルス感染症の影響による延期・中止により減収となった。

人材開発コンサルティングは前期比6.4%減の1,368百万円となった。オーダーメイド教育(研修)が、FCCアカデミー設立コンサルティングを推進した影響もあって減収となった。一方、FCCセミナーに関しては、次期リーダー候補育成を目的としたセミナーの参加者数が減少したものの、新入社員向け及びチームリーダー向けについては参加者数が増加した。また、新型コロナウイルス感染症の影響で集合型セミナーの一部が延期・中止となったものの、Webセミナーの開発・提供などに注力することでカバーし、売上高は前期比横ばい水準を確保した。

新たに加わったデジタルコンサルティングの売上高は257百万円となり、その他売上高はM&Aの成功報酬を初めて計上したことで、前期比59.9%増の30百万円となった。中堅・中小企業の人手不足解消、働き方改革、生産性の向上に向けたソリューションの1つとして、今後の需要拡大が期待される。

(2) SP(セールスプロモーション)コンサルティング事業
SPコンサルティング事業の売上高は前期比1.5%減の3,816百万円、営業利益は同9.8%減の169百万円となり、会社計画(売上高4,000百万円、営業利益200百万円)に対してもそれぞれ下回った。新型コロナウイルス感染症の影響により、各種イベントが中止となりプロモーショングッズ等の販売も減少したこと、コンサルタント人員の増員による人件費の増加などが要因だ。売上総利益率はSPコンサルティングの伸長により前期比1.1ポイント上昇の30.1%となり、売上総利益は同25百万円の増益となったものの、販管費が43百万円増加し減益となった。期末のマーケティングコンサルタント人員は前期末比7名増の64名となっている。

分野別の売上動向を見ると、SPコンサルティング(月契約型のセールスプロモーションコンサルティング+SPデザイン)は前期比20.6%増の2,080百万円と好調に推移した。このうち、月契約型のセールスプロモーションコンサルティングは、経営コンサルティング事業や外部パートナーとの連携により、より専門性の高いコンサルティングの受注が拡大し、契約件数も増加した。特に、ブランディングコンサルティングや採用プロモーションコンサルティングなどの引き合いが好調だった。また、SPデザインは大型チームの組成による専門性・独自性の向上や、同社の戦略総合研究所のデザインラボとの連携により、業種別・テーマ別でより専門性と独自性の高い提案を実施したことで、セールスプロモーションコンサルティングと合わせて受注件数、売上高とも伸長した。

SPツールは前期比36.2%減の670百万円となった。継続した安定受注はあるものの、戦略的に付加価値の高いSPコンサルティングに注力していることにより、減収傾向が続いている。

ダイアリーについては前期比3.0%減の1,066百万円となった。2019年に発行60周年を迎えた「ブルーダイアリー」はリ・ブランディングを実施したことで前期並みの水準を維持したものの、スポット性の高いカレンダーの受注が低調だったことで減収となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《NB》

 提供:フィスコ

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