市場ニュース

戻る
 

【市況】米ハイテク株高で市場心理好転し押し目買い活発/後場の投資戦略

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより

日経平均 : 22123.93 (+413.93)
TOPIX  : 1515.60 (+19.54)

[後場の投資戦略]

 前場の東京株式市場は買い優勢の展開だったが、先週末までの日経平均は今年初めての6日続落となり、相場の変調を指摘する向きもある。ここで当面の留意点を簡単に整理しておこう。

 まず、マクロ経済環境。当面、注意すべきは海外の経済統計だろう。今日の前場には7月の財新中国製造業PMIが発表された。結果は52.8で前月の51.2から上昇し、好不況の分かれ目となる50を3カ月連続で上回った。これに続き、今晩に7月米ISM製造業景況指数、5日には、7月米ADP全米雇用リポート、6月米貿易収支、7月米ISM非製造業景況指数、7日には7月中国貿易統計、そして、7月米雇用統計で今週を締めくくる。今週は株式市場に影響の大きい経済統計の発表が目白押しとなり注意が必要だ。

 次に4-6月期決算発表だが、今日のイビデン<4062>、明日のソニー<6758>、5日のホンダ<7267>、6日のSUMCO<3436>、任天堂<7974>など、相場全体に影響しそうな決算発表が続く。また、決算発表ではないが、明日4日には国内ユニクロの7月の月次売上高が発表される。足元の消費動向を占う上で注目する向きも多く、チェックしたい。

 決算発表に絡み、特に今日以降のアドバンテスト<6857>の値動きに注目したい。先週末の同社株は前日引け後に発表された20年4-6月期決算を受けストップ安比例配分となった。今日前場は先週末終値を挟んだ動きだが、今後、同社株への押し目買いが低調ならば、決算発表で急落した銘柄には手を出しづらい。一方、ここから押し目買いが旺盛となれば、他の急落銘柄の戻りもある程度期待できるかもしれない。アドバンテストの値動きが相場の先行きを占う手掛かりの一つとなりそうだ。

 そして、新型コロナ。感染拡大への警戒感が強い一方、ワクチンや治療薬の開発進展への期待も大きい。この中で5日に米モデルナが4-6月期決算を発表する。決算発表に合わせ、開発中のワクチンについて何らかの言及があり、相場に影響する可能性もある。アンテナを高くしておきたい。

 最後に注意点をひとつ。8月は特に外国人投資家が長期の休暇に入る傾向がある。ここから先、市場参加者が徐々に減少し、相場は少しの売買で値幅が大きくなる可能性がある。当面は上記のように市場変動要因が多く、予想外に相場が乱高下する場面も想定される。そうした環境を利用した「仕掛け的な売買」には振り回されないよう十分に注意したい。

 さて、後場の東京株式市場で日経平均は底堅く推移しそうだ。このところ下げの大きな要因となったのは低調な4-6月期決算だ。これに絡み注目された今日のアドバンテストの値動きは上述のように落ち着いた動き。また、7月28日に21年3月期業績予想を下方修正し株価が下落していたファナック<6954>は今日の前場は押し目買いで反発している。企業業績に対する極端な警戒感は後退しつつあるようにも捉えられる。先週末までの日経平均の6日続落で目先の売り一巡感も台頭しており、ここから下げても下値は限定的と考えられよう。
《AK》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均