市場ニュース

戻る

【特集】コニシ Research Memo(3):2020年3月期は下期に失速したが、通期では営業増益を維持

コニシ <日足> 「株探」多機能チャートより

■業績動向

1. 2020年3月期の業績概要
(1) 損益状況
コニシ<4956>の2020年3月期の業績は、売上高135,180百万円(前期比0.8%増)、営業利益7,115百万円(同1.2%増)、経常利益7,248百万円(同0.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,585百万円(同4.1%増)となった。増収・増益となったが、下期に入ってから業績が失速し、営業利益は中間期時点の計画値(8,000百万円)を下回った。下期の業績が低調となった要因は、2019年10月からの消費税の引き上げの影響が予想以上であったこと、原材料価格の低下ペースが予想より遅れたこと、2020年3月に入って若干ではあるがコロナの影響が見られたことなどによる。

営業利益の増減要因を見ると、マイナス要因としては販管費の増加429百万円、工事会社及び化成品の利益率の変動132百万円、工場経費の変動51百万円等があったが、プラス要因としては原材料価格の変動233百万円、販売価格の上昇300百万円、売上増加による利益増他165百万円があり、結果として営業利益は前期比で84百万円の増加となった。販管費の増加分のセグメント別内訳では、ボンド事業が218百万円の増加、土木建設事業が269百万円の増加、化成品事業が65百万円の増加、調整額が123百万円の減少であった。原材料価格の変動(低下)ではボンド事業が185百万円、土木建設事業が47百万円であった。販売価格の上昇では305百万円がボンド事業であった。

(2) 財務状況
2020年3月期末の財務状況は、流動資産は前期末比1,501百万円減少し73,504百万円となった。主に現金及び預金の増加680百万円、受取手形及び売掛金の減少2,688百万円、たな卸資産の増加538百万円による。固定資産は同786百万円減少し32,609百万円となったが、主に設備投資による有形固定資産の増加1,109百万円、のれんの償却による無形固定資産の減少169百万円、投資その他の資産の減少1,726百万円による。その結果、資産合計は106,113百万円(前期末比2,288百万円減)となった。

負債合計は、47,753百万円(前期末比4,735百万円減)となったが、主に支払手形及び売掛金の減少2,682百万円、1年内返済予定の長期借入金を含む短期借入金の減少495百万円、長期借入金の減少191百万円、退職給付に係る負債の増加186百万円等による。また、純資産合計は、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加3,642百万円、その他有価証券評価差額金の減少878百万円等から63,360百万円(同2,446百万円増)となった。

(3) キャッシュ・フローの状況
2020年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは6,285百万円の収入であったが、主な収入は税金等調整前当期純利益の計上7,256百万円、減価償却費1,862百万円、売上債権の減少2,696百万円などで、主な支出は、たな卸資産の増加514百万円、仕入債務の減少3,405百万円等による。投資活動によるキャッシュ・フローは3,924百万円の支出であったが、主に有形固定資産の取得による支出4,266百万円等による。財務活動によるキャッシュ・フローは1,833百万円の支出であったが、主な支出は借入金の減少724百万円、自己株式の取得による支出76百万円、配当金の支払額942百万円による。

以上から2020年3月期の現金及び現金同等物は549百万円増加し、期末残高は22,812百万円となった。


ボンド事業は増益ながら、土木建設、化成品は減益
2. 2020年3月期のセグメント別状況
(1) ボンド事業
セグメント売上高は49,979百万円(前期比0.5%増)、営業利益は4,331百万円(同4.7%増)となった。売上高は下期に入ってから住宅関連を中心に推移は低調であり、通期ではほぼ前期比横ばいにとどまった。利益面では、主に原材料価格の低下により営業利益は増益となった。

a) コニシ 一般家庭用:売上高6,534百万円(前期比0.5%増)
CVS、「100円均一ショップ」、ホームセンター向けが堅調に推移し、増収となった。

b) コニシ 住宅関連用:売上高20,290百万円(同1.6%増)
タイル施工用、補修用シーリング材、集成材用が好調に推移した。一方で、内装工事用は、上期は比較的堅調に推移したが、下期に入ってから消費税引き上げの反動で推移は低調であった。その結果、通期での売上高は微増にとどまった。

c) コニシ 産業資材用:売上高7,399百万円(同4.0%増)
主な製品は、紙管・製袋用途向け水性エマルジョン形接着剤、パネル用途向けウレタン系接着剤、自動車関連産業向け離型剤、産業用ホットメルト系接着剤など。特に以前から拡販に注力してきた自動車・電子部品用の弾性接着剤は堅調に増加したが、紙用は低調であった。

d) コニシテープ:売上高3,269百万円(同1.1%増)
以前は産業用に含まれていたが、順調に売上高が増加したことから、2019年3月期より新しいサブセグメントとして切り出された。通期では増収となったが、下期は伸び悩んだ。

e) サンライズ:売上高8,860百万円(同1.3%増)
戸建用シーリング用、車両用ともに上期は好調であったが、下期に入ってから消費税増税の反動により売上高は低迷し、通期では1.3%の増収にとどまった。

f) ウォールボンド工業:売上高2,731百万円(同3.2%増)
主要製品は壁紙用接着剤であることから、ほとんどが住宅関連である。コニシ向け(主に西日本での販売)は比較的好調であったが、既存ルート(東日本)での売上高が伸び悩んだ。サンライズと同様に、上期は堅調ながら下期に入ってから失速し、通期では3.2%増となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《EY》

 提供:フィスコ

日経平均