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【特集】エスプール Research Memo(2):2020年11月期第2四半期累計業績は期初計画を上回る増収増益に

エスプール <日足> 「株探」多機能チャートより

■業績動向

1. 2020年11月期第2四半期累計業績の概要
エスプール<2471>の2020年11月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比17.6%増の9,759百万円、営業利益で同29.9%増の991百万円、経常利益で同27.1%増の989百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同38.5%増の688百万円と2ケタ増収増益を達成、会社計画に対してもすべての項目で上回り過去最高を更新した。ここ数年で経営ポートフォリオを多角化し、各事業の収益性向上に取り組んできたことが、コロナ禍においても好業績を達成できた要因と考えられる。

売上高は人材アウトソーシングサービスが前年同期比21.3%増、障がい者雇用支援サービスが同19.3%増と主力2事業が揃って好調に推移したことが増収要因となった。また、売上総利益率は増収効果や生産性の改善効果等により前年同期比0.3ポイント上昇した。販管費は人件費を中心に前年同期比13.2%増加したが、派遣スタッフの募集費等を抑制できたことで、期初計画に対しては下回り、販管費率も前年同期比0.7ポイント改善した。この結果、営業利益率は同1.0ポイント上昇の10.2%と過去最高水準を更新している。

営業利益の主な増益要因を見ると、人材アウトソーシングサービスで195百万円、障がい者雇用支援サービスで45百万円、採用支援サービスで39百万円、ロジスティクスアウトソーシングサービスで28百万円の増益となった。また、会社計画比では、人材アウトソーシングサービスで130百万円、障がい者雇用支援サービスで56百万円、ロジスティクスアウトソーシングサービスで20百万円の増額要因となっている。なお、親会社株主に帰属する四半期純利益の増益率が経常利益よりも大きくなっているのは、従業員の給与等の引上げ及び設備投資を行ったことによる法人税額の特別控除適用が要因となっている。

四半期業績の推移を見ると、2020年11月期第2四半期は、売上高で前年同四半期比15.3%増、営業利益で同9.6%増と増益率が鈍化しているが、これは障がい者雇用支援サービスにおいて、前年同期は大企業からの大口発注があったことに加えて、2020年11月期第2四半期はコロナの影響で障がい者の教育訓練が遅れ、農園設備の販売時期が第3四半期にずれ込んだことなどが要因となっており、一時的なものと弊社では捉えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《ST》

 提供:フィスコ

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