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【特集】泉州電業 Research Memo(5):2020年10月期は上期が減益となったが下期に需要の回復を期待

泉州電 <日足> 「株探」多機能チャートより

■今後の見通し

1. 2020年10月期の連結業績見通し
泉州電業<9824>は上期の結果を受けて、2020年10月期通期の連結業績を下方修正した。現時点では、コロナの影響も勘案して売上高で前期比9.1%減の76,100百万円、営業利益で同11.8%減の3,510百万円、経常利益で同12.0%減の3,700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同9.4%減の2,460百万円と予想されている。期中の平均銅価格は630千円/トン(前期比10.8%減)を予想している。

上期はコロナの影響も含めて厳しい環境であったが、既に中国での自動車関連や半導体製造装置関連などで回復の動きが見られる。そのため、下期には一部の需要が回復すると見ており、通期ではこの目標を達成する計画だ。

通期の設備投資額は953百万円(前期1,363百万円)、減価償却費は593百万円(同543百万円)が見込まれている。名古屋支店物流センター用地取得500百万円、太洋通信工業(株)の工場機械設備100百万円などが計画されている。


銅価格は下落、全商品減収予想
2. 商品別の売上高見通し(単体ベース)
同社では商品別の売上高(単体ベース)を以下のように予想している。なお平均の銅価格は630千円/トン(前期比10.8%減)と仮定している。

(1) 機器用・通信用電線
コロナの影響もあり設備投資需要全般は不透明だが、半導体製造装置関連や中国での自動車関連に動きが出てきていることから、若干だが上期を上回ると予想している。この結果、売上高は前期比8.2%減の25,630百万円と予想されている。

(2) 電力用ケーブル
建設関連の動きは活発であるが、コロナの影響により停滞することも予想されることから、売上高は同8.9%減の24,310百万円が予想されている。

(3) 汎用被覆線
電力用ケーブルとほぼ同様で、住宅向けや中小ビル向けの需要そのものは堅調に推移すると思われるが、コロナの影響で工事の遅れや中断が予想されることから、売上高は同9.4%減の6,890百万円が見込まれている。

(4) その他電線
積極的な販売を行わない計画であることに加え、引き続き銅価格が低位で推移すると予想されること、主な需要先の中小ケーブルメーカーが必ずしも好調ではないことなどから同15.0%減の3,170百万円と予想されている。

(5) 非電線
引き続き加工品及びソーラー関連への需要は根強いものの、コロナの影響もあり全体としてはまだ低迷が予想され、売上高は同13.4%減の11,100百万円を見込んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《ST》

 提供:フィスコ

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