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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

小島鉄 <日足> 「株探」多機能チャートより

■小島鉄工所 <6112>  476円 (+80円、+20.2%) ストップ高買い気配

 小島鉄工所 <6112> がストップ高買い気配のまま取引を終了した。26日の取引終了後、MBO(経営陣が参加する買収)を実施すると発表。同社の児玉正蔵会長ら4氏が設立した児玉本社が1株570円でTOB(株式公開買い付け)を行うという。買い付け価格は26日終値を43.9%上回る水準で、きょうの株価はこれにサヤ寄せする形で買い気配値を切り上げた。なお、買い付け期間は6月29日から8月12日までとし、TOBが成立した場合は上場廃止となる予定としている。

■ジュンテンドー <9835>  614円 (+100円、+19.5%) ストップ高

 ジュンテンドー <9835> がストップ高。前週末26日の取引終了後、21年2月期の単独業績予想について、売上高を425億円から448億円(前期比5.7%増)へ、営業利益を4億円から9億5000万円(同3.3倍)へ、純利益を1億5000万円から4億5000万円(同5.2倍)へ上方修正したことが好感された。新型コロナウイルス感染症の影響により、足もとでマスクや除菌剤などの感染予防関連に加え、園芸や資材などの巣ごもり関連の売り上げが伸長したことが要因。また、上期の販管費が減少する見通しであることも寄与する。

■アイ・ピー・エス <4335>  913円 (+140円、+18.1%) ストップ高

 アイ・ピー・エス <4335> が後場急騰し、ストップ高まで買われた。同社はきょう、SAPジャパン(東京都千代田区)の承認を受け、準大手及び中堅企業の基幹システム(ERP)や人工知能(AI)などの最新デジタル技術の導入短縮化と業務品質向上を支援する標準ソリューションモデル「EasyOne Trading」の提供を開始したと発表。これが株価を刺激したようだ。「EasyOne Trading」は、IPSが20年以上かけてさまざまな総合商社、専門商社や卸業の顧客から学んだノウハウを実装し、統制の準拠や情報の統合性を崩さずに、多様できめ細やかな商社の仕事の実現を可能にした、安全・簡単なシステムの導入と活用コンサルティングサービスをパッケージングしたオールインワンのパッケージ。システム活用の実現性・安全性・経済性を飛躍的に高めるほか、導入プロジェクトをプログラム作りから活用による付加価値捻出に進化させているという。

■cotta <3359>  721円 (+100円、+16.1%) ストップ高

 cotta <3359> がストップ高に買われた。前週末26日の取引終了後、20年9月期の連結業績予想について、売上高を65億9500万円から74億5400万円(前期比16.5%増)へ、営業利益を1900万円から1億8800万円(同40.7%減)へ、純利益を3100万円から1億3500万円(同40.0%減)へ上方修正したことが好感された。上期決算発表時に通期業績見通しを上方修正したが、その後も「巣ごもり消費」による需要の拡大が続いており、インターネット通販サイト「cotta」の第3四半期売上高が、前年同期比約70%増となることが確実となっていることが要因。また、生協の宅配サービス販売を通じて子会社ヒラカワの売り上げが伸びていることも寄与するとしている。

■フィット <1436>  726円 (+100円、+16.0%) ストップ高

 フィット <1436> がストップ高の726円に買われた。前週末26日の取引終了後に発表した21年4月期単独業績予想が、売上高52億円(前期比9.8%増)、営業利益2億2000万円(同39.3%増)、最終利益1億7000万円(同2.1倍)と大幅増益を見込んでいることが好感された。上期には新型コロナウイルス感染症の影響による資材納品の遅れのほか、電力会社の太陽光発電施設の系統連系の遅れが見込まれるものの、下期にはそれらが解消する見通しのほか、計画仕入・計画施工を実施することで計画達成を見込む。なお、20年4月期決算は、売上高47億3500万円(前の期比5.7%減)、営業利益1億5700万円(前の期1億9700万円の赤字)、最終利益7900万円(同3億9800万円の赤字)だった。

■キューブシステム <2335>  1,042円 (+110円、+11.8%)

 東証1部の上昇率3位。キューブシステム <2335> は日経平均が400円超の下げとなるなか前週末に続く急伸で昨年5月以来となる4ケタ大台乗せを果たした。金融、流通、通信向けなど中心に高実績を誇るシステムインテグレーターでソフト開発やデータベース構築を強みに企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)需要を取り込んでいる。キャッシュレス化の流れを追い風にクレジット会社向けシステム構築案件が好調で業績に寄与している。21年3月期は売上高160億円(前期比9%増)、営業利益11億2000万円(同17%増)と増収2ケタ増益を見込んでおり、コロナ禍でも成長路線に陰りはない。

■TDCソフト <4687>  1,022円 (+74円、+7.8%)

 東証1部の上昇率7位。TDCソフト <4687> が急騰、商い増勢のなか東証1部値上がり率上位3傑に食い込む人気となった。AIデータサイエンスやアジャイル開発、クラウド分野などへの取り組みに力を入れており、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進でもアジャイル型のサービスを取り入れている。また、ローカル5G分野に傾注していることもポイントで、高速大容量通信のプライベートLTEサービスを手掛けるLTE-X(東京都品川区)と戦略的提携を行い同分野を深耕している。株価は4ケタ大台を回復、一時8.9%高の1032円まで上値を伸ばし、今月11日につけた戻り高値1005円を払拭した。

■瑞光 <6279>  4,710円 (+320円、+7.3%)

 26日に発表した「1→4の株式分割を実施」が買い材料。
 8月20日現在の株主を対象に1→4の株式分割を実施。最低投資金額は現在の4分の1に低下する。

■VIX短先物 <1552>  12,840円 (+640円、+5.3%)

 国際のETF VIX短期先物指数 <1552> が急反発。同ETFは「恐怖指数」と呼ばれる米VIX指数とリンクしており、米国市場の波乱時には上昇する特性を持つ。26日の米VIX指数は前日に比べ2.51(7.79%)ポイント高の34.73に上昇した。米国での新型コロナウイルス感染「第2波」への警戒感が高まり、同日のNYダウは730ドル安と急落した。これを受け、この日の東京市場ではVIX短先物が急伸している。

■テクノスジャパン <3666>  782円 (+37円、+5.0%)

 テクノスジャパン <3666> は全体急落相場のなか続伸、一時11%を超える上昇で800円ライン突破を果たした。同社株が800円台に乗せるのは昨年2月初旬以来約1年4ヵ月ぶりとなる。世界屈指のソフトウエア企業である独SAP製を中心にERPソフトの導入支援ビジネスを手掛けるが、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資需要を背景に案件獲得が進んでいる。21年3月期営業利益は前期比2.8倍の8億円を計画するなど新型コロナ感染拡大の影響を受けない業態が注目されている。顧客情報を統合・一元管理する顧客管理システム(CRM)の構築にも注力し、今後はERPとCRMを連携してサプライチェーンの効率化を実現するプラットフォーム(CBP)にも力を入れていく方針。

■不二サッシ <5940>  85円 (+4円、+4.9%)

 不二サッシ <5940> が急伸。きょう付けの日刊工業新聞で「米軍のテロ対策向けに開発した特殊な窓サッシについて、新たな用途拡大に乗り出す」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、同サッシは台風に耐える既存の高強度な窓サッシよりも一段と強度を高めた製品で、一定の爆発物にも耐え、沖縄をはじめ国内の米軍基地に納入済みという。今後は異業種や大学などと連携し、爆発が懸念される水素ステーションの建物や特殊空間にある宇宙分野などに提案するとしている。

■パレモ・HD <2778>  228円 (+10円、+4.6%)

 パレモ・ホールディングス <2778> が3日ぶりに反発。26日の取引終了後に発表した100%子会社パレモの6月度(5月21日~6月20日)の月次売上高で、既存店売上高は15.4%減と9ヵ月連続で前年実績を下回ったものの、5月度の74.8%減から減収率が大きく縮小しており、これが好材料視されたようだ。6月度スタート時点では、まだ80店舗が休業となっていたものの、6月1日には全店で営業再開となり、その後は週を追うごとに客数が回復しているという。商品別では、気温の上昇とともにカットソーやワンピースを中心とした夏型アイテムが好調に動き始め、また雑貨でも暑さ対策としての冷感グッズを中心とした夏シーズンアイテムが好調に推移したという。なお、同時に発表した第1四半期(2月21日~5月20日)連結決算は、売上高29億8000万円(前年同期比52.0%減)、営業損益9億5500万円の赤字(前年同期3億4700万円の黒字)、最終損益10億4000万円の赤字(同2億8000万円の黒字)となったが、想定内との見方が強いようだ。21年2月期業績予想は引き続き未定としている。

■OSG <6136>  1,664円 (+69円、+4.3%)

 OSG <6136> が続伸。前週末26日の取引終了後、未定としていた第2四半期累計(19年12月~20年5月)連結業績について、売上高552億円(前年同期比15.9%減)、営業利益60億円(同48.4%減)、純利益35億円(同56.1%減)になったようだと発表。また、中間配当を前年同期12円減の11円にするとしたが、悪材料出尽くし感から買われた。なお、19年11月期通期業績予想は引き続き未定としている。

■レーザーテック <6920>  10,740円 (+270円、+2.6%)

 レーザーテック <6920> は全体相場がリスクオフに傾くなか強さを発揮、一時480円高の1万950円まで上値を伸ばし、上場来高値を更新した。米国などで新型コロナウイルスの感染拡大への懸念が再び強まっており、足もとの世界景気回復期待が遠のいていることから株式市場でも改めてリスク回避の売り圧力が発生した。しかし、半導体セクターは5Gインフラの本格化に加え、テレワーク市場の拡大に伴うデータセンター増設など構造的な需要拡大局面への移行が見込まれている。更に高集積化の流れが加速するなか、EUV(極端紫外線)技術を活用した露光装置の市場拡大も顕著だ。同社はEUV向けマスクブランクス検査装置を供給する世界のオンリーワン企業として注目されており、押し目では機関投資家とみられる実需の買いが厚く、大勢上昇トレンドに変化が見られない。

■GAテクノ <3491>  6,810円 (+120円、+1.8%)

 GA technologies <3491> が反発。午前11時ごろ、中国で不動産テック事業を展開するユニコーン企業のBeike Investment Holdingsとサービス提携をしたと発表しており、これが好感された。Beike社は500万件以上の3D物件データを保有し、中古住宅、新築住宅の販売、賃貸、リフォーム、不動産金融ソリューションなどのサービスを提供。今回のサービス提携により、不動産業界として初の日本提携企業として3D内覧サービスの導入を行うとしており、グループ会社のModern Standardの運営する高級賃貸サイト「モダンスタンダード」で、Beike社が提供する3Dウォークスルー内覧の提供を開始するとしている。なお、同社ではBeike社の持つテクノロジーを活用することで20年11月までに3D内覧物件数2000件を目指すとしている。

■明治ホールディングス <2269>  8,530円 (+150円、+1.8%)

 明治ホールディングス <2269> が堅調。同社は26日、傘下のMeiji Seika ファルマ及びKMバイオロジクスが、英アストラゼネカが日本に導入予定の新型コロナウイルスワクチンの国内安定供給に向けた協議を開始したと発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。具体的には、KMバイオロジクスがアストラゼネカから原液の提供を受けて製剤化(バイアル充填・包装)したあと、Meiji Seika ファルマが保管・配送を行い、両社がアストラゼネカと協力して国内流通に必要な準備を行う予定。なお、同ワクチンは現在、アストラゼネカとオックスフォード大学が共同で開発を進めている。

※29日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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