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【特集】デリカフHD Research Memo(8):2020年3月期は業務用を主力とする企業の業績悪化が目立つ

デリカフHD <日足> 「株探」多機能チャートより

■同業他社比較、株主還元策

1. 同業他社比較
株式を上場している大手食品卸6社の2020年3月期の業績を見ると、デリカフーズホールディングス<3392>を含めて7社中、増収となったのは3社で、経常利益の増益は1社にとどまった。特に、利益面では売上規模で1,000億円以下の中堅企業の大幅な悪化が目立つ結果となった。これら企業の共通点としては業務用を主力としており、今回の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて業績が大きく悪化した点である。逆に、大手企業はBtoC領域が堅調に推移したため影響は軽微であった。

2021年3月期の業績見通しについては中堅企業がすべて非開示となっており、上位3社では伊藤忠食品のみ増益予想で、三菱食品やスターゼンは減益見込みとなっている。今後の新型コロナウイルス感染拡大の状況次第とはなるものの、少なくとも6月までは外食業界向けは厳しい状況が続くと見られ、2021年3月期についても前期同様、中堅企業の苦戦が予想される。

株価バリュエーションを見ると、6社平均の実績PBRが0.74倍、実績PERが18.5倍であるのに対して、同社は1.17倍、26.0倍とそれぞれ割高に評価されている。これは、同社の今後の成長に対する期待の表れの裏返しとも言える。2021年3月期は一時的に苦戦が予想されるものの、外食業界におけるシェアが着実に上昇していること、カット野菜や真空加熱野菜など付加価値の高い商品が成長しており、中長期的には収益性の向上が期待されることなどが要因と考えられる。


足元の収益環境を考慮し、2020年3月期は減配に
2. 株主還元策
同社は株主還元策として、配当金と株主優待制度を導入している。配当金に関しては、配当原資確保のための収益力強化を図りながら、継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針とし、配当性向で20%程度を目安としている。2020年3月期の1株当たり配当金については、直近の収益状況に照らして、当初予定の10.0円から5.0円(配当性向20.4%)に減配することとした。2021年3月期については未定としており、業績予想の開示と同じタイミングで発表する見通しとしている。

また、株主優待内容に関しては8月末に株式分割を実施したのに合わせて、一部内容の見直しを実施している。毎年9月末の株主に対して保有株数に応じて「こだわり野菜等の詰め合わせ」または同等分のQUOカードを贈呈し(100株保有の場合、500円相当)、3年以上継続して2,000株以上保有している長期保有株主に対しては、別途優待内容を付け加えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《EY》

 提供:フィスコ

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