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【特集】デリカフHD Research Memo(3):業界随一の安全・安心なサービスを提供

デリカフHD <日足> 「株探」多機能チャートより

■会社概要

2. デリカフーズホールディングス<3392>の強み
同社の強みは、卸売事業者として国内外で開拓してきた多くの契約産地(仕入高の60%超)から安定した仕入れを行うことができる調達力と、高品質で安全・安心に商品を顧客のもとに配送する物流網を全国に構築(委託業者を含む)していることが挙げられる。業界初となるスーパーコールドチェーン※1を東京第二FSセンター(2013年7月稼働)以降に開設した事業所(奈良、西東京、中京、埼玉、九州)で導入しているほか、食品安全マネジメントシステムの国際標準規格となるISO22000※2や、その上位規格となるFSSC22000※2の認証も各事業拠点で取得、また、BCP対策という観点でも、物流センターや貯蔵センター、カット野菜の製造拠点を複数拠点構築しており、自然災害リスクへの備えも万全を期している。こうした食の安全・安心を確保するうえでの取り組みについては業界で最も先行しており、顧客からの高い評価につながっている。

※1 スーパーコールドチェーン:野菜の入庫から出荷、配送までの全工程を1~4℃の低温度で管理するシステム。野菜の鮮度が保持できるため、カット野菜の賞味期限を従来比2倍に延長することが可能となった。
※2 「FSSC22000」:「ISO22000」に食品安全対策(フード・テロ対策、原材料やアレルギー物質の管理方法など)や、「食品安全に関連する要員の監視」「サービスに関する仕様」などを追加したものでオランダの食品安全認証財団が認証機関となっている。


2018年6月には食品衛生法等の一部改正により、食品事業者等において衛生品質管理システムの国際基準となるHACCP(ハサップ)※の制度化が決まり、今後、導入が義務付けられることになったが(時期は未定だが2021年-2023年頃が目安)、同社が取得しているISO22000やFSSC22000は認証要件としてHACCPの規格が含まれていることから、同社にとっては追い風となる可能性がある。既に、外資系企業ではこれら国際標準規格を認証していることが取引を行ううえでの要件としており、取引額も増加傾向にある。

※HACCP: 食品の製造工程における品質管理システムのことで、食品のなかに潜む危害(生物的、化学的あるいは物理的)要因を科学的に分析し、それが除去(あるいは安全な範囲まで低減)できる工程を常時管理し記録する方法。


さらには、生産者と外食・中食企業をつなぐ情報流通機能を持つことも同社の強みとなっている。生産者に対しては、どのような野菜が求められているのか、どれだけの需要量があるのかという情報を提供し、また販売先となる外食・中食企業に対しては野菜の市況やトレンド、高騰した野菜に対する代替メニューの提案などを行っている。特に、ここ数年は天候不順や自然災害に起因する野菜価格の高騰が、外食企業にとっても悩みのタネとなっており、同社のメニュー提案力等が高く評価されている。同社は10年以上にわたって、野菜の機能性を研究しており、日本中から取り寄せた野菜に関する栄養価などの分析データベースで国内随一のデータを蓄積している。この分析データに基づいて、健康増進につながるメニュー提案を行っており、同業他社にはない強みとなっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《EY》

 提供:フィスコ

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