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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

アクロディア <日足> 「株探」多機能チャートより

■アクロディア <3823>  292円 (+80円、+37.7%) ストップ高

 アクロディア <3823> [東証2]がストップ高。8日の寄り前、塩野義製薬 <4507> が国内向けに研究用試薬として販売する「新型コロナウイルス IgG/IgM抗体検出キット」に関して、販売契約を締結したと発表しており、これが好感された。同製品の販売は、生活習慣病リスクの血液検査に関する業務提携先であるマイクロブラッドサイエンス(東京都千代田区)の紹介を受けて開始する。同製品は10分で測定結果の判定が可能であることや、目視判定のため専用の測定機器が不要であること、血清・血漿・全血のいずれの検体でも測定可能であることなどが特徴としている。

■ナノキャリア <4571>  385円 (+80円、+26.2%) ストップ高

 ナノキャリア <4571> [東証M]がストップ高の385円に買われ年初来高値を更新した。8日午前10時ごろ、創業者の一人で、サイエンティフィック・アドバイザリーボード委員長でもある片岡一則教授(東京大学名誉教授・特任教授/ナノ医療イノベーションセンターセンター長)らが6月4日に発表したミセル化ナノ粒子技術を用いた新型コロナウイルスワクチン開発のバックアップを行うと発表しており、これが好感された。同件は、ナノ医療イノベーションセンター(iCONM)と東京都医学総合研究所が、ミセル化ナノ粒子による核酸デリバリー技術を用いた新型コロナウイルスに対するmRNAワクチンの共同研究開発を開始するというもので、これまでの実績をもとにmRNAワクチン製剤の最適化を半年以内に達成できるという。ナノキャリアは、デリバリー技術のライセンス及び出資先でもあるアキュルナを通じ、ミセル化ナノ粒子のGMP対応などを含めた臨床開発の経験を生かしてバックアップを行うとしている。

■プロルート <8256>  498円 (+80円、+19.1%) ストップ高

 プロルート丸光 <8256> [JQ]がストップ高の498円に買われた。前週末5日の取引終了後、塩野義製薬 <4507> が国内向けに研究用試薬として販売する「新型コロナウイルス IgG/IgM抗体検出キット」の販売を開始したと発表しており、これが好感された。同製品の販売は、血液検査等器具についての優先的な代理店としての契約を締結しているマイクロブラッドサイエンス(東京都千代田区)の紹介を受けて開始する。同製品は10分で測定結果の判定が可能であることや、目視判定のため専用の測定機器が不要であること、血清・血漿・全血のいずれの検体でも測定可能があることなどが特徴としている。

■gumi <3903>  1,033円 (+150円、+17.0%) ストップ高

 東証1部の上昇率2位。gumi <3903> がストップ高で年初来高値を更新した。前週末5日取引終了後、集計中の20年4月期の連結業績予想について、売上高が194億6700万円から198億2700万円(前の期比6.7%減)、営業利益が16億9700万円から22億2500万円(前の期は14億3000万円の赤字)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。既存の主力タイトルが好調さを維持しているほか、昨年11月14日に配信を開始した「WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争」(スクウェア・エニックス配信)がグローバル的に好調に推移したことが貢献した。また、費用対効果を重視したプロモーション施策の実施による広告宣伝費の減少なども増益に寄与した。

■DLE <3686>  555円 (+80円、+16.8%) ストップ高

 東証1部の上昇率4位。ディー・エル・イー <3686> が値幅制限いっぱいの80円高は555円に買われた。前週末まで4日連続のストップ高を演じており、8日で5日連続のストップ高となるが、大量の買い注文が入り前引け時点ではカイ気配で値がつかない状態にある。今月1日取引終了後に、音楽を主体とする米国の短編動画ソーシャルメディアプラットフォーム「TRILLER」を運営する米トリラー社に出資することを決定したと発表したことが人気化の発端だが、既に需給相場の様相で「理屈では説明のつかない状況」(国内ネット証券アナリスト)にある。一方、同社の親会社である朝日放送グループホールディングス <9405> も、含み益拡大を材料に買いが集まりストップ高は150円高の956円に買われる人気となった。

■PCIHD <3918>  1,126円 (+150円、+15.4%) ストップ高

 東証1部の上昇率5位。PCIホールディングス <3918> がストップ高。新型コロウイルスナ収束後の世界では産業構造のデジタル化が加速する公算が大きいとみられているが、法案成立で政府が本腰を入れるスーパーシティ構想では自動運転分野も普及に向け関連各社が注力の構えをみせることが予想された。そのなか、同社は自動車向け組み込みソフトの受託開発で高実績を有し、高速で移動する自動車間の通信を可能とするプラットフォームの開発を行っていることもあって、関連有力株として頭角を現している。サイバー攻撃に対応する情報セキュリティービジネスにも精通している。

■朝日ネット <3834>  1,366円 (+165円、+13.7%)

 東証1部の上昇率7位。朝日ネット <3834> が続急騰。一時18%高の1417円と値を飛ばし、上場来高値を連日で更新した。独立系のインターネット接続サービス大手で「ASAHIネット」を運営するが、企業のリモートワーク導入やIoT普及を背景に法人向けで需要獲得が進展し業績を後押ししている。ここ最近は、リモート需要がビジネスだけでなく冠婚葬祭にまで広がっており、ネット接続ニーズの急拡大が中期的に同社の商機につながるとみられている。また、クラウド型教育支援サービス「manaba」を展開しており、オンライン教育の市場拡大でこちらも収益貢献が期待される状況にある。

■ワッツ <2735>  888円 (+87円、+10.9%)

 ワッツ <2735> が急反騰。前週末5日の取引終了後に発表した5月度の月次売上高で、100円ショップ直営店の既存店売上高が前年同月比16.0%増と2ケタ増で7ヵ月連続プラスとなったことが好感された。なお、全社ベースでは同7.9%増と4ヵ月連続でプラスとなった。

■T-BASE <3415>  380円 (+34円、+9.8%)

 TOKYO BASE <3415> が急反発。5日の取引終了後に発表した5月度の月次売上速報で、既存店売上高は前年同月比43.2%減となったものの、4月の52.8%減から減収率が縮小していることが好感されたようだ。5月は引き続き緊急事態宣言により実店舗は臨時休業していたものの、緊急事態宣言解除後に随時営業を再開したことが寄与した。また、クーポン・タイムセールなどの販売強化施策により、ECの既存店売上高は同25.4%と4月の17.7%増を上回った。

■ソリトン <3040>  1,579円 (+138円、+9.6%)

 ソリトンシステムズ <3040> が急反発、一時11%を超える上昇で1601円まで上値を伸ばし年初来高値を更新した。時価は2018年5月以来約2年ぶりの高値圏に浮上した。売上高の9割をITセキュリティー部門で占める。新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、企業のテレワーク導入が加速するなか、従業員が私物の情報端末などを業務に使うBYOD(ブリング・ユア・オウン・デバイス)にも対応したソリューション「SecureAccess」を展開しており、注目を集めている。文部科学省が主導するGIGAスクール構想では、強固な無線LAN認証が可能な「NetAttest」シリーズをリリース、こちらも注目度が高い。

■MRT <6034>  1,525円 (+120円、+8.5%)

 MRT <6034> [東証M]が急反発。前週末5日の取引終了後、塩野義製薬 <4507> が研究用試薬として販売する「新型コロナウイルス IgG/IgM抗体検出キット」に関して販売契約を締結したと発表しており、これが好感された。同製品は、塩野義がMRTの出資先であるマイクロブラッドサイエンス(東京都千代田区)との業務提携を経て、国内での実用化に向けて検討してきた抗体検出用キット。10分で測定結果の判定が可能であることや、目視判定のため専用の測定機器が不要であること、血清・血漿・全血のいずれの検体でも測定可能であることなどが特徴という。なお、20年12月期業績への影響については精査中としている。

■ITbook <1447>  538円 (+39円、+7.8%)

 ITbookホールディングス <1447> [東証M]が続急伸。ITコンサルティングやシステム開発のほか、地盤調査・改良ビジネスなどを展開するが、官公庁案件に強く、政府が主導するマイナンバー活用促進では重要なポジションを担っている。前週末5日に発表した21年3月期業績予想は売上高が前期比21%増の256億7300万円、営業利益は同2.1倍の3億2400万円と大幅な伸びを見込んでおり、これを材料視する買いを呼び込んでいる。同社は中期的な経営目標として、積極的なM&Aも視野に入れた事業規模の拡大などにより「売上高1000億円企業」を目指す方針を掲げている。

■リバーエレク <6666>  583円 (+40円、+7.4%) 一時ストップ高

 リバーエレテック <6666> [JQ]が続急伸、一時ストップ高に買われた。水晶振動子を主力とする電子部品メーカーで、次世代通信規格「5G」向けなどで商機拡大が期待されている。前週末5日取引終了後、使用温度200℃対応のGTカット水晶発振器「GTXO-04」を開発し既に生産を開始、サンプル出荷に対応していることを発表した。自動車のエンジンルームや通信基地局向けなど過酷な温度環境での需要が見込まれ、今後の需要開拓に期待が募っている。

■PALTEK <7587>  558円 (+36円、+6.9%)

 PALTEK <7587> [東証2]が続急伸。8日正午ごろ、ディジタルメディアプロフェッショナル <3652> [東証M]などと共同で、農業機械や建設機械、搬送ロボット向けにAIによる安全・遠隔・自動化ソリューション開発を促進する車両AI EVK(評価キット)を開発したと発表しており、これが好感された。今回開発した車両AI EVKは、機器をネットワークやワイヤレスにつなげるハード・ソフトウェアの技術を核とした研究開発型企業のサイレックス・テクノロジー(京都府精華町)が提供する働く車向け映像対応CAN/無線LANブリッジ「GDM-3250」と、PALTEKが提供するDMPのAIプロセッサIP「ZIA DV720」を搭載した「ZIA C3 Kit」を連携させたもので、車両の自動搬送の開発をサポートするという。PALTEKでは8日受注を開始し、7月から順次出荷する予定としている。

■ロジザード <4391>  1,851円 (+113円、+6.5%)

 ロジザード <4391> [東証M]が4日ぶりに急反発。8日、クラウド型店舗在庫管理システム「ロジザードZERO-STORE(ゼロストア)」が、IT導入補助金2020の対象ツールになったと発表しており、これを好材料視した買いが入った。IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者などがITツール(ソフトウェア、サービスなど)を導入する経費の一部を補助することで、業務効率化や売り上げアップのサポートを行うもので、同社のツールが対象となるのは、クラウド型在庫管理システム「ロジザードZERO」に続いてのこと。今回の認定により、「ロジザードZERO-STORE」導入の障壁が下がることになり、商機の拡大が期待されている。

■Hamee <3134>  1,592円 (+94円、+6.3%)

 Hamee <3134> が続急伸。8日前引け後、連結子会社Hameeコンサルティングが、Shopify(ショッピファイ)出店者向け楽天市場構築支援プランと国内モール出店者向けモール構築支援プランの提供を開始したと発表しており、これが好感された。同サービスは、Shopifyの「楽天市場」販売チャネル連携がリリースされたことに伴い、Shopify出店企業からの楽天市場の店舗構築に関する問い合わせが増えたことに対応。EC事業者への更なる販売チャネル拡大のサポート強化を目的に提供を開始したという。

■国際石開帝石 <1605>  805円 (+39円、+5.1%)

 国際石油開発帝石 <1605> が続急伸。5%を超える上昇で800円台に乗せたほか、石油資源開発 <1662> やJXTGホールディングス <5020> などが軒並み上昇した。世界経済の再生期待を背景に、ここにきて原油市況の戻り足が顕著だ。WTI原油先物価格は前週末終値ベースで2ドルを超える大幅高で1バレル=40ドル台目前まで水準を切り上げた。これを背景に米国株市場ではエネルギーセクターに買いが集まり、エクソンモービルが8%超の急騰をみせたほか、シェブロンも活況高を演じた。東京市場でも原油市況上昇が株価にポジティブに働く資源開発や石油関連に投資マネーが誘導された。

■三菱UFJ <8306>  483.2円 (+20.6円、+4.5%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> が5日続伸とメガバンクの戻り足が強まったほか、第一生命ホールディングス <8750> など生保株も大幅に買い優勢の展開となった。前週末の米国株市場ではゴールドマン・サックスやJPモルガンなど大手金融株が軒並み上昇し、NYダウの大幅高を後押しした。新型コロナウイルスの感染拡大による景気の落ち込みも、トランプ政権の財政出動やFRBの超金融緩和政策を背景に回復色を強め、前週末に発表された5月の米雇用統計は大方の予想を覆す好調な内容だった。これを受けて米10年債利回りも急上昇、前週末終値ベースで0.9%台に乗せてきた。東京市場でも米国事業を展開する金融セクターの株価に追い風となった。

■セリア <2782>  3,670円 (+145円、+4.1%)

 セリア <2782> [JQ]が大幅反発。前週末5日の取引終了後に発表した5月度の月次売上高で、既存店売上高が前年同月比8.3%増と2ヵ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。客単価が同8.0%増と大幅に伸長したほか、前月に落ち込んだ客数も同0.3%増と微増となった。なお、全社売上高は同12.5%増だった。

■日本航空 <9201>  2,448円 (+71円、+3.0%)

 空運株が高い。日本航空 <9201> やANAホールディングス <9202> が続伸し、ともに売買代金上位に顔を出した。5日の米国市場で、アメリカン航空グループやデルタ航空、ユナイテッド・コンチネンタルといった空運株が上昇。米景気回復に伴い、空運需要の回復期待が浮上しており、アメリカン航空グループが7月から国内線の便数を大幅に増やすと発表したことなどが評価された。これを受け、週明けの東京市場でも空運株に連想買いが流入した。コロナショックで空運株は、旅客需要の減少懸念で株価は急落しただけに、市場にはリバウンド狙いの買いが入った様子だ。

■レーザーテク <6920>  9,660円 (+210円、+2.2%)

 レーザーテック <6920> が7日続伸で上場来高値を更新したほか、東京エレクトロン <8035> 、アドバンテスト <6857> など半導体製造装置関連が軒並み高に買われた。世界的な景気底入れ期待が半導体市況の回復思惑にもつながっており、前週末の米国株市場ではアプライドマテリアルズやマイクロンテクノロジーなどをはじめ半導体関連株が一斉高、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も4連騰で史上最高値を更新した。東京市場でもこの流れが波及し、海外投資家などの実需買いが株価を押し上げる格好となった。

■トヨタ自動車 <7203>  7,167円 (+100円、+1.4%)

 トヨタ自動車 <7203> 、ホンダ <7267> など自動車株が揃って上値指向を強めた。世界的な株高に加え、リスクオンの波は為替市場にも及び、ここにきてドル買い・円売りの流れが顕著となっている。8日は1ドル=109円台後半まで円安が進行し、これを受けて輸出セクターのなかでも特に為替感応度の高い自動車株は輸出採算改善の思惑から買いを引き寄せる形となった。トヨタの21年3月期想定為替レートは1ドル=105円で実勢よりも4円以上円高に設定されており、大幅な差益が生じる。

■アース製薬 <4985>  7,280円 (+100円、+1.4%)

 アース製薬 <4985> が反発。5日の取引終了後、独自開発の酸化剤である要時生成型二酸化塩素水溶液(MA-T)を手掛けるエースネット(東京都港区)及び大阪大学発ベンチャーでMA-Tの研究・技術開発を推進するdotAqua(大阪府箕面市)との3社間で包括業務提携を締結したと発表しており、これが好材料視された。MA-Tは、エースネット社が開発した除菌・消臭剤のシステムで、日本のほぼ全ての航空機で採用されているほか、多くのホテルでも利用されている。また、最近の研究成果で、新型コロナウイルスに対しての効果も明らかとなり、医療現場における2次感染予防のほか、マスクや防御服を消毒して使用可能な状態にする液剤として役立つことが期待されているという。今回の提携は、革新的な酸化剤であるMA-Tの更なる価値向上と認知拡大を図るのが狙いとしている。

■OLC <4661>  15,465円 (+145円、+1.0%)

 オリエンタルランド <4661> が続伸。前週末5日の取引終了後、ベンチャーなどへの出資を行う100%子会社オリエンタルランド・イノベーションズを同日付で新たに設立したと発表しており、これが好感された。新会社は、ベンチャー企業が持つイノベーションをもたらす技術やアイデアと、OLCグループが持つ資源を融合することで、同社の企業理念である「夢・感動・喜び・やすらぎ」のある社会づくりに寄与する事業創出活動を行うことが目的という。投資は、グループ事業に密接に関わる領域やグループ事業にも影響のある社会的課題を解決する領域、グループ企業理念に合致する領域、またはグループ事業の課題解決や将来の備えに関わる領域に行うとしている。

※8日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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