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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

スカパーJ <日足> 「株探」多機能チャートより

■スカパーJ <9412>  452円 (+21円、+4.9%)

 スカパーJSATホールディングス <9412> が大幅反発。3日の取引終了後、集計中の20年3月期業績について、営業利益が150億円から153億円(前の期比0.1%増)へ、最終利益が100億円から120億円(同24.0%増)へ上振れて着地し、営業減益予想から一転して増益で着地したようだと発表したことが好感された。メディア事業における加入件数の減少に伴い業務手数料収入などが減少し、売上高は1435億円から1395億円(同14.9%減)へ下振れたものの、宇宙事業及びメディア事業両事業における技術関連費用やメディア事業における光コラボルートにおける販促費が減少したことなどが利益を押し上げた。

■クシム <2345>  1,236円 (+57円、+4.8%)

 クシム <2345> [東証2]が大幅反発。3日の取引終了後、人工知能(AI)エンジンの開発分野でネクスグループ <6634> [JQ]との業務提携関係を深め、更にネクスグループの株式を取得することで関係強化を図ると発表しており、これが好材料視された。今回の関係強化は、ネクスグループの子会社である株式会社ネクスが開発を進める「NCXX AI BOX」のAIエンジンの開発具体化を進めることが狙い。「NCXX AI BOX」は米エヌビディア社が提供する高性能なGPUと、カナダに本拠を置くシエラワイヤレス社製のマルチキャリア対応LTE通信モジュールを搭載し、多彩な外部インターフェースを持つ高性能なエッジAI端末。クシム及び子会社エイム・ソフトは、実証実験段階の「NCXX AI BOX」の製品化に向けた開発体制への協力と、実際の利用シーンに応じた追加開発を受注するとしている。

■燦キャピタル <2134>  115円 (+5円、+4.6%)

 燦キャピタルマネージメント <2134> [JQ]が大幅反発、株価は5月25日を境に大口の投資資金が流入し急速人気化の経緯をたどっているが、目先商いを膨らませ再び騰勢を強め需給相場の兆しをみせた。3日取引終了後、REBGLO(東京都江戸川区)が企画・開発し、フォーアールエナジー(横浜市)が日産自動車 <7201> から2次利用のために回収した「日産リーフ」の再生バッテリーを活用した可搬型蓄電池「どこでも denchi」及びその他蓄電池などの製品の製造・販売事業に関する覚書を締結したことを発表、これを手掛かり材料に物色人気が加速した。フォーアールエナジーはリチウムイオン電池システムの製造販売を手掛けており、REBGLOは車載用リチウムイオン電池2次利用の製造販売事業を展開する合同会社。

■マナック <4364>  1,049円 (+35円、+3.5%)

 マナック <4364> [東証2]が大幅反発。NITE(製品評価技術基盤機構)が5月29日、新型コロナウイルスに有効な界面活性剤に、「塩化ジアルキルジメチルアンモニウム(0.01%以上)」を28日付で追加したことを発表した。これを受けて同社は4日午後1時ごろ、広島大学大学院医歯薬保健学研究院の二川浩樹教授と共同開発した固定化抗菌剤「Etak」には、「塩化ジアルキルジメチルアンモニウム」のアルキル基に、効果が持続するよう固定化成分を結合させることで、ウイルスや雑菌に対して持続的に抗菌作用を発揮すると発表しており、NITEの発表を受けて思惑的な買いが入ったようだ。

■ヘリオス <4593>  1,883円 (+62円、+3.4%)

 ヘリオス <4593> [東証M]が大幅反発。3日の取引終了後、遺伝子編集技術を用いて作成した、ヒト白血球型抗原(HLA)型に関わりなく免疫拒絶リスクを抑える次世代 iPS細胞「ユニバーサルドナーセル(UDC)」の研究株が完成したと発表しており、これが好感された。通常、移植細胞は患者とのHLA型を一致させない場合には、免疫拒絶反応を起こすが、UDCは遺伝子編集技術を用い、免疫拒絶反応の抑制を可能にするiPS細胞。同社のUDCは、他家iPS細胞から拒絶反応を引き起こすHLA遺伝子を除去し、その細胞に免疫抑制関連遺伝子及び安全装置としての自殺遺伝子を導入した、安全な細胞医薬品の原材料となる細胞で眼科領域、次世代がん免疫細胞、臓器原基などへの活用を目指すという。

■PRTIME <3922>  2,537円 (+83円、+3.4%)

 PR TIMES <3922> が大幅反発。3日の取引終了後、運営するプレスリリース配信サービス「PR TIMES」の利用企業数が、6月2日に4万社を突破したと発表しており、これが好感された。同サービスは07年4月にサービスを開始。今期中の利用企業数5万社突破を目指している。また、20年5月のサイトアクセス数は初めて月間5000万ページビュー(PV)を突破したほか、新規企業登録数は単月1170社を記録し、月次のアクセス数と企業登録数ともに4月に続いて過去最高を更新した。

■ALサービス <3085>  1,985円 (+55円、+2.9%)

 アークランドサービスホールディングス <3085> が反発。3日の取引終了後に発表した5月度の月次売上高で、既存店売上高は前年同月比2.3%減と3ヵ月連続で前年実績を下回ったが、4月の10.4%減から減収率が縮小し、全店売上高が同4.5%増とプラスに転じたことが好感された。客数は同21.8%減と大幅な減少が続いているものの、客単価が同24.9%増と大幅に伸長したことが減収率縮小に貢献した。

■日本社宅サービス <8945>  1,133円 (+29円、+2.6%)

 日本社宅サービス <8945> が3日ぶりに反発。3日の取引終了後、21年6月末時点の株主から株主優待制度を拡充すると発表しており、これが好材料視された。現行制度では1単元(100株)以上を1年以上保有する株主を対象に一律で1000円分のクオカードを贈呈していたが、新制度では保有株数2単元(200株)以上保有の区分を追加し、1年以上で2000円分のクオカードを贈呈する。

■ハウス食品G <2810>  3,725円 (+90円、+2.5%)

 ハウス食品グループ本社 <2810> が続伸。株価は3700円台まで上昇し約4ヵ月半ぶりの水準に値を上げた。SMBC日興証券は3日、同社株の目標株価を4200円から4500円に引き上げた。投資評価は「1」を継続した。コロナ状況下でも、海外食品が強く、ポストコロナでも成長が加速する可能性を指摘している。特に中国のカレー、米国の豆腐、タイのレモン飲料は増収ペースを堅持し、底堅さが光っている。同証券では21年3月期の連結営業利益を従来の200億円から160億円に下方修正したが、会社計画(155億円)は上回ると予想。22年3月期の同利益は231億円に急回復すると見込んでいる。

■ノムラシス <3940>  531円 (+12円、+2.3%)

 ノムラシステムコーポレーション <3940> が反発。一時8%近い上昇で560円まで上値を伸ばした。独SAPのERPソフトに特化する形でシステムの導入コンサルティングを展開しデジタルトランスフォーメーション(DX)関連の有力株として買いが集まった。人工知能(AI)を活用して業務を自動化するRPA分野での受注開拓も進んでいる。20年12月期は売上高、営業利益ともに2ケタ伸長を見込んでおり、第1四半期(1-3月)の営業利益は1億2900万円と前年同期比4割以上の伸びを達成。対通期進捗率も34%に達している。

■太平洋セメント <5233>  2,632円 (+47円、+1.8%)

 太平洋セメント <5233> が3日続伸。SMBC日興証券は3日、同社株の投資評価「1」と目標株価3700円を継続した。短期的な業績は、国内・海外セメントでの事業環境悪化が懸念されるが、バイオマス発電の開始やダム建設などの大口工事案件着工により中期的な利益成長確度は高いとみている。セメント販売の減少の影響を受け、21年3月期の連結営業利益予想を従来の704億円から605億円(前期比0.8%減)に見直し、来期と来々期の業績も下方修正した。ただ、主燃料価格の下落の寄与もあり来期以降は増益が見込めると予想。また、継続的な自社株買いを実施していることも評価している。

■三菱UFJ <8306>  450.9円 (+6.3円、+1.4%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、三井住友フィナンシャルグループ <8316> などメガバンクが買われた。3日の米国株市場では発表された経済指標を受け、経済底入れ期待から大手金融株が大きく上値を伸ばし、JPモルガンが5%を超える上昇をみせたほか、シティグループも5%近く水準を切り上げるなど人気化するものが相次いだ。米10年債利回りも終値ベースで0.74%台と約1ヵ月半ぶりの水準に浮上しており、米国事業を展開する国内メガバンクにとっても追い風となった。また、ここ脚光を浴びるデジタル通貨発足に向けた動きに関しても中核を担うメガバンク各社の動向はマーケットの視線が集まりやすくなっている。

■川重 <7012>  1,786円 (+24円、+1.4%)

 川崎重工業 <7012> が3日続伸。同社とシスメックス <6869> が折半出資で設立した医療用ロボット開発会社メディカロイドが3日、自動PCR検査ロボットシステムなどの開発を行うと発表しており、これが好感された。開発を目指すロボットシステムの概要は、遠隔操作による検体採取ロボットシステムと自動PCR検査ロボットシステム、検温などのバイタル測定や食事のデリバリーを行う見守り・ケアネットワークシステム。10月に神戸医療産業都市内の施設で運用開始を予定している。

※4日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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