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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、利益確定売りも明日の米雇用統計を見極め

米ドル/円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

4日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。株高や原油高の一服でリスク選好の円売りは後退し、ドルは利益確定売りに押される見通し。ただ、欧州中銀(ECB)の緩和姿勢や明日の米雇用統計の改善への思惑で、ドル売りは抑制される。

前日の取引は米国の底堅い経済指標が材料視された。主要都市でのロックダウンによる制限措置が徐々に緩和されていることを反映し、ADP雇用統計は民間部門の雇用者数が前月比?276万人と前回から大幅に改善。また、ISM非製造業景況観指数は経済活動の拡大・縮小の節目である50は下回ったものの、前回と予想をそれぞれ上回った。それを受け米国株は上昇基調を強め、リスク選好の円売りが主要通貨を押し上げた。本日アジア市場の序盤もその流れを受け継ぎ、ドル・円は2カ月ぶりの高値となる109円付近に浮上している。

この後の海外市場では、ECBの金融政策が注目される。本日開催の理事会で政策金利を据え置き、同時に「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」の規模を拡大する見通し。足元ではユーロが上昇基調を強めてきたため、市場の想定通りなら調整のユーロ売りが先行し、ドルは下げづらい展開に。一方、明日発表の米雇用統計のうち失業率は20%近くに上昇が見込まれるが、今晩の米新規失業保険申請件数が前回を下回れば雇用情勢の改善期待でドルは売りづらい。ドル・円は利益確定売りに押されるものの、底堅さが意識されそうだ。

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・5月建設業PMI(予想:29.4、4月:8.2)
・18:00 ユーロ圏・4月小売売上高(前月比予想:-15.0%、3月:-11.2%)
・20:45 欧州中央銀行(ECB)が政策金利発表(主要政策金利は0.00%に据え置き予想)
・21:30 ラガルドECB総裁会見
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:184.3万件、前回:212.3万件)
・21:30 米・4月貿易収支(予想:-492億ドル、3月:-444億ドル)
・21:30 米・1-3月期非農業部門労働生産性改定値(前期比年率予想:-2.7%、速報値:-2.5%)
・21:30 カナダ・4月貿易収支(予想:-30.0億加ドル、3月:-14.1億加ドル)

《FA》

 提供:フィスコ

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