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【注目】前週末29日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

PSS <日足> 「株探」多機能チャートより

■PSS <7707>  1,647円 (+300円、+22.3%) ストップ高

 プレシジョン・システム・サイエンス <7707> [東証M]がストップ高で年初来高値を更新。28日の取引終了後、PCR全自動検査装置と一体化したPCR試薬について、厚生労働省へ保険適用のための申請を行ったと発表しており、これが好感された。承認後の具体的な販売体制については現在計画中。なお、20年6月期業績への影響は現在精査中としている。

■JMC <5704>  917円 (+150円、+19.6%) ストップ高

 JMC <5704> [東証M]がストップ高。同社は 3Dプリンターを使った試作品作成を手掛けるが、28日取引終了後にEOSジャパン(神奈川県横浜市)と連携して「樹脂3DプリンターAMサービス」の提供開始することを発表、これを手掛かり材料に物色人気化した。商いも増勢で戻り高値を払拭したこともあって、個人投資家を中心とした短期資金の参戦が活発化した。

■日本ラッド <4736>  860円 (+136円、+18.8%) 一時ストップ高

 日本ラッド <4736> [JQ]が急反騰。一時ストップ高まで買われ、年初来高値を更新した。同社は29日、台湾のアドバンテック社が新たに開発した感染症拡大防止ソリューションの国内販売・サポート展開を行うと発表。これが株価を刺激したようだ。このソリューションは、AI(人工知能)による顔検知機能と発熱・密集度などを検知する高機能カメラを組み合わせたもので、外来者発熱スクリーニングシステムや密集度計測システム、ソーシャルディスタンス計測システム、感染者トラッキングシステム(7月提供開始予定)の4つが含まれている。日本ラッドは、病院や公共施設、工場、製造現場など幅広い業務領域に向けて積極的に展開するとしている。

■グロームHD <8938>  708円 (+100円、+16.5%) ストップ高

 グローム・ホールディングス <8938> [JQG]が4日続伸、100円高はストップ高に買われた。29日で4日続伸となり底値離脱の動きを鮮明としてきた。不動産のサブリースを基点に、東京都を地盤とした業務用不動産賃貸事業を展開する。28日取引終了後、21年3月期から5ヵ年にわたる中期経営計画を策定。25年3月期には営業利益段階で28億1700万円(前期実績は6億600万円の赤字)を目指すとしており、これがインパクトを与えた。業績回復シナリオを材料視する買いが集中し、株価を押し上げる格好となった。

■TOWA <6315>  1,119円 (+150円、+15.5%) ストップ高

 東証1部の上昇率3位。TOWA <6315> がストップ高。28日取引終了後に発表した20年3月期の連結経常利益は前の期比31.1%減の6億4700万円に落ち込んだものの、続く21年3月期は前期比3.1倍の20億円に急拡大する見通しとなり、これを好感する買いが向かった。前期は米中貿易摩擦の影響を受け、モールディング装置の販売が落ち込んだことが響き、減収減益に沈んだ。ただ、下期は5G関連やサーバー向け設備投資の増加を背景に、付加価値の高いコンプレッション装置が好調で収益性は改善傾向にあった。今期はこの流れを引き継ぎ、半導体製造装置の販売が伸びるほか、新事業も拡大する見込みで、売上高は前期比14.8%増の290億円と2ケタ増収を計画している。

■三桜工 <6584>  814円 (+80円、+10.9%)

 東証1部の上昇率7位。三櫻工業 <6584> が急伸し一時、28日比133円(18.1%)高の867円に買われた。28日の取引終了後に発表した20年3月期連結決算が、売上高1427億700万円(前の期比1.6%増)、営業利益54億5200万円(同2.6倍)、最終利益21億7700万円(前の期85億2500万円の赤字)と大幅増益となったことが好感された。中国や米国での新規量産品の立ち上がりが寄与したことに加えて、日本国内や欧州を中心に品質ロスや固定費削減に努めたことが業績を牽引した。なお、21年3月期業績は新型コロナウイルスの影響により予想を算出することが困難と判断し未定としている。

■大泉製 <6618>  583円 (+55円、+10.4%) 一時ストップ高

 大泉製作所 <6618> [東証M]が大幅3日続伸。一時14%を超える上昇で75日移動平均線を大きく上放れ、一気に600円台に乗せる場面があった。自動車向けや空調向けに温度センサーを手掛けており、高い商品技術力を有している。 新型コロナウイルス感染症の拡大を受けで空気清浄機のニーズが高まっており、同社のセンサーにも需要が高まるとの思惑が浮上している。また、エレメントは5G通信インフラ整備向けなどでニーズを捉える可能性が高い。

■保土谷 <4112>  4,195円 (+360円、+9.4%)

 保土谷化学工業 <4112> が急反発。同社が28日取引終了後に発表した20年3月期決算は営業利益が前の期比4%減の29億200万円となったが、有機EL材料や医薬中間体などが収益に貢献し従来予想の14億円を大幅に上回った。これをポジティブ視する形で値幅取りを狙った資金が流入した。株価は2月27日取引時間中以来約3ヵ月ぶりとなる4000円大台復帰を果たした。

■弁護士COM <6027>  8,640円 (+720円、+9.1%)

 弁護士ドットコム <6027> [東証M]が急反発。寄り付き大口の買い注文が入り、切り返し態勢を明示した。クラウドサインに対する法的リスクが取り沙汰されるなか、ここ株価は調整色をみせて28日は終値ベースで9営業日ぶりに8000円大台を割り込んでいたが、目先売り一巡から見直し機運が台頭している。そうしたなか、同社は28日取引終了後、弁護士向け法律書籍の定額閲覧サービス「弁護士ドットコム LIBRARY」の提供を開始したことを発表、これが株価を強く刺激する格好となった。

■高田工 <1966>  893円 (+69円、+8.4%)

 高田工業所 <1966> [東証2]が急反発。28日取引終了後に発表した20年3月期の連結経常利益は前の期比4.4%増の22億5500万円で着地。従来予想の18億円を大幅に上回っており、これを好材料視する買いが入った。エレクトロニクス関連設備の建設工事は減少したものの、電力設備の建設工事が増加し、増収を確保した。工事運営の効率化を進めたことも増益につながった。併せて、創業80周年記念配当を実施する形で、前期の年間配当を10円から20円(前の期は10円)に増額修正したことも好感された。なお、21年3月期の業績見通しは開示しなかった。

■モブキャスト <3664>  194円 (+14円、+7.8%)

 モブキャストホールディングス <3664> [東証M]が大幅5日続伸。28日取引終了後に発表した第1四半期(1-3月)連結決算が、営業損益2億5300万円の赤字(前年同期は1億9900万円の赤字)、最終損益2億2800万円の赤字(同1億8200万円の赤字)と赤字幅拡大で着地したものの、アク抜け感から買われたようだ。ゲーム事業で、子会社のモブキャストゲームズがゲームゲート(東京都渋谷区)を吸収合併したことによるゲームタイトルの追加が寄与し、売上高は20億4700万円(同41.9%増)と大幅増収となった。ただ、新型コロナウイルスの感染症の影響でモータースポーツ事業が減収となり営業赤字幅拡大したほか、レストラン経営や食器販売などを行うゆとりの空間事業も主力の百貨店を中心に営業自粛や客足の鈍化などが響いた。なお、20年12月通期業績見通しは、新型コロナウイルスの感染症の影響を踏まえて「未定」に修正したとしている。

■環境管理センター <4657>  533円 (+34円、+6.8%) 一時ストップ高

 環境管理センター <4657> [JQ]が大幅に3日続伸。一時、ストップ高の579円に買われる場面があった。29日の午前中、建物の解体工事によるアスベストの飛散防止を強化するため、一定の規模以上の建物については事前にアスベストの使用の有無を調査し、都道府県に報告することなどを義務づけた「大気汚染防止法の一部を改正する法律案」が参議院本会議で可決、成立。これを受けて、アスベスト調査・分析の実績が多い同社に思惑的な買いが入ったようだ。

■イマジカG <6879>  422円 (+25円、+6.3%)

 IMAGICA GROUP <6879> が急伸。28日の取引終了後、集計中の20年3月期連結業績について、売上高が930億円から940億円(前の期比4.2%増)へ、営業利益が12億円から13億円(同40.4%増)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。映像システム事業で放送局向け案件の納品が想定よりも堅調だったことなどが要因。ただ、為替差損の発生や減損損失の計上などで、純利益は12億円から6億円(前の期20億1000万円の赤字)へ下振れたとしている。

■大東銀 <8563>  682円 (+40円、+6.2%) 一時ストップ高

 大東銀行 <8563> が5連騰。一時ストップ高の742円に買われた。SBIホールディングス <8473> が29日午後0時20分ごろ、同日付で大東銀行株215万9300株(議決権総数の17.14%)を取得すると発表しており、需給思惑的な買いが入った。なお、今回の株式取得は既存株主からの譲渡の申し出に応じたもので、純投資の目的で実施するとしている。

■凸版 <7911>  1,843円 (+102円、+5.9%)

 凸版印刷 <7911> は急伸し一時222円(12.8%)高の1963円に買われた。28日の取引終了後、集計中の20年3月期連結業績について、営業利益が570億円から660億円(前の期比44.3%増)へ、純利益が600億円から860億円(同2.1倍)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。情報コミュニケーション事業でペーパーメディアが想定以上に縮小したほか、エレクトロニクス事業でTFT液晶やフォトマスク、カラーフィルタなどが落ち込んだ影響で売上高は1兆5200億円から1兆4860億円(同1.5%増)へ下振れた。ただ、情報コミュニケーション事業でSP関連や電子書籍の拡大、教科書採択の順調に加えて、生活・産業事業で低差益受注品の見直しや原価削減の推進があり収益性が向上した。同時に、20年3月期の期末配当で20円の記念配当を実施し、40円の配当を行うと発表した。年間配当は60円(従来予想40円)となる。

■メタップス <6172>  780円 (+42円、+5.7%)

 メタップス <6172> [東証M]が急反発。29日、グループのメタップスメインメントが展開するチケット販売サービス「チケットペイ」が、同じくグループのpringが提供する送金アプリ「pring(プリン)」を活用したオンラインイベント支援を開始したと発表しており、これが好感された。オンラインミーティングシステム「Zoom」を活用したライブ配信やオンラインイベントに対して、「Zoom連携+投げ銭サービス」パッケージを提供するという。既に2.5次元舞台などの企画制作を行うOffice ENDLESS(東京都新宿区)と、自治体やプロレスのイベント・プロモーションを行うコラボ総研(東京都千代田区)が提供する、Zoomなどでのイベント企画に向けて機材・撮影などのサポートも含めた「ファン・キャス」プロジェクトに導入されているという。

■NaITO <7624>  187円 (+8円、+4.5%)

 NaITO <7624> [JQ]が3日続伸。出来高を急増させ、一時8%を超える上昇をみせた。株式市場では主力銘柄が利益確定売りで一服する一方、株価が低位に位置する材料株に個人投資家資金が向かった。そのなか、株価200円未満で出遅れムードの強かった同社株にもリターンリバーサル狙いの買いが流入した。切削工具などを扱う機械商社で新型コロナウイルスの影響により世界景気の減速懸念が強まるなか、収益環境の逆風が意識されていたが、年初来安値をつけた3月13日を境に下値を切り上げる展開に変わっている。テクニカル的にも直近は25日・75日移動平均線のゴールデンクロスを達成。また、5月中旬以降は日足一目均衡表の雲を抜けてきたが、これは19年12月以来であり中長期トレンド転換への思惑も株高を後押しした。

■Tホライゾン <6629>  797円 (+30円、+3.9%)

 テクノホライゾン・ホールディングス <6629> [JQ]が4日ぶりに反発。28日の取引終了後、子会社タイテックが光学機器の製造・販売を行うブルービジョン(横浜市港北区)の株式の81.11%を取得し子会社化すると発表しており、これが好材料視された。ブルービジョンは、プリズムを用いた高度な分光イメージカメラと専用レンズを得意とするマシンビジョンカメラを提供しており、中国やヨーロッパなどでその技術力が認められているという。今回の子会社化によりブルービジョンの製品や技術をグループに取り込むことで、シナジーが期待できるという。なお、21年3月期業績への影響は軽微としている。

■広栄化学 <4367>  3,160円 (+110円、+3.6%)

 広栄化学工業 <4367> [東証2]が3連騰。住友化学系の窒素化合物メーカーで医薬中間体と多価アルコールを主力とするが、新型コロナウイルス薬候補として注目されるアビガンの原料である「ピリジン」やレムデシビル原料の「ピロール」を供給していることから4月末を境に急速人気化、株価は5月11日に4780円の高値をつけ短期間で3倍近くに急騰し市場の注目を集めた経緯がある。その後は信用取引規制の動きなども出て株価は大きく調整したが、5月下旬以降は売り物が切れ2800円近辺を軸とするもみ合いに転じていた。引き続きコロナ薬の製造用原料メーカーとしての思惑は株価の先高期待を醸しており、直近、東証が29日売買分から信用取引の臨時措置(委託保証金率を50%以上とする)を解除することを発表、同日に日証金も増担保金徴収措置を解除することを発表したことを受け、これが投資資金再流入を誘う契機となった。

■レーザーテク <6920>  8,850円 (+300円、+3.5%)

 レーザーテック <6920> や神戸物産 <3038> が高い。29日の引けにかけMSCIのリバランスが行われる予定であり、新規採用された両銘柄には買い需要が見込まれた。13日に発表された定期入れ替えではコスモス薬品 <3349> 、伊藤園 <2593> 、三浦工業 <6005> 、日本M&Aセンター <2127> 、SCSK <9719> 、TIS <3626> 、GLP投資法人 <3281> [東証R]を含む9銘柄が採用された。新規採用銘柄の株価は堅調に推移。一方、除外銘柄はイオンフィナンシャルサービス <8570> 、アルプスアルパイン <6770> 、クレディセゾン <8253> 、IHI <7013> 、J.フロント リテイリング <3086> 、コニカミノルタ <4902> 、商船三井 <9104> 、SANKYO <6417> 、東洋製罐グループホールディングス <5901> の9銘柄で軟調な値動きとなった。

■シノケンG <8909>  916円 (+27円、+3.0%)

 シノケングループ <8909> [JQ]が大幅反発。29日正午ごろ、ライフケア事業の新事業として放課後等デイサービス「キッズライフ」を開始したと発表しており、これが好材料視された。放課後等デイサービスは、障害を持つ小学生から高校生を主な対象に、授業の終了後または休日に、生活能力の向上のために必要な訓練や社会との交流促進の場を提供するというもの。グループのライフケア事業を統括するシノケンウェルネス傘下のアップルケアが新事業としてスタートさせ、6月1日に福岡に「キッズライフ東福岡」を開設するという。

■アクセル <6730>  845円 (+20円、+2.4%)

 アクセル <6730> が5連騰。28日の取引終了後に発表した20年3月期連結決算が、売上高92億6500万円、営業利益3億9300万円、純利益4億6800万円となった。20年3月期決算から連結決算にシフトしたため前の期との比較はないものの、営業利益が前期単独決算の赤字から黒字に転換して着地し、かつ従来予想の営業利益3億6000万円を上回って着地したことが好感された。パチンコ・パチスロ機向け製品で、グラフィックスLSIの販売が増えたほか、メモリモジュール製品の新規採用や販売が好調だったことが業績を牽引した。また、パチンコ・パチスロ機向け次世代製品の開発収束で研究開発費が減少したことも貢献した。なお、21年3月期業績予想は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大と長期化により、現段階では業績への影響を予想することが困難であると判断して未定としている。

■関門海 <3372>  342円 (+7円、+2.1%) 一時ストップ高

 関門海 <3372> [東証2]が5日続伸。同社は28日、アース製薬 <4985> が6月1日に発売する「とらふぐコラーゲン美容ジュレ」向けに、とらふぐコラーゲン原料を供給することを明らかにしており、これが材料視されたようだ。同社は、とらふぐ専門店「玄品」を国内77店舗、海外2店舗を展開しており、日本・中国・韓国でふぐの加工方法の特許を取得している。こうしたことから、同社は品質の高いとらふぐコラーゲンを安定的に供給することが可能で、アース製薬がコラーゲン特有の味やにおいをマスキングし、美容・健康のため毎日継続できる風味に加工する商品開発力と組み合わせることで、とらふぐ原料の新たな価値創造を図るとしている。

※29日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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