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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

日総工産 <日足> 「株探」多機能チャートより

■日総工産 <6569>  758円 (+36円、+5.0%)

 日総工産 <6569> が3連騰。前日25日は57円高と値を飛ばし大勢2段上げ突入の様相をみせたが、26日も一時53円高の775円まで買われ上げ足に勢いがついてきた。製造業向け人材派遣を手掛けるが、 新型コロナウイルスの感染拡大の影響も懸念されるなか、4月6日に341円の安値をつけ、1月の高値から72%の急落となったが、その後は売り物が切れ次第に戻り足を鮮明としている。国内外で経済活動再開の動きが相次いでおり、製造業の人材ニーズが復活するとの読みが働いている。特に商用化が本格化している次世代通信規格5Gに絡むデバイス需要が同社の商機を高めるとの見方が強い。空売りの買い戻しも観測され株価の上げを助長している。

■東芝 <6502>  2,950円 (+134円、+4.8%)

 東芝 <6502> [東証2]が大幅続伸。旧村上ファンド関係者が運営する投資会社エフィッシモ キャピタル マネージメントが25日の取引終了後、財務省に変更報告書を提出し、東芝株式の保有割合が11.30%から15.36%に上昇したことが判明。これを受けて需給思惑的な買いが入った。保有目的は投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為などを行うことという。なお、報告義務発生日は5月19日。

■島津 <7701>  2,926円 (+126円、+4.5%)

 島津製作所 <7701> が3日続伸。26日午後の日本経済新聞電子版で「新型コロナウイルス感染の有無を調べるPCR試薬の検体対象に唾液を加える」と報じられており、これが好材料視されたようだ。記事によると、北海道大学病院の協力を得て、喉や鼻の奥から検体を採取する従来方法と同精度で陽性の有無を確認できるとの結果を得たという。また、唾液が検体でも、既に販売している同社の試薬を活用できるとしている。

■ファストリ <9983>  56,780円 (+2,150円、+3.9%)

 ファーストリテイリング <9983> が一時2700円を超える大幅な上昇で今年2月下旬以来となる5万7000円台に駆け上がった。前週を境に戻り足を加速させており、26日で7連騰となった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う店舗閉鎖などの影響で業績は大きく落ち込むことが予想されるものの、株価的には株券調達による空売りの買い戻しなどで、目先踏み上げ相場の様相をみせた。今夏には夏場でも蒸れにくい通気性の高い布製マスクの生産販売に乗り出すことが伝わっており、新たな商機を捉えるとの思惑も株価にポジティブに働いた。また、日経平均は先物主導の戻りが加速したが、日経平均寄与度の高い値がさ株として裁定買いによる株価押し上げ効果も反映された。

■安川電 <6506>  3,910円 (+145円、+3.9%)

 安川電機 <6506> 、ダイフク <6383> など中国向け売上比率の高い銘柄に買いが優勢となった。中国経済は新型コロナウイルスの影響による経済活動の停止で多大なダメージを受けたが、足もとでは感染拡大を抑え込むことに成功し、急速に回復過程をたどっている。前週に開幕した全人代で景気刺激策などに対する期待もあり、米中摩擦の問題は引き続き懸念されるものの、7-9月期にはプラス成長に転じる可能性が高いとみられている。両銘柄をはじめ中国関連株は空売りの買い戻しに伴い株価に浮揚力が働いており、目先上値指向が強い。

■パイプドHD <3919>  1,601円 (+59円、+3.8%)

 パイプドHD <3919> が3日続伸、1500円近辺のもみ合いを上放れ1600円台に乗せた。クラウドを活用した顧客情報管理プラットフォームを展開。20年2月期は営業利益段階で前の期比3.5倍の13億9000万円と急拡大を果たした。21年2月期はその反動で7億~12億円のレンジで減益を見込むが、株価には織り込みが進んでいた。26日に、同社の運用するCVCファンドを通じて店舗マネジメントツールを展開するナレッジ・マーチャントワークス(東京都港区)への出資を発表、これも株価の刺激材料となった。

■キーウェア <3799>  711円 (+25円、+3.6%)

 キーウェアソリューションズ <3799> [東証2]が大幅続伸。一時6.9%高の734円と値を飛ばした。金融や通信向けで実績の高いシステムインテグレーターだが、医療分野でも案件獲得が進んでいる。新型コロナウイルス感染症で問題視された院内感染によるアウトブレイクでは、院内感染対策システムや検査システムなど医療ICTで自社製品を投入できる同社の存在が注目された。業績も好調で20年3月期営業利益は前の期比36%増の4億3300万円と絶好調、21年3月期も前期比4%増の4億5000万円見通しと利益成長が続く見通しで、株価は出遅れ修正の動きが鮮明となっている。

■東武住販 <3297>  1,042円 (+29円、+2.9%)

 東武住販 <3297> [JQ]が続伸。25日の取引終了後、20年5月期の連結業績予想について、売上高を75億2000万円から68億5000万円(前期比3.9%減)へ、営業利益を6億6000万円から3億6000万円(同38.8%減)へ、純利益を4億5000万円から2億4000万円(同41.7%減)へ下方修正したが、株価には織り込み済みとの見方が強い。期初に自社不動産の販売用在庫の品ぞろえが少なく、顧客からの反響が低水準だったことに加えて、営業エリアで人手不足が改善されていないことが要因。また、4月7日に発令された緊急事態宣言により、一部地域で住宅購入者のローンの審査が長引いていることや登記の変更に時間がかかっていること、外出自粛で住宅の内見が減少していることなども影響するという。

■スマバ <9417>  1,076円 (+27円、+2.6%)

 スマートバリュー <9417> が3日続伸で新値追いとなった。同社は26日、自治体における申請・手続きのオンライン提出を実現するためのアプリケーション・サービスの提供を7月から開始すると発表しており、これが新たな買い手掛かりとなったようだ。このサービスは、申請・手続きを網羅したポータルサイト「Port(ポート)」、マイナンバーカードによる本人認証を実現する「Gate(ゲート)」、オンライン申請フォーム機能の「Form(フォーム)」の3つで構成。これらは、自社の住民ID基盤サービス「GaaS Government as a Service)」上で稼働し、各アプリケーションの組み合わせだけでなく、全国で240契約の実績を持つ自治体専用クラウド型CMSである「SMART CMS」との連携を実現している。

■クボタ <6326>  1,449円 (+33.5円、+2.4%)

 クボタ <6326> が続伸。26日付の日本経済新聞朝刊で「インド農機大手のエスコーツと組み、既存製品の半額ほどの農機を生産して新興国市場を開拓する」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、新たなブランド「Eクボタ」を立ち上げ、20年中にトラクターを東欧や南アフリカなどに投入するという。新興国では、食料需要の高まりから農業の機械化が進み、販売が伸びると見込まれており、小規模農家が導入しやすいよう低価格製品を投入することでシェア獲得を図る方針のようだ。

■タカラバイオ <4974>  2,698円 (+55円、+2.1%)

 タカラバイオ <4974> が続伸。26日付の日本経済新聞は、アンジェス <4563> [東証M]が「新型コロナウイルスワクチンの臨床試験(治験)を7月から始める」と報じており、アンジェスのワクチンの量産を主に担うタカラバイオが改めて注目された。また、岩井コスモ証券は25日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を2500円から3100円に引き上げた。同社の20年3月期の連結営業利益は前の期比14.8%増の62億7400万円と最高益を更新。研究用試薬と受託サービスなどが好調だった。新型コロナに絡む活躍が期待できるほか、遺伝子治療での研究活発化を背景とする中期成長性は不変と評価している。

■東京ドーム <9681>  895円 (+18円、+2.1%)

 東京ドーム <9681> が続伸。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言が25日に全面解除となったことに伴い、延期されていたプロ野球の開幕が6月19日に決定したことで、客足回復への期待が高まっている。また、ドーム周辺施設についても営業活動の正常化が期待されたようだ。

■大庄 <9979>  1,445円 (+21円、+1.5%)

 大庄 <9979> は3日続伸。同社は今朝9時ごろ、緊急事態宣言が全面解除されたことに伴い、首都圏及び北海道にある309店舗の直営店の営業を順次再開することを発表しており、これが好感された。今回は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県及び北海道の居酒屋系飲食店とレストラン296店を26日に、神奈川県、茨城県のカラオケ店13店を27日にそれぞれ営業再開する。同社は新型コロナウイルス感染拡大を受けて、4月8日からほぼ全店で臨時休業を実施していた。

※26日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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