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【注目】前週末1日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

アスコット <日足> 「株探」多機能チャートより

■アスコット <3264>  174円 (+50円、+40.3%) ストップ高

 アスコット <3264> [JQ]がストップ高。同社は東京23区を中心に小型物件を主力としたマンション開発を展開しており、足もとの業績は好調に推移している。4月30日取引終了後に発表した20年9月期の中間決算は営業損益段階で13億円の黒字(前年同期は1100万円の黒字)と急回復を果たし、通期計画の8億5800万円(前期比14%減)を大幅に上回った。既に19年9月期通期実績の10億円(前の期比48%増)も上回っている。これがポジティブサプライズとなり投資資金を強く呼び込む形となった。

■テラ <2191>  377円 (+80円、+26.9%) ストップ高

 テラ <2191> [JQ]がストップ高に買われた。1日で5連騰で、3営業日連続のストップ高となる。株価は4月30日時点で既に倍化しているがなお上値指向が強い。東京大学医科学研究所を発祥とするバイオベンチャーで樹状細胞ワクチンによる療法が強み。4月27日取引終了後、遺伝子や細胞などを用いた先端医療支援を手掛けるセネジェニックス・ジャパン(東京都中央区)との間で、COVID-19肺炎に対する間葉系幹細胞を用いた治療法の開発に関する共同研究契約を締結したことを発表、これが物色人気に火をつけた。ここバイオ関連株は新型コロナウイルスのワクチンや治療薬に絡む思惑材料で株価を急騰させる銘柄が相次いでおり、そのなか株価が低位に位置していた同社株は、値幅取りを狙った投資マネーのターゲットとなった。

■アイロムG <2372>  1,642円 (+300円、+22.4%) ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。アイロムグループ <2372> がストップ高。1日正午ごろ、100%子会社IDファーマと国立感染症研究所との 新型コロナウイルスに対する新規ワクチンの共同研究開発に関して、研究開発を進めるために必要な文部科学省への第2種使用等拡散防止措置確認申請を行ったと発表しており、開発の進展への期待から買いが入ったようだ。新規ワクチンを作製するにあたっては、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(略称「カルタヘナ法」)」の規定により、文科省への確認申請が必要という。なお、同研究開発では、国立感染症研究所の持つ新型コロナウイルスのゲノム情報をもとに、IDファーマがセンダイウイルスベクター技術を用いて新型コロナウイルスに対する新規ワクチンを作製し、国立感染症研究所において同ワクチンの前臨床試験、臨床試験などを実施するとしている。

■日本インシュ <5368>  925円 (+150円、+19.4%) ストップ高

 日本インシュレーション <5368> [東証2]がストップ高。4月30日の取引終了後、集計中の20年3月期連結業績について、売上高が126億9600万円から141億9500万円(前の期比20.6%増)、営業利益が16億4800万円から20億7400万円(同32.6%増)へ、純利益が11億800万円から14億6400万円(同49.4%増)へ上振れて着地したようだと発表しており、これを好感した買いが入った。特にプラント関連の工事案件の進捗が順調に進んだことに加えて、継続して取り組んできた原価管理の効率化が奏功したという。

■セキド <9878>  384円 (+55円、+16.7%)

 セキド <9878> [東証2]が急反騰。同社は4月30日大引け後に決算を発表。20年3月期の最終損益(非連結)は5億7800万円の赤字(前の期は1億8600万円の赤字)に赤字幅が拡大したが、21年3月期は800万円の黒字に浮上する見通しとなった。

■アクモス <6888>  424円 (+54円、+14.6%)

 アクモス <6888> [JQ]が4連騰で戻り足に弾みがついてきた。ITソリューションを軸にM&A戦略を駆使してベンチャー企業連合を形成、EC事業支援のほか金融向けシステムや医療系システム開発で実績を重ねている。4月30日取引終了後に発表した20年6月期第3四半期決算は営業利益が前年同期比46%増の5億1900万円と大幅な伸びを達成、通期計画の3億8500万円を超過した。稼働率を高め付加価値の高い案件に注力した効果が反映される形となった。これを手掛かり材料に株価水準を一気に押し上げた。

■日ガス <8174>  4,035円 (+495円、+14.0%)

 東証1部の上昇率3位。日本瓦斯 <8174> が続急騰。株価は一時30日比14.4%高の4050円まで上昇した。4月30日取引終了後、21年3月期の連結経常利益が前期比14.2%増の122億円に伸び、4期ぶりに過去最高益を更新する見通しになったと発表しており、これを好材料視する買いが向かった。新型コロナウイルス感染拡大の影響について、業務用や産業用では需要減少を見込むものの、主力の家庭用ガス販売量への影響は限定的であると想定。利益面ではLPガス原料価格の低下が大きな追い風となる見込みだ。併せて、今期の年間配当は前期比30円増の100円にする方針とした。また、足もとの経済混迷状況に見通しがつき次第、自社株買いなどの追加還元を検討するとしており、株主還元姿勢も評価材料となった。なお、同時に発表した20年3月期の経常利益は前の期比44.8%増の106億8200万円だった。

■日食品 <2892>  1,466円 (+179円、+13.9%) 一時ストップ高

 日本食品化工 <2892> [東証2]が続急騰。一時300円高はストップ高となる1587円をつける場面があった。同社は食品用素材などを手掛け、コーンスターチでは最大手に位置する。4月30日取引終了後に発表した21年3月期の営業利益は4億5000万円(前期実績は1100万円)と急回復する見通しを発表、これが株価を強く刺激する格好となった。また、今期の年間配当は前期実績比15円の増配となる40円を計画していることも物色人気を助長した。

■ピアラ <7044>  1,557円 (+182円、+13.2%)

 ピアラ <7044> [東証M]が4連騰。同社は1日、医療現場で使用される「KN95マスク」の取り扱いを開始したと発表しており、これが株価を刺激したようだ。同社は4月17日に、不足する衛生用品を必要な人に届けるためのプロジェクト「#SAVE YOUR LIFE」を開始したと発表しており、今回の取り組みはその一環。「KN95マスク」は米食品医薬品局(FDA)に認証されたマスクで、新型コロナウイルスの影響から大幅な品薄となっている。

■フューチャー <4722>  1,548円 (+123円、+8.6%)

 東証1部の上昇率6位。フューチャー <4722> が急反発。4月30日の取引終了後、アンジェス <4563> [東証M]や大阪大学などが進めている「プラスミドDNA製造技術を用いた新型コロナウイルス感染症向け予防用DNAワクチンの共同開発」に参画すると発表しており、これが好感された。今回のプロジェクト参画では、フューチャーは自社が有する深層学習を用いた抗体誘導ペプチド推定人工知能(AI)によって、抗原配列などの最適かつ効率的な設計に貢献し、各者協力体制のもと次世代ワクチンの開発スピードを向上させるという。

■タカラバイオ <4974>  2,521円 (+104円、+4.3%)

 タカラバイオ <4974> が4日ぶりに大幅反発。同社は4月30日、迅速・簡便な新型コロナウイルス検出PCRキットを5月1日に発売すると発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。このキットは、検体からウイルスRNAを精製する前処理工程を必要としないほか、自社のPCR技術の採用によりPCR反応時間が大幅に短くなり、トータルの検査時間が従来の方法に比べて半分以下の約1時間に短縮できる。このキットは研究用だが、行政検査に使用できるだけでなく、公的医療保険の適用対象ともなり、今後、医薬品医療機器等法に基づく体外診断用医薬品として承認取得を目指す計画だとしている。

■MTI <9438>  577円 (+23円、+4.2%)

 エムティーアイ <9438> が大幅続伸。4月30日の取引終了後、20年9月期連結業績予想について、営業利益を20億円から25億円(前期比15.5%減)へ、純利益を12億円から17億円(同12.7%増)へ上方修正したことが好感された。売上高は260億円(同4.1%減)の従来見通しを据え置いたものの、足もとで、スマートフォン有料会員の獲得伸び悩みに伴い広告宣伝費が計画に対して未消化となっていることが利益を押し上げる。また、持ち分法適用関連会社のクラウドキャストの株式追加取得に伴う段階取得にかかる差益の計上や投資有価証券売却益を上期業績に計上したことも寄与するとしている。

■ナブテスコ <6268>  3,175円 (+65円、+2.1%)

 ナブテスコ <6268> が続伸。制御装置の大手で精密減速機は世界でも断トツの商品競争力を有している。4月30日取引終了後に発表した20年1-3月期決算は営業利益が前年同期比33%増の81億8400万円と大幅な伸びを達成した。中国向けなどで新型コロナウイルスの影響を受けながらも大幅な利益成長を実現したことがポジティブサプライズを与えた。信用取組も直近信用倍率が1.0倍台と売り買い拮抗、株式需給関係が良い点も値運びの軽さに反映されている。

■東和薬品 <4553>  2,258円 (+44円、+2.0%)

 東和薬品 <4553> が反発。4月30日の取引終了後、集計中の20年3月期連結業績について、営業利益が145億円から160億円(前の期比0.2%増)へ、純利益が104億円から140億円(同3.9%増)へ上振れて着地したようだと発表。減益予想から一転して増益になったとしており、これが好感された。売上高は1110億円の予想に対して1100億円(同4.7%増)とやや下振れたものの、生産効率化に取り組み売上原価率が低減したことや、デリバティブ評価益及び為替差益が発生したことが利益を押し上げた。

■東京製鉄 <5423>  703円 (+12円、+1.7%)

 東京製鐵 <5423> が続伸。4月30日取引終了後に、20年3月期の連結決算を発表。営業利益が前の期比8.3%増の173億6000万円となり、従来予想の170億円を上振れて着地したことが好感されたようだ。製品の出荷数量が約8%減少したうえ、出荷単価も4000円強落ち込んだことにより売上高は同13.1%減の1799億2400万円で着地した。ただ、主原料の鉄スクラップが大幅に値下がりしたことから単価下落や生産数量減に伴うコストの上昇を吸収し、利益を押し上げたという。なお、21年3月期業績予想について、新型コロナウイルスの感染拡大が、今後の鉄鋼需要などに及ぼす影響を予想することが困難であることから非公開とした。ただ、第1四半期業績予想は、売上高が前年同期比37.2%減の320億円、営業利益が同39.3%減の25億円を見込む。

■良品計画 <7453>  1,312円 (+20円、+1.6%)

 良品計画 <7453> が4日続伸。1日午後、Amazonで約250商品の販売をスタートしたと発表しており、これが好感された。同社製品は従来、無印良品店舗と無印良品ネットストアでの展開を中心としてきたが、大部分の店舗が営業を自粛するなか、顧客の利便性の向上を図るためにAmazonでの販売を開始したという。

■エフピコ <7947>  8,210円 (+100円、+1.2%)

 エフピコ <7947> が反発し実質上場来高値を更新。4月30日の取引終了後に21年3月期連結業績予想を発表しており、売上高1900億円(前期比2.0%増)、営業利益167億円(同7.7%増)、純利益112億9000万円(同4.8%増)と増収増益で2期連続営業最高益更新を見込んでいることが好感された。外出自粛に伴う内食や飲食店の宅配増加に対応する容器の需要拡大を踏まえ、宅配、給食、冷凍など新マーケットへの高機能製品の提案を積極的に行うほか、エコ製品、電子レンジ対応製品の販売拡大などで業績拡大を狙う。なお、20年3月期決算は、売上高1863億4900万円(前の期比2.9%増)、営業利益155億700万円(同11.2%増)、純利益107億7700万円(同8.9%増)だった。

※1日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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