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【特集】米国市場は正念場の決算シーズン突入、戻り相場の行方を探る <株探トップ特集>

先月下旬以降、NYダウは急激な反発となったが、高値警戒感も強まる。今週から決算が本格化し、市場には先行きに強弱感が対立している。果たして米国株の反発は続くのか。

―NYダウは半値戻し水準に到達、感染者数のピークアウトが焦点―

 コロナショックで米株式市場が連日の大幅安を演じた3月相場を経て、足もとで NYダウは戻り局面を迎えている。米政府と米連邦準備制度理事会(FRB)による過去に例をみない積極的な政策が株価の押し上げ要因となり、NYダウは下げ幅の半値戻し水準に達した。そんななか、米国企業の四半期決算発表が今週から本格化する。市場からは、ここからが米国市場の正念場となるとの見方もある。果たして、米国市場は決算発表を経て戻り相場の基調を維持できるのだろうか。

●新型コロナ感染拡大の頭打ち期待も追い風に

 2月中旬から急落したNYダウは、3月下旬を底に反発歩調となった。先週末10日には一時2万4000ドルに乗せる場面があり、2月12日高値2万9568ドルから3月23日安値1万8213ドルまでの下げ幅の2分の1戻りを達成した。新型コロナウイルス感染拡大による、景気の急激な落ち込みが嫌気され、NYダウは急落したが、「足もとで感染拡大の勢いは弱まってきている。株価は、いったん最悪期を織り込んだのではないか」(アナリスト)との見方も出てきた。ここまでの株価の上昇は、米政府とFRBによる過去に例のない積極的な政策も下支えしたとみられている。

●FRBはゼロ金利政策と量的緩和を復活、米政府も過去最大の経済対策に

 米トランプ政権は3月下旬に2兆ドル規模の過去最大規模の経済対策を決定。家計への現金給付や中小企業への資金支援を打ち出した。これは、米国のGDP(国内総生産)の10%規模のものだったが、更に2兆ドル規模の追加の経済対策が検討されている。また、FRBは2度の緊急米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、政策金利を引き下げゼロ金利政策と米国債などを大量に購入する量的緩和を復活させた。更に今月に入り2兆3000億ドルの新たな資金供給策を発表し企業の社債購入や間接融資にも踏み切っている。

 米国のGDPは4~6月期に前期比年率で3割近く減少するとの予想も出るなか、米政府はなりふり構わない経済支援策に乗り出している。この政策面での安心感が相場の下支え役を果たしている。

●今週から決算シーズン突入、ASMLなど半導体関連にも注目

 このNYダウの戻りに関して、マネックス証券の益嶋裕マーケットアナリストは「欧米各国がロックダウン(都市封鎖)に踏み切ったことで、コロナの感染拡大のペースが落ち、もしかするとピークを打ったのではないかとの期待も出ている。感染を止めるための手掛かりが見え始めてきたことは大きいだろう」と指摘する。

 今後の米国株式市場をみるうえでのポイントは、今週から本格化する企業決算だ。14日のJPモルガン・チェース、15日のシティグループといった大手金融会社を皮切りに、同じく15日のオランダ・ASML、16日の台湾・TSMC、21日のテキサス・インスツルメンツ、23日のインテルといった半導体関連企業、そして21日のネットフリックス、29日のフェイスブック、30日のアップルといった大手IT企業と続く。

●足もとの楽観視に対して警告する見方も

 この決算発表は「米株式市場の先行きを探るうえでの正念場」(市場関係者)とも捉えられている。ただ、今回の決算は厳しい内容になることは間違いないが、今期がどの程度の減益になるかはコンセンサスが立てられない状態にある。このため「1~3月期の決算の結果とともに、最高経営責任者(CEO)が今後の見通しに対してどんなコメントを出すかに左右されるだろう」と前出の益嶋氏は指摘し、「全体相場は結局、新型コロナの感染状況に一喜一憂せざるを得ない」とみている。

 その新型コロナの状況に関して、第一生命経済研究所の桂畑誠治主任エコノミストは「足もとの株式市場は、やや状況を楽観視しているようにも思える。新興国なども視野に入れれば、コロナの感染拡大はそう簡単には止まらないかもしれないことも考慮しておく必要がある」と警告。NYダウの上値は2万4000ドル前後で、下値は先の3月安値を下回ることもあり得る、と同氏はみている。ここからのNYダウはどう動くのか。いずれにせよ、これから5月にかけては、NYダウが本格的な戻り基調を維持できるかどうかの重要ポイントに差し掛かることになる。


■主要企業の決算スケジュール

4月 14日 JPモルガン
  15日 ASML、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ
  16日 TSMC
  17日 モルガン・スタンレー
  21日 プロクター&ギャンブル、ネットフリックス、コカ・コーラ、テキサス・インスツルメンツ
  23日 インテル
  24日 アマゾン・ドット・コム
  28日 キャタピラー、スターバックス
  29日 フェイスブック、マイクロソフト
  30日 マクドナルド、アップル
5月 1日 エクソン・モービル

(注)予定は変更されることがあります

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