【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):オンライン医療関連、ブイキューブ、サンバイオ
ブイキューブ <日足> 「株探」多機能チャートより
新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大が急速に広がるなか、テレワーク関連株への注目がいっそう高まっている。感染防止を目的とした外出規制や「ロックダウン」(都市封鎖)が囁かれるなか、企業も事業継続と感染リスクから従業員を守るために在宅勤務を推進しており、ここにきてテレワーク実行のための体制づくりが急務になっている。テレワーク関連株を牽引してきたブイキューブ<3681>は騰勢加速し年初来高値を更新しており、更に市場の注目度が増している。また、安全性と利便性を両立しながら解決するテレワークソリューション「SecureAccess(セキュアアクセス)」を展開するソリトンシステムズ<3040>、子会社のジェイズ・コミュニケーションが、独自のコンテナ技術を用いた安全簡単なテレワークソリューションを扱っているセグエグループ<3968>なども全般波乱相場のなか上値指向となっている。
■メドレー <4480> 2,382円 +400 円 (+20.2%) ストップ高 本日終値
遠隔医療(オンライン医療)関連株が軒並み高に買われた。31日に開催された経済財政諮問会議で、新型コロナウイルス感染症対策としてオンライン診療の規制を緩和し、原則対面診療とする初診もオンラインを認めることを検討する方針であることが伝わった。これを受けて、オンライン診療アプリ「クリニクス」を展開するメドレー<4480>、同じくオンライン診療「ポケットドクター」を手掛けるMRT<6034>のほか、健康・医療情報プラットフォームを主力とするWelby<4438>、医師専用コミュニティーサイトを運営するメドピア<6095>、医療情報サイト運営のケアネット<2150>、電子カルテのイメージ ワン<2667>などが急騰している。
■レーサム <8890> 760円 +100 円 (+15.2%) ストップ高 本日終値
レーサム<8890>がストップ高配。3月31日大引け後、発行済み株式数(自社株を除く)の7.9%にあたる300万株(金額で14億円)を上限に自社株買いを実施すると発表しており、これを好材料視する買いが入っている。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は4月1日から4月30日まで。同時に、20年3月期の売上高予想を従来の690億円から550億円に下方修正した。ただ、各利益は据え置いたため、売り材料とはならなかった。資産運用事業で想定よりも高い利益率での物件売却が実現したことによるものとしている。
■ラウンドワン <4680> 621円 +59 円 (+10.5%) 本日終値 東証1部 上昇率4位
ラウンドワン<4680>が大幅高。31日の取引終了後に発行済株式数の10.5%に当たる1000万株、50億円を上限とする自己株取得枠を発表した。取得期間は4月2日~5月19日まで。この日は、大規模な自社株買いの実施を好感する買いが集まった。
■DyDo <2590> 3,910円 +255 円 (+7.0%) 本日終値 東証1部 上昇率9位
ダイドーグループホールディングス<2590>は急反発。3月31日の取引終了後に発行済み株数の5.00%に当たる82万8000株、30億円を上限とする自社株買いを実施すると発表したことが好感された。取得期間は4月1日から6月30日まで。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策及び株主価値向上を目的としている。
■サンバイオ <4592> 1,192円 +32 円 (+2.8%) 本日終値
サンバイオ<4592>が反発。3月31日取引終了後、中国のOcumensionと網膜疾患における再生細胞薬の研究開発及び事業化で業務提携すると発表しており、これを好材料視する買いが向かった。業務提携を通じて両社は、網膜色素変性症及び加齢黄斑変性症(ドライ型)を適応疾患としたSB623細胞薬の開発と、視神経炎を適応疾患としたMSC2細胞薬の開発を共同で行う。業務提携の進捗に伴い、サンバイオは最高7100万ドルのマイルストーンを受領する可能性があるほか、中華圏の年間純売上高に対し、段階的に1ケタ台から2ケタ台前半のロイヤルティーを受け取るという。
■アンジェス <4563> 703円 +12 円 (+1.7%) 本日終値
アンジェス<4563>が4日ぶりに反発。3月5日に公表した、同社と大阪大学などが共同開発を進める新型コロナウイルス向けDNAワクチンに関して、発明の名称「コロナウイルス感染またはコロナウイルス感染に伴う症状の予防または治療ワクチン」を特許庁に特許出願したと発表したことが好感された。
■ニプロ <8086> 1,162円 -109 円 (-8.6%) 本日終値
ニプロ<8086>が続急落。3月31日大引け後、20年3月期の期末配当を無配(従来計画は11.5円)とする方針を明らかにしたことが嫌気された。保有する株式の急落に伴い、減損処理による投資有価証券評価損298億7700万円を計上することが減配の背景。なお、通期業績に与える影響は現在精査中とし、判明次第速やかに公表するとしている。
■富士急行 <9010> 2,605円 -182 円 (-6.5%) 本日終値
31日に発表した「投資有価証券評価損4.7億円が発生」が売り材料。
20年3月期第4四半期に投資有価証券評価損4.7億円を特別損失に計上する。
■鴻池運輸 <9025> 1,102円 -56 円 (-4.8%) 本日終値
鴻池運輸<9025>が3日続落。岩井コスモ証券は31日、同社株の投資判断を「A」から「B+」に引き下げた。目標株価は1300円(従来2000円)とした。同社は顧客企業の工場内・構内での業務を請け負う複合ソリューション事業が主力。2月以降の新型コロナウイルスの影響を懸念しており、なかでも空港関連では日本航空<9201>のグランドハンドリングやラウンジ業務などを請け負っていることから、航空便の減少は同社の収益押し下げ要因となる。国内物流事業では、アパレルなどの物流サービスを請け負っており、中国での生産停止などの物流量の減少や経済全体の低迷による影響も懸念している。同証券では20年3月期の連結営業利益は103億円と会社予想(110億円)に対する未達を見込んでいる。
株探ニュース