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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、ドル買い需要は継続も利益確定売りが重石


19日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。原油価格の急落など市場の混乱が広がるなか、引き続きドル買い需要は増大する見通し。ただ、心理的節目の110円が視野に入れば、利益確定売りがドルを下押しする可能性もあろう。

米トランプ政権による経済対策や連邦準備制度理事会(FRB)の企業の資金繰り支援などが打ち出されても、株安に歯止めのかからない状況が続く。18日のNY株式市場でダウは1300ドル超安。節目の20000ドル割れが嫌気され、基軸通貨のドルを買う動きが強まった。加えて原油価格の下げを手がかりに、本日アジア取引時間帯にカナダドルや豪ドルなど資源国通貨は急落し、その影響でドルが押し上げられた。欧州中銀(ECB)や豪準備銀行など主要中銀は追加措置に踏み切ったものの、効果は限定的でドル・円は109円半ばに浮上する場面もあった。

この後の海外市場でも、株価や長期金利、原油価格などをにらみの展開となろう。欧米株式市場で大幅安が続けば、安全通貨で流動性の高いドルへの資金流入が再開する見通し。また、今晩発表のフィラデルフィア連銀製造業景況指数の大幅な悪化は避けられないだろう。16日のNY連銀製造業景況指数の下げ幅は過去最大となり、今晩の指数の下振れは織り込み済みだが、指標の下振れは株売り・ドル買いを誘発しよう。半面、資源通貨の下げ渋りで、ドル買いを弱める可能性もある。また、ドル・円は109円台で利益確定売りが出やすく、上昇は限定的とみる。

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 スイス中銀が政策金利発表
・21:30 米・3月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(予想:9.0、2月:36.7)
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:22.0万件、前回:21.1万件)
・21:30 米・10-12月期経常収支(予想:-1085億ドル、7-9月期:-1241億ドル)
・22:00台 南ア中銀が政策金利発表(0.50ポイント引き下げ予想)
・23:00 米・2月景気先行指数(前月比予想:+0.1%、1月:+0.8%)

《FA》

 提供:フィスコ

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