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【特集】ギグワークス Research Memo(5):「IT関連の仕事を中心としたマッチングプラットフォーム」に特徴

ギグワークス <日足> 「株探」多機能チャートより

■ビジネスモデル

1. ヒト・スキルのシェアリングを行うBPO事業
ギグワークス<2375>のビジネスモデルは、“IT関連の仕事を中心としたマッチングプラットフォーム”に特徴がある。

依頼を受ける仕事は多岐にわたり、毎月1,000社以上から仕事を受ける。同社は“パソコン家庭教師”から出発した経緯もありIT関連(設置、トラブル対応、システム開発など)を得意とするが、現在ではIT関連以外(販売、コールセンター、調査など)も増えた。IT関連での事例としては、ロボットキッティング、アンテナ基地局設置、バス停工事(IoT対応)などがある。大手通信会社や大手SI会社、外資系PC会社など大企業からの依頼が多く、継続的なパイプを持つのが同社の強みである。IT関連以外の事例では、店頭での家電販売、多言語コールセンター、ミステリーショッパーなどがある。特に全国規模での短期集中の依頼は同社でなければ受け手がいない場合が多い。依頼主は法人が主だったが、個人向けのプラットフォームを本格稼働させる計画で、“家のPCを修理してほしい”、“雪かきをしてほしい”などの個人からの依頼にも対応していく予定である。

法人からの仕事の依頼を受けるシステムが「Jobpro」であり、個人からの仕事の依頼を受けるシステムが「Rescue Me!」である。創業以来、累計で660万件を超えるマッチングを行い、多様な働き方を支援してきた。仕事を行うのは、同社の従業員とともに10万人を超える登録スタッフである。登録者には、スキルの高いフリーランスが多く、常時雇用ではないため、同社の固定費負担は極力抑えられる。登録者にとっては、同社が営業して企業から様々な仕事を取ってきてくれ、自分に合ったライフスタイルで働くことができ、スキルのアップデートも図れるというメリットがある。

同社のプラットフォーマーとしての役割として重要となるのが、「登録ワーカーのスキル・実績・評価の管理」と「マッチング」である。「登録ワーカーのスキル・実績・評価の管理」に関しては、教育の支援をすることによりスキルアップを促進する、覆面調査により実態に即した評価を行うなど、様々な工夫をしている。「マッチング」に関しては、システムによる自動的なマッチングも行うが、同社スタッフによるきめ細かな調整作業も強みである。同社の社員がプロジェクト管理をしっかり行う業務委託もあれば、個人と依頼主の雇用契約もあるなど、多様な形態を提案できる。

2. BPO事業のKPI
同社は、2019年10月期からKPI(重要業績評価指標)として「ユニークワーカー数※」と「お仕事斡旋数」を四半期ごとに公表している。「ユニークワーカー数」は、その四半期に稼働した人数であり、何種類の仕事を何回しても1人とカウントする。2019年10月期は毎月3,000~4,000人が稼働しているが、年度累計では6,171人が稼働した。「お仕事斡旋数」は創業以来の累積件数である。四半期ごとの追加件数では、第2四半期の追加67千件、第3四半期の追加59千件、第4四半期の追加74千件、平均67千件となっており、着実にマッチングが行われていることがわかる。

※その年度の積み上げ(累積)の数値であり、第1四半期の数値は正味の稼働人数だが、第2四半期以降の数値はその年度に稼働した人数の累計である。


2019年10月期通期のBPO事業の売上高は同8.0%増の15,648百万円、セグメント利益は同18.8%増の1,576百万円と好調に推移した。過去3年間のトレンドで見ても、右肩上がりである。同社の第2四半期(2月-4月)は、顧客企業の年度末のケースが多く、受注が多くなる傾向にある。

3. 成長続けるコワーキングスペース事業
同社は、スペースのシェアリングも行っている点に特長がある。2015年から参入したコワーキングスペース事業ではオフィススペースの共有を行っており、利用するワーカー(個人事業主)にノウハウ共有やスキルアップ支援するという価値も提供している。

同社のコワーキングスペース事業は連結子会社のアセットデザインが展開しているシェアオフィスサービスが主体であり、「THE HUB」のブランドを中心に東京・神奈川・愛知・大阪で58拠点を構える。半数以上の店舗は直営店、残りは運営受託店である。2019年10月期のKPIの推移は順調である。登録会員数は4,322人(2019年10月期末)と第3四半期末に4,000人を突破してさらに増え続けている。最大の強みは、年間約6,000人のユニークワーカーが潜在的な会員であり、相乗効果がある点である。専用個室オフィスの稼働率も第1四半期末に82.0%から上昇し、第2四半期以降は90%を超えて高い稼働率を維持した。首都圏における不動産市況の高騰などの影響もあり、新規出店は1店舗のみにとどまり、当初の出店計画を下回った。2019年10月期累計のコワーキングスペース事業の売上高は、売上高は同27.0%増の2,014百万円、セグメント利益は43百万円(前年同期は57百万円の損失)となり、黒字転換を果たした。今後も成長を志向し、2022年10月期150店舗、10,000人を目指す。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《ST》

 提供:フィスコ

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