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【特集】フェローテク Research Memo(5):高水準の設備投資により有形固定資産が増加


■フェローテックホールディングス<6890>の業績動向

(2) 財務状況
2020年3月期第2四半期末の財務状況は、流動資産が76,282百万円(前期末比989百万円減)となった。主に現金及び預金の減少3,469百万円、受取手形及び売掛金の減少1,761百万円、棚卸資産の増加1,713百万円による。固定資産は前期末比で21,868百万円増加し107,695百万円となったが、主に設備投資による有形固定資産の増加24,652百万円、無形固定資産の減少2,766百万円、による。その結果、資産合計は183,978百万円(同20,880百万円増)となった。

負債合計は、135,024百万円(同21,774百万円増)となったが、主に支払手形及び買掛金の減少2,901百万円、1年内返済予定の長期借入金を含む短期借入金の増加3,976百万円、社債の増加9,021百万円、長期借入金の増加983百万円等による。また純資産合計は、48,953百万円(同895百万円減)となったが、主に親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加1,109百万円、為替換算調整勘定の減少2,071百万円等による。

2. セグメント別概況
セグメント別状況を見ると、主力の半導体等装置関連は、売上高27,182百万円(前年同期比1.4%減)、営業利益2,681百万円(同47.0%減)、電子デバイスの売上高は6,991百万円(同18.9%増)、営業利益1,320百万円(同7.1%増)、その他は、売上高7,676百万円(同34.8%減)、営業利益191百万円(前年同期は1,195百万円の損失)となった。

主要なサブセグメントの状況は以下のようであった。

(1) 真空シール関連事業
売上高は4,031百万円(前年同期比39.9減)となった。半導体製造装置向け(主に真空プロセス向け)がメモリー系中心に大幅減となり、FPD市場の有機EL向けで復調の兆しがあったが受注に結び付かず、委託加工も弱含みで大幅減収となった。

(2) 石英製品
売上高は8,189百万円(同12.2%増)と堅調であった。半導体設備投資関連は、メモリー関連を含めて弱含みだったが、半導体エンドユーザー(デバイスメーカー)からの石英消耗パーツの需要が比較的堅調に推移し、増収を確保した。

(3) セラミックス製品
売上高は4,603百万円(同13.2%減)となった。マシナブルセラミックスでは、国内外で半導体検査治具の販売は堅調であったが、海外向の半導体検査冶具材料が低調だった。ファインセラミックスでは、国内・海外とも半導体装置向け部品が低調となった。

(4) ウエーハ加工と装置部品洗浄
半導体ウエーハ加工の売上高は、生産能力の拡大もあり4,502百万円(同90.8%増)とほぼ倍増となった。ただ、主力の6インチウエーハは前下半期比では軟調であった。新規に立ち上げた8インチウエーハは、産業機器向けなどの需要調整もあり売上高は伸び悩んだ。装置部品洗浄※の売上高は、2,375百万円(同47.1%増)と好調に推移した。

※装置部品洗浄は、2018年3月期までは「その他」に含まれていたが、2019年3月期から「半導体等装置関連」に組み入れられた。


(5) サーモモジュール製品
自動車向け温調シートは低調であったが、中国の通信機器向けやバイオ向けが堅調に推移し、パワー基板も前年同期比113増と好調であったことから、セグメント売上高は6,651百万円(同22.0%増)となった。

3. 主な設備投資
2020年3月期第2四半期の設備投資額は19,123百万円(前年同期12,030百万円)であった。主な投資は、通常の更新・増産投資(5,000~6,000百万円規模)に加えて大口径ウエーハ(8インチ及び12インチ)用生産設備(約9,000百万円)などとなっている。これらの各種設備投資は、後述するように現在の市場環境から2021年3月期以降に後ずれする見込みだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《ST》

 提供:フィスコ

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