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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

SYSHD <日足> 「株探」多機能チャートより

■ソレイジア <4597> [東証M] 200円 (+50円、+33.3%) ストップ高

 ソレイジア・ファーマ <4597> [東証M]がストップ高。10日の取引終了後、同社の開発品SP-04に関して、皮膚科学領域に特化したスペシャリティーファーマであるマルホ(大阪市北区)と、独占的日本国内販売権の導出契約を締結したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。SP-04は、スウェーデンのプレッド・ファーマ社が創製した薬剤候補品で、がん化学療法に伴う末梢神経障害を効能・効果として現在、日本を含むアジア諸国で国際共同第3相臨床試験を推進している。今回の導出契約締結により、ソレイジアがSP-04の開発を完了した後に、マルホが国内で独占的に販売を行うことになり、契約に伴いソレイジアは、マルホから契約一時金10億円のほか、今後の開発及び販売の進捗に応じたマイルストンを総額で最大約180億円を受け取ることになる。またソレイジアは、マルホと資本提携を行うと発表した。マルホを割当先とする第三者割当により1132万4000株の新株を発行し、これによりマルホは持ち株比率9.7%を有する第2位株主となる。

■SYSHD <3988>  1,586円 (+300円、+23.3%) ストップ高

 システム開発会社のSYSホールディングス <3988> [JQ]がストップ高。10日大引け後に発表した20年7月期第1四半期(8-10月)の連結経常利益が前年同期比4.9倍の8800万円に急拡大して着地したことが買い材料視された。前期に実施したM&Aや事業譲受による業績上積みに加え、電力関連向け受託開発などの受注が伸びたことが寄与。販管費の抑制も利益拡大の要因となった。上期計画の1億1400万円に対する進捗率は77.2%に達しており、業績上振れが期待する買いが向かった。

■システム ディ <3804>  1,058円 (+150円、+16.5%) ストップ高

 システム ディ <3804> [JQ]がストップ高。株価は12月に入ってから急速に上値指向を強め、11日までの8営業日で39%も水準を切り上げている。学校やスポーツクラブ向けなど特定業種に特化した法人向け業務ソフトを開発販売しており、パッケージソフトが伸びる一方、クラウドサービス分野も開拓し、業績成長が加速している。今週9日引け後に19年10月期業績の上方修正を発表、営業利益は従来予想から2割強上乗せされ、5億3500万円(前の期比37%増)と大幅な伸びとなった。更に前期配当を7円予想から10円に引き上げており、好業績を背景に投資資金の買いを加速させた。

■ロードスター <3482>  1,124円 (+138円、+14.0%) 一時ストップ高

 ロードスターキャピタル <3482> [東証M]が一時ストップ高。10日大引け後、19年12月期の連結経常利益を従来予想の27.7億円→31.7億円に14.3%上方修正。増益率が31.2%増→50.0%増に拡大し、従来の7期連続での過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料視された。コーポレートファンディング事業で販売用不動産の売却益が想定を上回るほか、アセットマネジメント事業と仲介などの複数案件が成約したことも上振れに貢献する。業績好調に伴い、期末一括配当を従来計画の11.5円→14円(前期は9.5円)に増額修正したことも評価材料となった。

■グッドコムA <3475>  2,146円 (+257円、+13.6%)

 東証1部の上昇率トップ。グッドコムアセット <3475> が3日続急伸し、年初来高値を更新した。10日大引け後に発表した19年10月期の連結経常利益は前の期比5.3%増の16.5億円に伸びて着地。続く20年10月期も前期比32.6%増の21.8億円に拡大し、3期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。今期は投資用マンションの販売戸数が1003戸(前期は850戸)に大幅増加し、30.1%の増収を見込む。業績好調に伴い、今期の年間配当は前期比14円増の61円に増配する方針としたことも評価材料となった。

■ギグワークス <2375>  2,035円 (+168円、+9.0%)

 ギグワークス <2375> [東証2]が大幅高で4連騰、12月3日につけた年初来高値1954円を上抜き上場来高値を更新した。法人向けIT支援事業としてエンジニア派遣やコールセンターコンサルを主力展開するが、業務内容は多岐にわたり、フードデリバリー営業代行やAIIoTロボットなど新商材のフルフィルメントなども手掛け、収益に反映させている。次世代通信規格5Gでは、国内でも来年春のサービススタートを控えインフラ整備が加速するとみられるが、そのなか同社は基地局工事の受託業務を手掛けており、5G関連の一角としても人気素地を内包する。

■内田洋行 <8057>  7,540円 (+390円、+5.5%)

 内田洋行 <8057> が大幅高で4連騰、年初来高値を更新した。時価はバブル期の1990年以来、実に29年ぶりの高値圏に歩を進めている。教育ICT化に向けた取り組みが日本国内でも高まってきた。安倍政権では2023年度までに小中学校の生徒1人1台のパソコン端末を使用を可能とする環境整備を今回の経済対策で打ち出している。同社はコンピューター商社大手で、子会社でICTサービスを主力とウチダエスコ <4699> [JQ]が校務支援システムを提供しており、“親子”で同関連有力株として株価を動意させている。足もとも個人投資家を中心とした投資マネーの流入が継続している。

■エノモト <6928>  1,178円 (+56円、+5.0%)

 エノモト <6928> が急反発。リードフレームなど半導体用デバイスを手掛けるが、技術力が高く小型部品の精密プレス金型などで優位性を持っている。5G関連の設備投資需要を取り込み半導体市況改善への期待が高まっており、同社の収益回復に対する思惑が買いを誘発している。PER8倍台と依然割安圏にあるほか、年35円配当を実施(配当利回り約3%)しながら、1株純資産が2241円(前期実績ベース)と時価の2倍近いことから水準訂正余地の大きさが意識されている。

■オオバ <9765>  977円 (+45円、+4.8%)

 オオバ <9765> が全体相場軟調のなかも我が道を行く展開で5日続伸。一時57円高の989円まで買われ、1997年以来となる1000円大台復帰が見えてきた。調査測量業務や区画整理業務を主力とする建設コンサルタント会社で、6兆円規模の公共投資を背景に収益機会の高まりが意識されている。特に同社はGISのシステム開発やGISを活用したアプリケーション開発を行っており、建設ICT関連として物色人気を集めている。信用取組は売り長で6日申し込み現在で信用倍率は0.8倍台と需給妙味も株高を後押ししている。

■イメージ ワン <2667>  662円 (+30円、+4.8%)

 イメージ ワン <2667> [JQ]が大幅高で上昇指向を鮮明にしている。テクニカル的にも11月21日の659円、12月2日の658円とダブルトップで形成した戻り高値を払拭し、滞留出来高の薄い700円台に歩を進める段階にある。来年春にサービスが開始される次世代通信規格5Gは、高速大容量・超低遅延が特徴であり画像システムを展開する企業にとってビジネスチャンスが高まる。同社は医療画像システムを主力としており、政府が普及を後押しする遠隔医療分野において5Gサービス立ち上がりが商機につながるとの見方が株価を刺激した。

■AMI <3773>  1,247円 (+43円、+3.6%)

 アドバンスト・メディア <3773> [東証M]が大幅続伸。11日午前中に、iOS版音声入力キーボードアプリ「AmiVoice SBx」と、レッドフォックス(東京都千代田区)の働き方改革アプリ「cyzen(サイゼン)」がサービス連携したと発表しており、これが好材料視された。「cyzen」は、業界を問わず1300社以上の企業で採用されているアプリで、位置情報を活用することでスマートフォンから出勤管理や報告書作成などを可能にするのが特徴。今回のサービス連携により、「cyzen」の報告書作成機能で「AmiVoice SBx」を活用できるようになり、業務効率化に貢献するとしている。

■日水 <1332>  661円 (+22円、+3.4%)

 日本水産 <1332> が大幅続伸。全般相場は来週15日の対中関税引き上げ期限を前に、主力輸出株は手掛けにくい状況にあり、内需ディフェンシブ系の銘柄が相対的に強さをみせている。市場では「同社株はPERが割安なほか、直近、大手証券が目標株価を引き上げるなどポジティブ材料もある。米中交渉がヤマ場を迎えるなか機関投資家の資金シフト対象として浮上している」(国内ネット証券ストラテジスト)という。

※11日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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