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【特集】エルテス Research Memo(6):2020年2月期の利益予想を増額修正。先行費用をこなしながら増収増益を見込む

エルテス <日足> 「株探」多機能チャートより

■業績見通し

2020年2月期の連結業績予想についてエルテス<3967>は、上期実績等を踏まえ、利益予想を増額修正した(売上高予想は据え置き)。修正後の業績予想として、売上高を前期比8.7%増の1,800百万円、営業利益を同284.9%増の150百万円(前回予想比100百万円増)、経常利益を同325.9%増の140百万円(同100百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益を90百万円(同70百万円増/前期は63百万円の損失)と増収増益を見込んでいる。

売上高は、2020年2月期上期に引き続き、「デジタルリスク事業」へのニーズの高まりに伴って「リスクモニタリングサービス」が伸長するとともに、「その他事業」についても、「デジタル信用調査」の伸びに加え、新たに開始した「信託プラットフォーム」構築(実証実験)の一部収益化などが増収に寄与する見通しである。なお、売上高予想を据え置いたのは、2020年2月期上期業績の上振れ要因となった期間の短い高単価案件を織り込んでいないことが理由であり、保守的な前提と言える。

損益面でも、増収効果やAI化による業務効率化等により大幅な増益を見込んでいる。ただ、2020年2月期下期については、人件費や広告宣伝費、新サービス開発関連費用など、2021年2月期以降の成長に向けた先行費用を予定しており、利益の積み上げは限定的となる見通しである。

通期業績予想の達成のためには、下期の売上高858百万円、営業利益10百万円あれば足りる。弊社では、「ソーシャルリスクサービス」に対する注目度の高まりや企業認知度の向上により顧客基盤が積み上がっていることから、売上高予想の達成は十分に可能であるとみている。また、2020年2月期上期同様、短期間高単価契約の受注が上振れ要因となる可能性にも注意が必要である。一方、利益予想についても、今後の成長に向けた先行費用を織り込んだ合理的な水準であると評価している。注目すべきは、主力事業の成長加速に向けた動きを始め、将来的にポテンシャルの大きい新サービス(電子政府関連等)の事業化に向けた足取り、先行費用投入による効果(コア人材の採用、新サービス開発等)などにある。なお、2020年2月期第3四半期より連結化される(株)エフエーアイによる業績への影響は軽微とみられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《YM》

 提供:フィスコ

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