市場ニュース

戻る

【特集】プレサンス Research Memo(1):2020年3月期は売上高2,000億円超え、10期連続増収増益を予想(1)

プレサンス <日足> 「株探」多機能チャートより

■要約

プレサンスコーポレーション<3254>は、ファミリーマンション及びワンルームマンションの企画・開発・分譲から賃貸及び建物管理まで一貫して手掛ける独立系の総合マンションデベロッパーである。近畿圏及び東海・中京圏のマンション供給数はそれぞれ9年連続、7年連続で1位であり、全国でも1位の住友不動産<8830>に次いで2年連続2位(2018年)を維持する。都心主要駅近くの利便性の高い立地に、自社で企画開発するプレサンスシリーズのマンションを展開する。士気の高い販売部隊も強みであり、完成在庫の売れ残りは極めて少ない。1997年の設立以来、順調な成長を続けており、2007年に東証2部上場、リーマンショックにも大きな影響を受けずに2013年には東証1部上場を果たし、2015年に「JPX日経インデックス400」の構成銘柄に、2016年には「JPX日経中小型株指数」の構成銘柄に選定されており、株式市場の評価も高い。2019年4月には、AIを活用した不動産投資情報の総合サイト「プレサンスブライト」を開設し、新たな顧客層の開拓に挑戦している。

同社はワンルームマンションからファミリーマンション、一棟販売(ワンルームマンションの卸売)、ホテルまで多様な事業を展開している稀有な企業である。多彩な商品ラインナップは、土地の情報が入った時に最適な活用法を可能にし、仕入ボリュームを大きくすることができ、競合よりも有利に土地取得・建築を進めることができる。

1. 市場動向
全国の新築マンションは供給が減少しているが、おおむね各指標は堅調に推移する。その中で、首都圏と近畿圏を比較すると市場動向に違いが見られる。2019年4月?9月(上半期)に首都圏では供給戸数が前年比21.7%減の11,996戸であるのに対し、近畿圏では同9.9%減の8,275戸と減少幅は小さい。また、マンションの平均価格では、首都圏が6,006万円と一般の世帯がローンで購入するには手が届きにくい価格帯なのに対して、近畿圏は3,751万円と買いやすい価格にとどまっている。マンションの初月契約率(初月契約戸数/発売戸数)で見ても、首都圏が64.6%であるのに対して近畿圏は77.0%と好不調の目安とされている70%を上回っている。近畿圏が主要事業エリアの1つである同社にとっては、好ましい市場環境と言えるだろう。

2. 強み
同社は、マンションを近畿圏や東海・中京圏の中でも特に人口の増加率の高い地域にフォーカスして供給する戦略を徹底してきた。大阪市においては、同社がワンルームマンションを集中して供給するのは6区(中央区、北区、西区、福島区、浪速区、淀川区)であり、人口の増加率は他区及び大阪府と比較して高い(過去3年間で5.3%増)。また愛知県においても、同様の戦略である。フォーカスするエリアの特徴としては、都市中心部でオフィスや商業施設等が多く、「住んで良し、働いて良し」の利便性の高いエリアである。コンパクトシティ化が進むなかでも、その価値が色あせない。「都心エリアの利便性の高い立地への供給」という戦略は、人口動態にも、消費者ニーズにも合致しており、同社が急成長を続ける要因の1つと考えられる。

3. 業績動向
2020年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比3.3%増の125,383百万円、営業利益が同8.2%減の23,669百万円、経常利益が同8.5%減の23,398百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同10.0%減の15,660百万円となり、増収減益となった。しかしながら、期初発表の第2四半期予想と比較すると売上高で2.7%超え、営業利益で15.5%上回っており、順調な業績であることがわかる。売上面では、主力のワンルームマンションとファミリーマンションの販売が高水準を維持した。一棟販売、ホテル販売も予定通りの進捗であり、全体として売上高は計画どおりである。売上総利益率は前年同期から微減。建築費は依然としてやや上昇傾向であるが、一部価格転嫁を行うなどして例年のレベルを維持している。販管費が増加したのは、主にファミリーマンション向けの販売委託手数料や広告宣伝費、不動産テック関連費用、企業CMなどの増加が影響した。いずれの費用も先行して発生する費用である。結果として高い営業利益率を維持しつつ、期初発表の第2四半期予想を大幅に上回った。

2020年3月期通期の連結業績予想は、売上高が前期比30.3%増の209,219百万円、営業利益が同20.0%増の32,531百万円、経常利益が同18.5%増の31,429百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同17.6%増の21,520百万円と、大幅な増収増益となる期初の予想を据え置いた。達成すれば、売上高で初の2,000億円超え、10年連続で前期比10%以上の増益並びに過去最高業績となる。商品セグメント別では、ワンルームマンションが大幅に増加し、その構成比を高める予想だ。最大のセグメントであるファミリーマンションは前期並み、一棟販売は倍増予想、ホテル販売は前年並みを計画する。営業利益の成長率予想は前期比20.0%増であり、経営目標である「前期比10%以上」を余裕を持って達成することになる。通期計画に対する第2四半期進捗率は、売上高で59.9%、営業利益で72.8%と順調。四半期毎の売上額分布を前期と比較すると、今期は通期売上高の40.1%(前期は24.4%)を下期に計上する計画である。例年のことだが、第2四半期が終わった段階で、マンション販売事業の年間売上計画の95.4%分(191,545百万円分)の売上と受注を獲得しており、通期計画達成に向けて余裕がある。弊社では、高い計画精度の実績も加味すると予想の信頼性は高く、例年のように若干上振れて着地すると考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《YM》

 提供:フィスコ

日経平均