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【市況】21日の香港市場概況:ハンセン1.6%安で続落、舜宇光学4.2%下落

上海総合 <日足> 「株探」多機能チャートより

21日の香港市場は大幅に値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比422.73ポイント(1.57%)安の26466.88ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が169.29ポイント(1.59%)安の10450.22ポイントとそろって続落した。売買代金は754億3200万香港ドルにやや拡大している(20日は625億2600万香港ドル)。

香港を巡る米中対立の悪化を不安視。米国の上下両院は「香港人権・民主主義法案」を可決し、トランプ大統領に送付している。一部のメディアは関係者の話として、「大統領は署名する意向」などと伝えた。同法案は、中国が香港に高度の自由を保障する「一国二制度」を守っているかどうか、米政府に毎年の検証を義務付ける内容。制度が機能していないと米国が判断すれば、貿易やビザなどの優遇措置を撤廃できる。香港に拠点を置く外資系企業数は今年6月時点で9000社超。アジアの貿易・金融で最大級のプレゼンスを誇っているだけに、拠点見直しが進めば香港経済の打撃となる。中国外交部は20日、法案が成立すれば報復措置を導入する方針を示唆した。

また、米中両政府が通商協議で交渉を進めている「第1段階の合意」に関しては、項目が拡大するとの観測が浮上。これに伴い、「年内に成立せず、2020年にずれ込む」との観測も流れている。ただ、この日のメディア報道によれば、劉鶴中国副首相は慎重ながらも「第1段階の合意」を楽観したようだ。また、中国商務部の報道官は午後の定例記者会見で、「米中は緊密な交渉を続けている」と述べている。

ハンセン指数の構成銘柄はほぼ全面安(50のうち48が下落)。舜宇光学科技(2382/HK)が4.2%安、新世界発展(17/HK)が4.1%安、瑞声科技HD(2018/HK)が3.9%安、九龍倉置業地産投資(1997/HK)が3.5%安、万洲国際(WHグループ:288/HK)が3.2%安と値下がり率上位に並んだ。

業種別では、中国の医薬品が安い。微創医療科学(853/HK)が8.4%、康哲薬業HD(867/HK)が2.9%、石薬集団(1093/HK)が2.8%、広州白雲山医薬集団(874/HK)が2.4%、中国神威薬業集団(2877/HK)が2.2%、中国生物製薬(1177/HK)が2.1%ずつ値を下げた。中国政府は医薬品改革を促進し、「集中調達」制度による医薬品購入額の引き下げを進める方針を示している。

他の個別株動向では、米ラスベガス・サンズ(LVS/NYSE)傘下の金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が2.9%安。マカオでのカジノ事業免許を更新できない可能性が指摘された。同社の経営トップは「トランプ大統領の“最大の支援者”」として知られるだけに、米中対立の悪影響を受けると警戒されている。

このほか、化粧品販売店チェーンの莎莎国際HD(ササ・インターナショナル・ホールディングス:178/HK)が3.7%安と続落。同社が公表した中間決算では、香港デモが響き、純損益が赤字に転落した。

半面、鉄鋼セクターはしっかり。鞍鋼(347/HK)が10.2%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が7.3%高、中国東方集団HD(581/HK)が5.5%高と値を上げた。中国の粗鋼消費が高い伸びを示し、19年は最多を更新する見通しと伝わっている。

一方、本土市場も続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.25%安の2903.64ポイントで取引を終えた。金融株が下げを主導する。医薬品株、運輸株、消費関連株、自動車株、不動産株なども売られた。半面、航空・防衛関連株は高い。金、鉄鋼、セメントなど素材株の一角もしっかり。エネルギー株、発電株、ハイテク株の一角も買われた。

【亜州IR】

《FA》

 提供:フィスコ

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