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【特集】GMOペパボ Research Memo(8):2019年12月期は「minne」の黒字化を達成、過去最高業績更新の見込

GMOペパボ <日足> 「株探」多機能チャートより

■今後の見通し

1. 2019年12月期の業績見通し
GMOペパボ<3633>の2019年12月期の連結業績は、売上高で前期比12.2%増の9,200百万円、営業利益で同103.1%増の950百万円、経常利益で同83.6%増の962百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同46.5%増の684百万円と期初計画を据え置き、いずれも過去最高を更新する見通しだ。

売上高についてはすべての事業セグメントで増収を見込んでおり、利益面では「minne」のプロモーションコストが前期比で大きく減少することが増益要因となる。営業利益の増減要因を見ると、増収による利益増(337百万円)やプロモーションコストの減少(552百万円)、その他コストの減少(28百万円)が増益要因となり、人件費の増加(434百万円)を吸収する格好となる。なお、GMOクリエイターズネットワークについては売上高で2億円強が見込まれるものの、のれん償却費15百万円の計上や「FREENANCE」への事業投資を実施することもあって利益面では若干の減益要因になると考えられる。第2四半期までの進捗率を見ると、売上高で48.0%、営業利益で53.3%と順調に推移しており、会社計画の達成は十分可能と弊社では見ている。


「ロリポップ!」は高速プランの投入で巻き返しを図り、「カラーミーショップ」は「アプリストア」の拡充で更なる成長を目指す
2. 主要事業の見通し
(1) ホスティング事業
ホスティング事業は、売上高で前期比4.0%増の4,596百万円、営業利益で同8.1%減の1,300百万円となる見通し。「ムームードメイン」は顧客単価の上昇により契約件数の減少をカバーして増収増益を維持する見通し。一方、「ロリポップ!」は2019年9月に新プラン「ハイスピードプラン」(月額1,000円?)を導入し、プロモーションを強化しながら契約件数の増加に注力する方針となっている。

「ハイスピードプラン」では、Webサーバーソフトウェアとして高い安定性と高速化を実現する「LiteSpeed Web Server」を初めて採用し、エンタープライズプランと同様、オールSSD構成にすることでデータの読み込み・表示速度を改善し、従来よりもスピード・安定性のパフォーマンスで大きく向上するサービスを月額1,000円からとリーズナブルな価格で実現した。パフォーマンスを改善することで契約件数を伸ばすだけでなく、顧客平均単価の上昇にもつながるため、2020年12月期以降は増収増益に転じるものと予想される。

(2) EC支援事業
EC支援事業は、売上高で前期比17.3%増の2,426百万円、営業利益で同14.1%増の948百万円と2ケタ増収増益となる見通し。主力の「カラーミーショップ」については7%台の増収増益を見込んでいる。低料金プランで契約していた顧客層が格安事業者に流れていることもあり、当面は契約件数の減少傾向が続くと見ているが、同社としては価格競争をせずに事業拡大に意欲的なショップ(顧客)を獲得・育成していくことで、流通額を拡大し、顧客単価の上昇によって収益を拡大していく戦略となっている。

2019年5月より提供開始した「カラーミーショップ アプリストア」もこうした戦略の1つとなる。「カラーミーショップアプリストア」に各ベンダーが開発した様々な機能アプリを集め、ショップオーナーに提供することで販売手数料を獲得するほか、ショップがこれらアプリを使うことで成長すれば月額利用料金の上昇にもつながることになり、同社、ベンダー、ショップオーナーと3者間でWin-Winの関係を構築できることになる。2019年8月時点で約10種類のアプリ(越境ECサービス、受注作成等)が利用可能となっており、今後も提供アプリを随時拡充していく予定だ。

一方、オリジナルグッズ作成・販売サービス(SUZURI、Canvath)は、「SUZURI」がクリエイターの育成支援を行う場としての認知度向上により、売上高で6億円程度と大幅増収が見込まれるが、利益面では開発費、人件費の増加により微減益を見込んでいる。「Canvath」については四半期ベースで0.5億円程度の売上が続いており、通期で2億円程度の売上となる見通しだ。

(3) ハンドメイド事業
ハンドメイド事業の売上高は前期比14.6%増の1,770百万円、営業利益は77百万円(前期は682百万円の損失)を計画している。プロモーションコストが前期の10.2億円から3.1億円と大きく減少することが増益要因となる。流通額については前期比7.6%増の130億円を想定している。第2四半期までの流通額がやや想定を下回ったこともあり、年末商戦に向けてWebでのプロモーション施策を強化していく方針となっている。第2四半期までの営業利益の進捗率が78.8%となっているため、利益計画の達成範囲内でプロモーション施策を打っていくことになる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《ST》

 提供:フィスコ

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