市場ニュース

戻る

【特集】早稲アカ Research Memo(6):本社移転関連費用を塾生数増加と業務効率向上により吸収、2ケタ増益続く見通し

早稲アカ <日足> 「株探」多機能チャートより

■今後の見通し

1. 2020年3月期の業績見通し
早稲田アカデミー<4718>の2020年3月期の連結業績は、売上高で前期比6.1%増の25,268百万円、営業利益で同14.0%増の1,739百万円、経常利益で同12.7%増の1,734百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同15.3%増の1,067百万円と増収増益基調が続く見通し。2020年3月期は8月に池袋本社の移転を予定しているほか、「早稲田アカデミー個別進学館 池袋西口校」を旧本社ビルに移転するなど、費用増要因となるものの、塾生数増加による増収効果や業務効率の改善効果で吸収し、利益率上昇が見込まれている。校舎展開としては、早稲田アカデミーの小中学部を1校、第4四半期に開校する予定で、その他の新設、閉鎖予定はない。

売上原価率は前期比1.4ポイントの低下を見込んでいる。労務費率で1.0ポイント低下し、原材料費率は0.1ポイント、地代家賃率についてもそれぞれ0.3ポイント低下する見通し。労務費については採用強化に向けて待遇向上を実施する一方で、業務ごとにオペレーションセンターを設置することで、業務効率の改善に取組増加率を抑制する。一方、販管費率については前期比0.9ポイントの上昇を見込む。広告宣伝費率は6.0%から5.7%へさらに低下する。他社運営の学習塾比較サイトへの出稿を減らし、自社ホームページの拡充に取り組むことで同等以上の費用対効果を見込んでいる。その他販管費が1.4ポイント増加するが、主には本社移転に伴う地代家賃並びに関連費用増となる。このため、上期の営業利益は前年同期比1.9%増と一時的に利益の伸びが鈍化するが、下期以降は2ケタ増益基調に回復する見通しとなっている。

売上高の前提となる期中平均塾生数は前期比5.0%増を見込んでいる。このうち、小学部は9.1%増、中学部は1.1%増、高校部は1.0%減となる。小学部については前期と同様、非受験学年や「Kコース」で2ケタ増を見込むほか、「受験コース」についても7.5%増を見込む。中学部は公立難関高校を志望する生徒数の取り込みに注力していくことで若干増となる見通し。また、高校部門については2020年3月期も微減が続く前提となっている。また、短期講習や模擬試験等についてはグループ会社との連携を強化していくことで、2020年3月期も増加を見込んでいる。

会社別で見ると、早稲田アカデミー単体が前期比5.4%増となり、水戸アカデミーが同15%増、集学舎と野田学園に関しては若干減を前提としている。水戸アカデミーについては大学受験コースの生徒数増加に加えて、2019年に水戸市内に中高一貫校の新設が発表され中学受験に対する需要が高まるなかで、近隣に中学受験に強い競合塾が少ないことが追い風となり、小学生の生徒数が増加していることが高い伸びの要因となっている。校舎数を1校に集約化した効果も今期は期待される。

一方、野田学園に関しては2019年春に現役在校生の合格者数が多数出たことで、既卒コースに移って継続受講する生徒が例年よりも減少したことなどが減少要因となっている。また、集学舎については中学1年生の生徒数が前年比7%増と堅調に推移しているものの、全体で見ると若干のマイナス成長を見込んでいる。

新本社については従来、フロアごとに点在していた部署を1フロアに集約化されることで、部署間連携がスムーズになり、業務効率の改善が進むほか、IT環境の整備(Wi-Fi環境構築)により働き方改革、業務改革などにも取り組みやすくなる。さらには、立地場所や周辺環境が改善され、社員のモチベーションが向上し、また、人材採用面においてもプラスの効果が期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SF》

 提供:フィスコ

日経平均