市場ニュース

戻る

【特集】タマホーム Research Memo(8):「注文住宅着工棟数No.1」達成を目指し、中期経営計画は順調に滑り出す

タマホーム <日足> 「株探」多機能チャートより

■今後の見通し

2. 中期経営計画の進捗状況
(1) 「タマステップ2021」の基本方針と経営数値目標
タマホーム<1419>は2019年5月期よりスタートした中期経営計画「タマステップ2021」の基本方針として、「注文住宅着工棟数No.1を目指し、事業改革にて新たな事業の柱を構築する」ことを掲げている。経営数値目標は中期経営計画の最終年度となる2021年5月期で、連結売上高2,400億円、営業利益120億円、親会社株主に帰属する当期純利益70億円とし、営業利益率は5.0%を目標水準として設定した。また、受注棟数については注文住宅・戸建分譲を合わせ1.3万棟、販売棟数については同1.1万棟を目標としている。2018年5月期からの3年間の年平均成長率で見ると、売上高で12.6%成長、販売棟数で9.8%成長となる。

初年度となる2019年5月期は業績、販売棟数ともに期初会社計画を上回り、順調な滑り出しを見せた、注文住宅の受注棟数では業界第2位になったと見られる。2020年5月期についても会社計画を最低水準として、前期と同様に上積みを目指していく考えだ。

(2) 住宅市場の前提と課題認識
新設住宅市場全体の見通しとしては、人口や世帯数の減少に伴い、長期的に縮小傾向が続くことを前提としているが、家族形態やライフスタイルの多様化により住宅に求める要素が変化するなかにおいて、耐震性能や耐久性に優れた低価格住宅の需要については引き続き堅調に推移するものと見ている。

こうしたなか現在の課題認識として、注文住宅事業においては各地域で販売シェア拡大と施工能力の増強に向けた協力会社のネットワーク拡充を進めること、不動産事業では優良な分譲用地の仕入力強化を図ること、リフォーム事業では新設住宅引き渡し後の顧客へのサービス提案を幅広く行い、事業規模を拡大していくことの3点を挙げている。また人材面では、販売力強化のため、新卒採用を中心に人材育成についても強化していく方針で、研修制度の整備も進めていく計画となっている(2019年5月期末の連結従業員数は前期末比130名増の3,538人)。

(3) 重点事業領域と主な施策
a) 注文住宅事業
注文住宅事業では各都道府県での着工棟数No.1を目指しており、そのために地域特性に合わせて商品化した地域限定商品を戦略商品としてシェアを獲得していくほか、ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)対応住宅や高付加価値商品の育成に取り組むことで、購入者層の拡大も図っていく。

また、販売体制強化の施策として空白エリアへの出店を進めていくほか、業務提携での販路拡大も視野に入れている。店舗数については、2019年5月期末で245店舗となっているが、今後も新規出店や既存店の移転・リニューアルなどを進めていく計画となっている。現在、同社のエリア別着工戸数シェアでトップまたはトップをうかがえる位置にあるのは8県だが、これらの大半は九州、中国・四国地方となっている。ただ、最もシェアが高いエリアでも6%程度のため、すべてのエリアでシェアを拡大していく可能性がある。

また、販売プロモーションとしてマスメディアを使った広告戦略のほか、各種イベントの開催による集客施策を今後も積極的に推進していく方針だが、今後は特に商品・サービスの品質を全面的にアピールしていく戦略となっている。品質面では同社標準仕様の住宅が、連続した震度7の地震に耐えられる耐震性能を持つことが実証されており、頑強な住宅であることを訴求していく。

b) 戸建分譲事業
戸建分譲事業では、10区画以下の小規模分譲地を中心に仕入・販売を行うことで、資金回転率を高めながら事業規模の拡大と収益力向上を推進していく計画となっている。

c) リフォーム事業
リフォーム事業については同社が販売した住宅のうち10年を経過する住宅が今後も年間1万棟ペースで増加する見込みとなっており、これら住宅を中心に累計販売12万棟の住宅に対して、幅広いサービス提案を行うことで事業規模の拡大を目指す。具体的には、5年経過時点で省エネ対応商品の販売、10年経過時に保証期間の延長を目的とした有料の保証延長工事、15年以上経過した住宅に対しては、水廻りを中心としたパッケージ商品の販売を提案していく。2019年5月期は保証延長工事以外の商品を拡充したことにより利益率が低下したものの、今後は安定した収益性が見込まれており、売上規模の拡大に合わせて利益成長が期待される。

d) 不動産事業
オフィス事業ではサブリース事業のほか、オフィス区分所有権販売事業の拡大に注力していく。サブリース事業については、対応エリアを従来の都内主要5区※から、一都三県主要都市部へと事業エリアを拡大し、新規受託案件を増やしながら着実な成長を進めていく。また、2017年から開始したオフィス区分所有権販売事業は、都内主要5区で、在庫販売実績の状況に応じて1棟当たり10~20億円程度の中小規模オフィスビルを年間2~4棟程度仕入れ、早期完売できる体制を構築していく計画となっている。

※主要5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《ST》

 提供:フィスコ

日経平均