市場ニュース

戻る
 

【注目】前週末12日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

カルナバイオ <日足> 「株探」多機能チャートより

■カルナバイオ <4572>  2,445円 (-700円、-22.3%) ストップ安

 カルナバイオサイエンス <4572> [JQG]がストップ安。11日の取引終了後、メリルリンチ日本証券を割当先として、行使価額修正条項付第18回新株予約権を発行すると発表しており、希薄化などを警戒した売りが出ているようだ。今回発表の新株予約権は7月29日を割当日として、新株予約権1625個(当初行使価格2805円、潜在株式数162万5000株)を発行するとしており、潜在的な希薄化は最大で15.01%となる。なお、調達資金約45億5600万円は、開発化合物の前臨床試験や新規パイプラインの創薬及び導入などに当てる方針だ。

■チムスピ <4397>  2,070円 (-500円、-19.5%) ストップ安

 チームスピリット <4397> [東証M]がストップ安。11日の取引終了後に発表した第3四半期累計(18年9月-19年5月)連結決算は、売上高12億9900万円(前年同期比46.6%増)、営業利益1億4800万円(同2.0倍)、純利益1億1600万円(同2.4倍)と大幅増益となったが、通期予想に対しては営業利益の進捗率が59%となっており、進捗率の低さが警戒されたようだ。第3四半期決算では、純増契約ライセンス数が前期の年間純増ライセンス数の約1.3倍にあたる19万1054件に増加。これをに伴いライセンス+プレミアサポートのリカーリングレベニューが前年同期比52.7%増となり業績を牽引した。一方で、スポットサポート売り上げが一時的に減少したほか、開発人件費や広告宣伝費の増加はあったものの売上高の増加で吸収した。なお、19年8月期通期業績予想は、売上高18億6900万円(前期比51.7%増)、営業利益2億5000万円(同3.6倍)、純利益2億3100万円(同2.5倍)の従来見通しを据え置いている。

■リミックスポイント <3825>  350円 (-80円、-18.6%) ストップ安

 リミックスポイント <3825> [東証2]がストップ安。12日午後1時30分ごろ、子会社で仮想通貨交換業を展開するビットポイントジャパン(BPJ)で、仮想通貨の不正な流出が判明したと発表しており、これが嫌気された。不正流出が判明したのは、BPJが管理するホットウォレットに保管している仮想通貨で、対象となった仮想通貨の数量、流出額は詳細を調査中としているが、概算で約35億円と見込んでいるという。なお、今回の不正流出に関する損害額や業績への影響は現在精査中としている。

■エヌリンクス <6578>  353円 (-77円、-17.9%) 一時ストップ安

 エヌリンクス <6578> [東証2]が急反落。11日の取引終了後に発表した第1四半期(3-5月)連結決算が、売上高11億7500万円、営業損益4900万円の赤字、最終損益4800万円の赤字と営業損益段階から赤字に転落したことが嫌気された。今期から連結決算に移行したため前年同期との比較はないが、19年2月から奨学金受給対象の学生や授業料免除対象の学生、市町村民税非課税世帯の学生及び公的扶助受給世帯の学生への放送受信料免除が行われたことによる影響が想定よりも大きく、主力の放送受信料の契約・収納代行業務の第1四半期における売り上げが計画を大きく下回った。また、営業社員を増やしたことによる販管費の増加も損益悪化につながったとしている。なお、20年2月期通期業績予想は、売上高49億6100万円、営業損益1億6300万円の赤字、最終損益1億6300万円の赤字を見込む。

■ログリー <6579>  2,446円 (-366円、-13.0%)

 ログリー <6579> [東証M]が急落。12日正午ごろに発表した6月度の月次速報で、第1四半期売上高が6億2300万円、営業利益500万円となり、予想値の売上高5億8900万円、営業損益1400万円の赤字を上回ったものの、目先の材料出尽くし感から利益確定売りが優勢となった。同社では今年2月に許可なく審査済みのLP(ランディングページ)が差し替えられる問題が発生。これを受けて売り上げ総利益が減少したが、審査済み広告差し替え対策を行い回復を図っている。なお、審査済み広告差し替え対策の影響は、第1四半期までに収束する見込みという。なお、20年3月期予想では、売上高30億2900万円、営業利益1億9000万円を見込んでいる。

■カンセキ <9903>  1,740円 (-260円、-13.0%)

 カンセキ <9903> [JQ] が急反落。同社は7月11日大引け後に決算を発表。20年2月期第1四半期(3-5月)の連結経常利益は前年同期比8.0%減の3.4億円に減り、3-8月期(上期)計画の8.4億円に対する進捗率は41.3%にとどまり、5年平均の45.6%も下回ったことが嫌気された。

■デザインワン <6048>  284円 (-32円、-10.1%)

 東証1部の下落率3位。デザインワン・ジャパン <6048> が続急落。11日の取引終了後、19年8月期の連結業績予想について、売上高を25億円から21億6900万円(前期比11.3%減)へ、営業利益を5億300万円から4億円(同40.4%減)へ、純利益を3億3200万円から2億5100万円(同36.5%減)へ下方修正したことが嫌気された。主力の口コミサイト「エキテン」において、解約の増加と受注の減少により有料掲載店舗数の減少が続いており、今期中での有料店舗会員数の回復は難しいと判断したことが要因としている。なお、同時に発表した第3四半期累計(18年9月-19年5月)決算は、売上高16億7300万円(前年同期比8.5%減)、営業利益3億6900万円(同28.3%減)、純利益2億2900万円(同30.7%減)となった。

■松屋 <8237>  853円 (-56円、-6.2%)

 松屋 <8237> が急反落。同社は7月11日大引け後に決算を発表。20年2月期第1四半期(3-5月)の連結経常利益は前年同期比26.7%減の2.7億円に減り、通期計画の20億円に対する進捗率は13.8%にとどまり、5年平均の22.1%も下回ったことが嫌気された。

■そーせい <4565>  2,273円 (-115円、-4.8%)

 そーせいグループ <4565> [東証M]が大幅反落。SMBC日興証券が11日付で、投資評価を「1」から「2」とし、目標株価を4250円から2400円へ引き下げたことが弱材料視されたようだ。アラガン社に導出し、アルツハイマー病を対象に開発が実施されていたたM1受容体作動薬HTL0018318は18年9月、サルを対象とした試験で予期しない毒性所見(希な腫瘍への変化を複数確認)が確認され、原因調査のため、開発の自主的中断が発表された。現在も原因調査中であり、開発スケジュールが不透明な状態が続いていることや、他社でもアルツハイマー病治療薬の開発中止が相次いでいることを考慮し、成功確率を25%から5%に引き下げたという。また、18年3月にTEVA社から返還されたCGRP受容体作動薬のロイヤルティー、マイルストン収入を同証券予想から外したことなどが理由としている。

■安川電機 <6506>  3,425円 (-140円、-3.9%)

 安川電機 <6506> が大幅反落。同社が11日発表した20年2月期第1四半期(3-5月)の連結営業利益は前年同期比58.2%減の71億8600万円と市場予想(92億円前後)を下回った。産業用ロボットや半導体製造装置、工作機械に搭載するサーボモーターなどが不振だった。会社側では20年2月期の業績見通しは据え置いたが、通期の予想営業利益465億円に対する進捗率は15%にとどまっており、市場には減益修正への懸念も台頭している。

■オプテックスグループ <6914>  1,340円 (-29円、-2.1%)

 オプテックスグループ <6914> が反落。11日の取引終了後、19年12月期連結業績予想について、売上高を430億円から400億円(前期比0.3%減)へ、営業利益を53億円から34億円(同31.9%減)へ、純利益を40億円から25億円(同33.8%減)へ下方修正したことが嫌気された。中国経済の減速やスマートフォンの世界需要の頭打ちに伴い、設備投資需要が鈍化し、FA事業及びMVL事業が苦戦したことが要因。また防犯関連事業で、ヨーロッパ向けの屋外防犯センサの販売が伸び悩んだことや、米中貿易摩擦に伴う関税対策として米国向け製品を中国からベトナムへ生産移管することによる一時的なコストアップも利益を圧迫した。

■ファナック <6954>  19,215円 (-390円、-2.0%)

 ファナック <6954> 、キーエンス <6861> 、SMC <6273> など設備投資関連株が安い。11日に発表された安川電機 <6506> の19年3-5月期決算が市場コンセンサスを下回る低調であったことで、中国向け売上比率の高いFA関連機器を手掛ける銘柄群に連想売りが波及している。外国為替市場では1ドル=108円台半ばの推移と円安方向に振れているが、ここ最近は輸出株と為替動向の連動性が薄れており、株価を下支える効果は限定的となっている。

※12日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均