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【市況】明日の株式相場戦略=売り方の買い戻し誘発で続伸も、不安定な地合い

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 あす(28日)の東京株式市場は、為替の動向を横にらみに足もとの円安基調がキープされるようであれば引き続き強い動きが想定される。

 きょう(27日)の東京株式市場は日経平均株価が251円高と急反発。今週後半はG20大阪サミットとそれに合わせた米中首脳会談の結果を見極めたいとの思惑から、上値を積極的に買う動きは限られるという見方が主流だったが、それは良い方向で裏切られた。

 半導体や電子部品株の上昇はきょうも続いた。「米マイクロン・テクノロジーがファーウェイ向け出荷を一部再開した」というバタフライエフェクトはアジアにトルネードを起こす形となった。また、きょうは物色の矛先がFA関連など機械セクター全般にも広がった。輸出セクターが総花的に買われた動きは、米中首脳会談で両国の協議がうまい具合に進むという思惑も背景にある。これをリスクオンのドル高・円安が後押しして、きょうの望外の日経平均の切り返しを演出した。

 香港のサウスチャイナ・モーニング・ポストが伝えた「米中が暫定的な停戦で合意した」というニュースは、他の大手メディアを出し抜いての報道でその信憑性に疑問符も付く。踊らされている感なきにしもあらず。とはいえ、売り方にすればいったんポジションを軽くする、つまり買い戻しを促す動機づけとしては十分なインパクトがあったようだ。

 売買代金上位を占める時価総額上位の大型株の顔ぶれをみても、株価が軟調な銘柄は内需ディフェンシブ系の銘柄に限られ、半導体や機械、電子部品などハイテク系に属する銘柄はほぼ一様に上値を追った。問題は、この流れが波の上下動ではなく、潮流として相場のトレンドを変えるものかどうか。その見極めは現時点では困難だ。すべては、G20大阪サミットとそれと合わせて行われる米中首脳会談の結果を確認してからというよりない。米中首脳会談は29日の午前11時半に行われる見通し。

 個別では、5G関連として新鮮味があるETSホールディングス<1789>が引き続き強さをみせている。個別材料株相場では急騰後の反動安には常に注意を払う必要があるが、同社株の場合、今週25日に大陰線を引いた後に切り返しており、フシ目の850円を明確に上抜いてくれば新たな視界が開ける。5G関連では基地局整備が進む過程で恩恵を享受するアルチザネットワークス<6778>も売り一巡から仕切り直しが意識されるタイミング。

 バイオ関連では700円近辺で瀬踏みを繰り返すイナリサーチ<2176>も気になる存在。このほか、3次元CADシステムで高い実績を持ち、SCSK<9719>が筆頭株主となっているアルゴグラフィックス<7595>のもち合いが煮詰まっており、上放れの機が熟しているように見受けられる。

 日程面では、あすはG20大阪サミット(~29日)が開催されるほか、この日程に合わせて米中首脳会談が行われる予定。また、経済指標では5月の失業率及び有効求人倍率、5月の鉱工業生産指数(速報値)が発表される見通し。海外では5月の米個人所得・個人支出、6月の米消費者態度指数などが注目される。(中村潤一)

出所:みんなの株式(minkabu PRESS)

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