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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

菱洋エレク <日足> 「株探」多機能チャートより

■菱洋エレク <8068>  1,725円 (+54円、+3.2%)

 菱洋エレクトロ <8068> が3日ぶりに大幅反発。18日の取引終了後、台湾のファブレス半導体メーカーであるシトロニクス・テクノロジー社製品の日本国内での販売を開始すると発表しており、これを好感した買いが入った。今回のシトロニクス製品の販売は、付加価値の高い液晶ディスプレー製品を日本市場に拡販するのが目的。シトロニクス社は、ディスプレードライバICへのユニークな技術で、外付け部品の削減、FPCエリア削減、低消費電力など、コストの削減とエコを推進しており、主に携帯電話や産業用ディスプレー、自動車システム用のディスプレードライバIC、スマートフォン及びセンサー事業に焦点を当て製品開発に注力しており、現在菱洋エレクが取り扱っている液晶モジュールでも長きにわたりシトロニクス製品を採用している実績がある。

■スズケン <9987>  6,750円 (+200円、+3.1%)

 スズケン <9987> が上伸。同社は19日、子会社のエス・ディ・コラボが、米アルナイラムが開発した世界初のRNA干渉(RNAi)治療薬「オンパットロ」の日本国内でのメーカー物流から卸流通までの一社流通を受託することで、米アルナイラムの日本法人と合意したと発表。今回の受託は、エス・ディ・コラボのメーカー物流、及びスペシャリティ医薬品流通の実績と日本新規参入メーカーの受託実績、スズケングループの物流サービスと機能が評価されたもの。なお、「オンパットロ」は、今年6月に日本国内でトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーの治療薬として製造販売承認を取得している。

■日鉄物産 <9810>  4,380円 (+125円、+2.9%)

 日鉄物産 <9810> が続伸。日本製鉄系専門商社で、国内外で旺盛な鉄鋼需要を取り込み、20年3月期営業利益は前期比7.8%増の390億円と最高益を更新する見通し。19日午後、同社はシタテル(熊本市)へ第3者割当増資引き受けによる出資を実施したことを発表。シタテル社は衣料品の生産を必要とする事業者にネットを通して新流通プラットフォーム「シタテル」を提供している。今回の出資により、同社主力のアパレルOEM・ODM事業において培った企画提案力や生産・物流・販売ノウハウを更に進化させ、「川中の価値再構築」を実現する計画。なお、金額については開示していない。

■パルHD <2726>  3,455円 (+95円、+2.8%)

 パルグループホールディングス <2726> が続伸。18日の取引終了後、「NOLLEY'S」などのアパレルブランドを展開するノーリーズ(東京都中央区)と、資本・業務提携すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回の提携は、これまで手薄だった中高級品の品揃えを強化するほか、ノーリーズが持つメーカーに近い機能を共有することで、グループの生産プラットフォームの幅を拡充するのが狙い。また、資本面では、ノーリーズ株式の39.01%を取得し、持ち分法適用関連会社とするという。なお、同件による業績への影響は現時点では軽微としている。

■JVCケンウ <6632>  235円 (+6円、+2.6%)

 JVCケンウッド <6632> が3日ぶりに反発。19日の午前中、ドライブレコーダー「Everio(エブリオ)」の新ラインアップとして「GC-DR20」を7月上旬に発売すると発表。新コンセプトの製品として業績への貢献が期待されている。同製品は、運転時の状況を鮮明なフルハイビジョンの高画質映像で記録できることに加えて、Wi-Fi機能の搭載によりスマートフォンなどですぐに撮影映像の再生や、見たい映像を選んで転送することができ、手軽にドライブ状況の確認が可能。また、3色展開の本体カラーと薄型でコンパクトなボディ設計を採用し、さまざまな車の内装や小型車にもマッチするのが特徴としている。

■コメリ <8218>  2,204円 (+52円、+2.4%)

 コメリ <8218> が3日ぶり反発。18日午後10時22分ごろに発生した山形県沖を震源地とする最大震度6強の地震の影響について、19日午前9時30分現在では一部店舗で商品の落下が発生し売り場の乱れなどがあるものの、新潟・山形の全店舗で営業を行っていると発表した。両県では一部に屋根瓦の落下や、ブロック塀の倒壊などの被害が出ているところがあることから、これらの復旧に関する思惑が働いているようだ。

■古河電 <5801>  3,090円 (+70円、+2.3%)

 古河電気工業 <5801> が3日ぶりに反発。同社は18日取引終了後に、昭和電線ホールディングス <5805> と建設・電販市場向け汎用電線事業で業務提携したと発表。これによる業務効率化などが期待されているようだ。両社は、昭和電線HD子会社の昭和電線ケーブルシステム及びSDSと、古河電工子会社の古河エレコムの3社が取り扱う建設・電販市場向け汎用電線の販売事業を統合し、販売会社を新たに設立する計画。新会社の営業開始日は20年4月1日を予定し、出資比率は昭和電線HDが60%、古河電工が40%になるとしている。

■くら寿司 <2695>  4,535円 (+100円、+2.3%)

 くら寿司 <2695> が3日ぶりに反発。同社は18日、5月度の月次報告を公表。既存店売上高は前年同月比0.4%増となり、7ヵ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感されたようだ。既存店の客単価が前年同月比3.2%増と、2月連続のプラスとなったことが寄与。客数は同2.7%減だったが、4月の5.8%減からは改善した。なお、全店ベースの売上高は同6.0%増だった。

■富士フイルム <4901>  5,483円 (+113円、+2.1%)

 富士フイルムホールディングス <4901> が反発しており、年初来高値を更新。全体相場の堅調地合いが買い手掛かりとなったもよう。また、傘下の富士フイルムが19日、島根大学発の再生医療ベンチャーであるPuREC(島根県出雲市)と資本・業務提携で合意したと発表しており、これが材料視された面もあるようだ。富士フイルムはこのほど、PuREC社が実施する第三者割当増資を引き受け、3億円を出資する契約を締結。これにより、PuREC社が低フォスファターゼを原因とする先天性骨形成不全症を対象に研究開発を進めている再生医療製品の開発・製造・販売ライセンス導入の優先交渉権を取得するとしている。

■ユーグレナ <2931>  972円 (+15円、+1.6%)

 ユーグレナ <2931> が反発。同社は19日、伊藤忠商事 <8001> とミドリムシ の海外培養実証事業で覚書を締結したと発表。この実証事業は、ミドリムシの培養に適した海外候補地で、火力発電所に隣接するかたちで培養設備を設置し、火力発電所から排出される二酸化炭素や排熱を活用してミドリムシの培養実証を行うもの。最初に開始する試験場所としてインドネシアを選定しており、その他の候補地についても継続して検討する予定だとしている。

■日本郵船 <9101>  1,617円 (+20円、+1.3%)

 日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> 、川崎汽船 <9107> など大手をはじめ海運株が軒並み高。米中貿易摩擦を背景とした中国景気の先行き減速懸念は、ばら積み船など物流ニーズの停滞につながるとの思惑から、海運セクターには逆風が意識されていた。しかし、株価は既に今年の底値圏に沈んでいるものが多く、値ごろ感も意識されていた。直近は、トランプ米大統領が米中首脳会談をG20サミットに合わせて行う意向を示し、米中摩擦に対する警戒感が和らいだことが、中国関連に位置付けられる海運セクターへの買い戻しを誘発した。

■Fスターズ <3687>  1,986円 (+23円、+1.2%)

 フィックスターズ <3687> が反発。連日年初来高値を更新しており、昨年3月につけた上場来高値2080円奪回も指呼の間に捉えている。株価は6月4日から19日までの12営業日で下げた日は18日のみ。サイコロジカルラインは91.7%(11勝1敗)に達した。4月25日にマドを開けて底離れを明示してからは、押し目らしい押し目をほとんど入れず、異色の上昇トレンドを構築している。トヨタグループとの連携が厚く、自動運転分野でアルゴリズム開発及び高速化案件の受注獲得が高水準、業績は19年9月期も営業利益段階で前期比11.5%増の12億2600万円予想と2ケタ成長が続く見通し。各種アニーリングマシンを活用した量子コンピューター導入支援ビジネスにも傾注している。ここにきて超高速コンピューター技術「デジタルアニーラ」に対する評価が高まるなか、間接的に同社株への注目度も増す方向にある。

■大東建託 <1878>  14,030円 (+145円、+1.0%)

 大東建託 <1878> が6日ぶりに反発。首都圏の一部エリアを対象に人工知能(AI)を活用した家賃査定システムの試験導入を開始したと発表しており、これが好材料視された。東京大学空間情報科学研究センター(CSIS)不動産情報科学研究室の清水千弘特任教授と共同開発したAIで、現在全国約1000人のスタッフによる類似物件の情報収集とデータ解析によって行われている家賃査定を、同システムの導入により自動化することでスタッフの業務軽減が図れると見込んでいる。今後は、20年度の本格導入に向けて対象地域を全国に拡大するとともに、査定精度の向上を図るとしている。

※19日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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