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【市況】日経平均は続落、香港市場の軟調な出足を嫌気/ランチタイムコメント

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより

 日経平均は続落。171.47円安の20958.25円(出来高概算5億9120万株)で前場の取引を終えた。前日の米国株式市場では、原油相場の下落が嫌気されたほか、米中貿易摩擦や香港の条例改正案を巡る抗議行動の行方を見極めたいとの思惑から、主要な3指数は揃って続落。これにより、シカゴ日経225先物清算値は大阪比85円安の21035円となり、本日の東京市場は売り先行でのスタートになった。その後は、前場中ごろから開始された渦中の香港株式市場をはじめとしたアジア株式が総じて軟調だったことを受け、日経平均は前引けにかけて下げ幅を拡大し、節目の21000円処を割り込んだ。

 セクターでは、東証33業種が全て下落となるなか、3%安となった石油・石炭製品の下落が目立った。売買代金上位では、半導体メモリーの需給改善が遅れるとの見方から米SOX指数が2.3%安になった流れで東京エレクトロン<8035>やSUMCO<3436>などの下落が目立ったほか、任天堂<7974>、トヨタ自動車<7203>、三菱UFJ<8306>、武田薬<4502>、キーエンス<6861>、太陽誘電<6976>、三井住友<8316>、JT<2914>なども軟調。一方で、ソニー<6758>、資生堂<4911>、KDDI<9433>はしっかり。

 明日14日の先物・オプション特別清算指数(SQ)算出を控えた思惑的な売買が一巡したことで、朝方は225先物に対しても売り方による買い戻しの動きがみられたものの、前場中ごろからランチタイムにかけては下げ幅を拡大する格好となっている。

 香港市場については、拘束した容疑者を中国本土への引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案は「一国二制度」を揺るがすとして、反対派のデモ隊と警察による衝突が続いている。デモ参加者が香港中心部の幹線道路を占拠し、一部の銀行支店などは営業を停止した。12日に予定されていた改正案審議は延期されたこともあり、市場でも、本日の香港ハンセン指数の出足を見極めたいとの向きが多かった分、軟調な同市場のスタートを確認した海外短期筋による先物売りが観測されている。

 そんななか市場では、NAND型フラッシュメモリーを中心に半導体メモリーの需給改善が遅れるとの見方が優勢となっていることから、前述の通り、東京市場の半導体関連へも売りが波及している。また、米司法省がGAFAなどのIT大手に対して、日本の独占禁止法にあたる反トラスト法の新たな解釈を公表したことなども、ハイテク絡みの景気敏感株を手がけにくくさせている。後場も物色動向としては、引き続き内需株への消去法的な商いに留まりそうななか、大引けにかけては、薄商いのなかでのインデックスに絡んだ商いによる21000円へのサヤ寄せの動きを注視したいところである。
《AK》

 提供:フィスコ

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