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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

シャープ <日足> 「株探」多機能チャートより

■シャープ <6753>  1,069円 (+35円、+3.4%)

 シャープ <6753> が3日続伸。11日前引け後に、A種種類株式の全部取得と消却を発表しており、これを好材料視した買いが入った。同社では今年1月30日、発行済みのA種種類株式20万株のうち9万2000株を取得し消却しているが、残り10万8000株について、保有するみずほ銀行(東京都千代田区)及び三菱UFJ銀行(東京都千代田区)から約970億円で6月21日に取得する。また、取得したA種種類株式全てを同日付で消却すると発表しており、これにより、優先配当や金銭償還の負担解消が期待されている。

■国際石開帝石 <1605>  924.8円 (+26.1円、+2.9%)

 国際石油開発帝石 <1605> や石油資源開発 <1662> が続伸。サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は原油協調減産の延長を巡り、20ヵ国・地域(G20)関連会合に参加するため訪れる日本で、ロシアのノバク・エネルギー相と協議する考えを示したと10日に報じられている。この報道を受け、原油減産が継続することによって需給が引き締まるとの思惑から関連株に買いが流入したようだ。

■GAテクノ <3491>  3,485円 (+95円、+2.8%)

 GA technologies <3491> [東証M]が3日ぶり反発。11日午前11時ごろ、子会社イタンジが、7月中旬から大東建託 <1878> に賃貸住宅の入居申込書のWEB受付システム「申込受付くん」の提供を開始すると発表しており、業績への貢献が期待されている。「申込受付くん」は、賃貸住宅の入居申込書のWEB受付システム。今回、大東建託グループが入居申し込みを電子化することで、入居希望者はWEBフォームに申し込み情報を入力することで、店舗に来店することなく手続きを完了できるようになるほか、本人確認書類や収入証明書なども、スマートフォンなどで撮影し、WEBサイト上にアップロードするだけで手続きが可能となる。また、大東建託にとっても審査までの時間短縮と業務効率化につながることが期待されている。

■東エレク <8035>  15,975円 (+380円、+2.4%)

 東京エレクトロン <8035> 、SCREENホールディングス <7735> など半導体製造装置関連が高い。前日の米国株市場ではアプライドマテリアルズやザイリンクス、マイクロンテクノロジーなどの半導体関連が物色人気を集め、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3日続伸で戻り足が鮮明、5月17日以来となる1400台を回復し75日移動平均線との下方カイ離もほぼ解消した。これを受けて東京市場でも半導体関連の一角に買い戻しの流れが継続した。

■スギHD <7649>  5,110円 (+115円、+2.3%)

 スギホールディングス <7649> が3日続伸。10日取引終了後に発表された5月度既存店ベース売上高は、前年同月比で4.6%増と4月の同2.7%増から伸び率をさらに加速させていることが好感されたようだ。内訳として、スギ薬局事業は同5.2%増、食品や日用雑貨などを取り扱うジャパン事業が同1.1%増といずれもプラス圏に推移している。

■ココカラF <3098>  5,720円 (+120円、+2.1%)

 ココカラファイン <3098> が年初来高値を更新。同社は10日引け後に、マツモトキヨシホールディングス <3088> 、スギホールディングス <7649> との資本業務提携や経営統合案について、第三者による特別委員会を発足すると発表。これからの本格的な協議に向けた期待から買いが流入したようだ。なお、委員会の検討結果は7月末をメドに予定しており、同社ではその結果も踏まえ、検討を進める予定だ。

■Fスターズ <3687>  1,912円 (+39円、+2.1%)

 フィックスターズ <3687> が6連騰で6月6日につけた高値1908円を上抜き年初来高値を更新。顧客企業のシステム(マルチコアプロセッサー)を高速化させるソフトを展開し、同分野に特化した企業としては国内に競合する企業が見当たらない。業績はリピートオーダー率100%の強みを発揮して高成長が続いており、32%営業増益を達成した18年9月期に続き、19年9月期も12%の2ケタ成長を続ける見通し。量子コンピューター関連としての切り口でも注目度が高い。

■洋インキHD <4634>  2,424円 (+49円、+2.1%)

 東洋インキSCホールディングス <4634> が3日続伸。11日付の化学工業日報で「プラスチック製容器包装フィルムのマテリアルリサイクル拡大につながる新技術を確立、資源管理事業大手のヴェオリアグループと組んでリサイクルシステムの構築に乗り出す」と報じられており、これを好材料視した買いが入った。記事によると、複層構造の容器包装フィルムに使用する印刷インキ成分除去(脱墨)用コーティング剤とフィルム剥離用ラミネート接着剤を開発したとあり、これらを用いることで、ほぼ不可能だった透明に近い再生プラスチックが可能になるという。また、22年の実用化を目指して、包装業界各社に連携を呼びかけるともしている。

■三菱UFJ <8306>  516.2円 (+7.5円、+1.5%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> などメガバンクや第一生命ホールディングス <8750> など生保株が買い優勢の展開。ここ米国経済の減速を背景とした米長期金利の低下が売りの根拠となっていたが、前日は米10年債利回りが急反発、2.144%まで切り返しており、終値ベースで5月30日以来の水準まで浮上した。これを背景に米国株市場ではゴールドマン・サックスやシティグループなど金融セクターが買われた。東京市場も相対的に出遅れる大手金融株に物色の矛先が向いている。

■H2Oリテイ <8242>  1,241円 (+16円、+1.3%)

 エイチ・ツー・オー リテイリング <8242> が続伸。岩井コスモ証券は10日、同社株の投資判断を新規「B+」、目標株価を1350円でカバレッジを開始した。同社は、阪神・阪急百貨店を主力に食品事業などを展開する関西地盤の小売グループ。19年3月期は、相次ぐ自然災害の影響で臨時閉店などが発生するなか、国内需要・インバウンド需要で阪急本店が4%増収を確保するなど都市型百貨店が好調。20年3月期の連結営業利益は前期比10%減の184億円の見通しだが、食品スーパー「オアシス」と14年に経営統合した「イズミヤ」のシナジーに期待している。また、今年秋にオープンする中国・寧波の阪急百貨店にも注目している。

■日立 <6501>  4,045円 (+49円、+1.2%)

 日立製作所 <6501> が7連騰と異色の上げ足。前日に続いて11日もマドを開けて買われ連日の年初来高値更新と気を吐いている。あらゆるものがネット接続されるIoT時代の到来を前に同分野に重心を置いた経営方針を打ち出している。その中核に据えているのが、ネット上の基盤システムを生かした法人向けサービス「LUMADA(ルマーダ)」で、同社のデジタルシフトの要となる事業戦略だ。2021年度に売上高1兆6000億円を目標に掲げているが、総売上高9兆円レベルの同社にとっても、その注力度合いの強さがうかがわれる。

■リコー <7752>  1,085円 (+12円、+1.1%)

 リコー <7752> が5日続伸。11日、室内光で発電する完全固体型色素増感太陽電池を実用化したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。同社が開発した完全固体型色素増感太陽電池は、複合機の開発で培った有機感光体の技術を応用することで、電解質を固体材料のみで構成することに成功。電解質に液体を用いる電池が抱える液漏れや腐食といった安全性や耐久性に対する課題を解決するとともに、室内光源波長に適した有機材料の設計や、デバイス構造の最適化を実現し、発電性能を大幅に向上させたという。なお、同太陽電池は、大成(名古屋市中区)とデザインオフィス ライン(東京都渋谷区)が6月10日に発売したバッテリー搭載型デスク「LOOPLINE T1(ループライン ティーワン)」の室内用ソーラーパネルとして採用されている。

■トヨタ <7203>  6,779円 (+73円、+1.1%)

 トヨタ自動車 <7203> が6日続伸と強さをみせている。テクニカル的にも5日・25日移動平均線がゴールデンクロスを示現しており、短期的には底入れを明示している。トランプ米政権がメキシコに対する追加関税を見送ったことが、自動車セクターには買い安心材料となった。また、足もと外国為替市場で1ドル=108円後半までドル高・円安が進んでおり、輸出採算悪化への懸念が後退している。なお、同社は20年3月期の想定為替レートが1ドル=110円であり、実勢は依然として業績への為替デメリットが警戒される水準にある。

※11日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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