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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

日立ハイテク <日足> 「株探」多機能チャートより

■日立ハイテク <8036>  5,720円 (+270円、+5.0%)

 日立ハイテクノロジーズ <8036> が続急伸。日経ビジネス電子版が7日、「日立製作所が中核上場子会社の日立ハイテクノロジーズを完全子会社化する方向で検討に入った」と報じた。7日は、完全子会社化に向けたTOB実施などに期待する思惑買いが集中し、同日終値は前日比700円ストップ高の5450円と急騰した。10日も、引き続き買いが優勢となった。なお、日立製作所 <6501> は7日の取引開始前、「報道は当社が発表したものではない。企業価値向上に向けさまざまな検討を行っているが、現時点で決定した事実はない」とのコメントを発表している。

■GMO-PG <3769>  7,160円 (+290円、+4.2%)

 GMOペイメントゲートウェイ <3769> が3日ぶりに大幅反発。同社は7日、三菱総合研究所 <3636> グループのアイ・ティー・ワンと共同で、国内外の企業・団体のビッグデータ活用を支援するサービスの提供を開始したと発表。両社がこのほど立ち上げた「データイノベーションラボ」が提供するメインサービスは、企業・団体のビッグデータ活用ソリューションの構想段階で、実用性・実現性を検証する一連の実証実験プロセスを実施するもので、ビッグデータ分析の設計から実際の分析・検証までを行う。まずはGMO-PGの決済・金融関連サービスを利用しているEC事業者および金融機関向けに提供するとしている。

■サンケン <6707>  2,245円 (+88円、+4.1%)

 サンケン電気 <6707> が大幅続伸。旧村上ファンド関係者が運営する投資会社エフィッシモ キャピタル マネージメントが7日の取引終了後、財務省に変更報告書を提出し、エフィッシモのサンケン株式保有比率が5.89%から7.45%に上昇したことが判明。これを受けて思惑的な買いが入ったようだ。保有目的は純投資としており、報告義務発生日は5月31日となっている。

■キーエンス <6861>  64,000円 (+2,490円、+4.1%)

 キーエンス <6861> が6万4000円台を回復したほか、安川電機 <6506> が大幅高、ファナック <6954> 、ダイフク <6383> 、SMC <6273> なども揃って上値を追うなどFA関連株への買いが目立つ。米利下げ観測が、前週末の米国株市場を押し上げ、世界株は再びリスク選好ムードが強まっている。東京市場でもこれまで米中摩擦問題で売られていた中国向け売上比率の高い設備投資関連株にも買い戻しの動きが強まっている。10日は為替が円安方向に振れ、中国や香港株などが堅調な値動きをみせていることもポジティブに作用している。

■日本新薬 <4516>  8,110円 (+280円、+3.6%)

 日本新薬 <4516> が5日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が7日付で、投資判断「オーバーウエイト」を継続しつつ、目標株価を8700円から9200円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、ウプトラビ(肺動脈性肺高血圧症治療薬)のロイヤルティー収入に加えて、NS-065をはじめとするデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)治療薬による利益成長が可能であると判断したという。

■そーせい <4565>  2,086円 (+72円、+3.6%)

 そーせいグループ <4565> [東証M]が大幅続伸。10日午前10時ごろ、米ファイザー社とのGタンパク質共役受容体(GPCR)に対する新薬創出研究提携により、2番目の臨床開発候補物質が選定され、これに伴い300万ドル(約3億2600万円)のマイルストンを受領すると発表したことが好感された。なお、そーせいとファイザー社は15年11月、複数の領域における最大10種のGPCRターゲットに対する新規医薬品開発に関する戦略的提携を行い、5月14日には1番目の候補物質を選定したと発表している。

■ニッコンHD <9072>  2,598円 (+84円、+3.3%)

 ニッコンホールディングス <9072> が大幅続伸。7日の取引終了後、自社株取得枠の設定を発表しており、これを好感する買いが入った。38万5000株(発行済み株式数の0.58%)、10億円を上限としており、取得期間は6月10日から8月30日まで。

■アカツキ <3932>  5,950円 (+160円、+2.8%)

 アカツキ <3932> が4日続伸。同社とスクウェア・エニックス(東京都新宿区)が共同開発した「ロマンシング サガ リ・ユニバース」が10日、AppStoreトップセールス/ゲームランキングで首位を獲得したことが好感された。2度目の首位獲得となり、これを記念して2000ジュエルのプレゼントを行うとしている。

■トヨタ <7203>  6,706円 (+118円、+1.8%)

 トヨタ自動車 <7203> が5日続伸と上値指向を強めている。米中摩擦問題に対する懸念や為替の円高進行などを背景に5月末から6月初旬にかけて下押したが、足もとは切り返しが急だ。ドル・円相場は米長期金利の低下を背景として前週末に1ドル=107円台に入る円高に振れる場面があったが、その後はリスクオンの流れを映しドルが買い戻され、足もとは108円半ばまで円安方向に押し戻されている。これを受け、為替感応度の高い同社株には買い安心感が浮上した。また、同社は電気自動車(EV)など電動車の販売シフトを加速する方針を示しており、同分野への注力姿勢も株価の刺激材料となっている。

■IBJ <6071>  894円 (+14円、+1.6%)

 IBJ <6071> が3日ぶりに反発。7日の取引終了後に発表した5月度の月次概況速報で、成婚者数が1343人となり、前月比9.3%増となったことが好感された。また、直営店会員数が6210人(同2.2%増)、コミュニティ有料会員数が4万4660人(同5.6%増)と大幅に増加したほか、婚活イベント動員数が7万2259人と過去最高を記録したことも好材料視されたようだ。

■くら寿司 <2695>  4,245円 (+60円、+1.4%)

 くら寿司 <2695> が反発。7日引け後に発表された19年10月期第2四半期(11-4月期)決算では売上高663億9200万円(前年同期比1.8%増)と増収となったものの、営業利益は23億5900万円(同37.5%減)、最終利益は17億1300万円(同36.2%減)と低調だった。ただ、同時に公表された月次報告書では、5月既存店売上高が前年同月比0.4%増と今年度に入ってから初めてプラスに転じている。株価は外部環境の逆風を織り込む形で18年半ばから下値模索の展開を続けているだけに、目先悪材料出尽くし感からの買い戻しが入った様子だ。ただ、買い一巡後は利益確定売りに押されるなど強弱感は対立している。

■任天堂 <7974>  39,700円 (+550円、+1.4%)

 任天堂 <7974> が続伸、年初来高値をつけた4月19日以来の4万円大台回復を目前に捉えている。現地時間6月11日から、ロサンゼルスで世界最大のコンピュータゲーム関連の見本市である「E3」が開催される。ここでは多くのソフトメーカーにより、同社のドル箱商品である「ニンテンドースイッチ」向けソフトに関するアナウンスが行われる可能性があることで、同社の株価を刺激するとの思惑が個人投資家など目先筋の買いを誘導している。

■ルネサス <6723>  500円 (+6円、+1.2%)

 ルネサスエレクトロニクス <6723> が続伸。同社は10日、上海フォルクスワーゲンと4月にオートモーティブ・エレクトロニクス共同研究所を設立したことを明らかにした。この共同研究所は、中国の自動車市場に向けた次世代のデジタルコクピットや車載制御システムをはじめとする最新の車載用アプリケーションの研究開発を加速することが主な目的。上海フォルクスワーゲンの次世代車載電子プラットフォーム開発に向けて、ソフトウェアモジュール開発やシステム統合の実現を支援するとしている。

■夢真HD <2362>  735円 (+8円、+1.1%)

 夢真ホールディングス <2362> [JQ]が続伸。7日の取引終了後、自社株取得期間を9月30日まで延長すると発表したことが好感されている。同社は昨年12月19日に270万株(発行済み株式数の3.62%)、20億円を上限とする自社株買いを発表。取得期間は昨年12月20日から今年6月19日までとしていた。

※10日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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