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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

日本通信 <日足> 「株探」多機能チャートより

■日本通信 <9424>  196円 (+39円、+24.8%)

 東証1部の上昇率トップ。日本通信 <9424> が急反騰。株価200円未満と低位に位置することで、個人投資家の短期回転売買の対象として人気化している。5月中旬に米連邦通信委員会から米国5G(CBRS)の商用基地局に関する認可を取得したことが人気化の起点となったが、流動性が高まるなか既に材料株特有の需給相場の様相をみせている。信用残は売り残が急増し売り買いがっぷり四つ、5月末申し込み現在で信用倍率1.27倍と拮抗している。また、日証金では株不足の状態で貸株制限がかけられている状況。

■リボミック <4591>  791円 (+100円、+14.5%) ストップ高

 リボミック <4591> [東証M]がストップ高。同社はタンパク質の設計図であるDNAやRNAを構成する4種の塩基を組み合わせた核酸分子を用いる薬剤「核酸医薬」をテリトリーとするバイオベンチャーで、米国で臨床を進めている眼の難病「加齢黄斑変性症」の治療薬「RBM-007」などに期待が大きい。市場では「現時点で材料視されるような会社側からのリリースは確認できないが、加齢黄斑変性症治療薬に対する市場の期待は大きい。6日は朝方から継続的に買いが入り一貫して水準を切り上げる展開となった」(国内ネット証券アナリスト)という。6月3日の変更報告書で投資運用会社のウィズ・パートナーズが純投資目的で保有株比率を20.36%まで増加させたことが判明、翌4日にストップ高に買われた経緯がある。今年の夏を前に200人以上の患者を対象とした有効性の評価試験を開始する予定で、マーケットの注目度は高いようだ。

■ビリングシステム <3623>  2,402円 (+262円、+12.2%)

 ビリングシステム <3623> [東証M]が続急騰。5日、同社が6月30日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施すると発表したことが買い材料。最低投資金額が現在の2分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。

■ストリーム <3071>  101円 (+8円、+8.6%)

 ストリーム <3071> [東証2]が続急伸。同社はあす7日に20年1月期第1半期(2-4月)決算の発表を予定しており、思惑買いが流入したようだ。なお、3月14日に発表した20年1月期通期の連結業績予想では、売上高253億2000万円(前期比11.9%増)、営業利益2億500万円(前期実績は1700万円)が見込まれている。

■アルチザ <6778>  1,138円 (+90円、+8.6%)

 アルチザネットワークス <6778> [東証2]が急反発。5日取引終了後に発表した19年7月期第3四半期累計(18年8月-19年4月)の連結決算は、売上高が15億200万円(前年同期比18%減)、営業損益が3億8300万円の赤字(前年同期実績は4億3700万円の赤字)、最終損益が2億6900万円の赤字(同5億200万円の赤字)だった。営業損益、最終損益ともに赤字幅が縮小した。2-4月期では小幅ながら黒字化を果たしている。これを受けて買いが先行している。モバイルネットワークソリューション部門では5G向けテストシステムを販売できたものの、4G関連のテストソリューションが国内外で低調で売上高は2ケタ減少となった。一方、IPネットワークソリューションは好調だった。なお、研究開発コストの減少などが損益改善に寄与した。今後5G基地局の整備が加速する見通しにあるなか、同社の基地局向け計測器の需要も大幅に増加するとの思惑が買い人気を支えている。

■ソリトンシステムズ <3040>  1,003円 (+66円、+7.0%)

 東証1部の上昇率3位。ソリトンシステムズ <3040> が大幅3日続伸。サイバー攻撃の脅威が世界的に広がるなか、サイバーセキュリティー関連株の一角に物色の矛先が向かい始めている。そのなか、同社はITセキュリティ部門が売り上げの9割以上を占めており、自社開発製品で需要を開拓している点で優位性がある。5月下旬には同社が展開する総合セキュリティーサービスにサイバーリスク診断サービスなど新たに8種類を提供することを発表している。株価は下値模索の動きが続いていたが、目先25日移動平均線を大陽線で上回ってきたことから底入れを明示している。

■ハウスドゥ <3457>  1,369円 (+89円、+7.0%)

 東証1部の上昇率4位。ハウスドゥ <3457> が続急伸。同社は6日、エアトリステイ(東京都港区)、及びAirbnb Japan(東京都新宿区)との包括的業務提携を開始したと発表。この提携で、同社は全国の「ハウスドゥ!」加盟店の空室対策サービスとして、住宅宿泊事業の物件運用をエアトリステイの協力により実施。また、世界最大級の旅行コミュニティープラットフォームを提供するAirbnbを通じて世界中の旅行者へ募集を行うとしている。

■サイボウズ <4776>  1,205円 (+62円、+5.4%)

 東証1部の上昇率10位。サイボウズ <4776> が続急伸、年初来高値を更新した。時価は2006年8月以来約12年10ヵ月ぶりの高値圏にある。旺盛な企業のIT投資需要が、パッケージソフトやクラウドサービスを展開する同社の業績にも追い風となっている。得意とするグループウェアは高い競争力でシェアを伸ばしており、安倍政権が掲げる「働き方改革」を背景とした業務効率化のニーズを取り込んでいる。ここ、株式市場では主力輸出株の上値が重いなか、内需のIT系銘柄が注目されているが、特にクラウド関連の株価再評価が進んでおり、同社もその典型的な銘柄のひとつに挙げられる。

■楽天 <4755>  1,168円 (+52円、+4.7%)

 楽天 <4755> が大幅反発。グループの楽天ペイメントは5日、キャッシュレス化の推進に向けてJR東日本 <9020> と連携すると発表。これによるユーザー数の拡大などが期待されているようだ。両社の連携により、楽天ペイメントが運営するスマホアプリ「楽天ペイ」アプリ内で、JR東日本が提供する交通系ICカード「Suica」の発行やチャージができるほか、全国の鉄道約5000駅、バス約5万台に加え、交通系電子マネーとして約60万店舗での支払いが可能。開始時期は2020年春を予定している。

■イメージワン <2667>  657円 (+29円、+4.6%)

 イメージ ワン <2667> [JQ]が3日続伸。5月21日の481円を底値に同月27日に666円の高値まで一気に戻し、その後は踊り場局面にあったが、日足陽線の多さが際立っており、継続的な資金流入が反映されていた。貸株調達の売りを飲み込む形で目先上放れの動きをみせている。人工知能(AI)を活用した遠隔画像診断支援サービスなど高付加価値サービスを強化する方針にある。高速・大容量の次世代通信規格「5G」の基地局整備が国策の後押しで動き出す段階にあるが、5G環境が定着すれば同社の高付加価値サービスの追い風になるとの思惑が買い人気を後押ししている。

■Jエレベータ <6544>  2,192円 (+84円、+4.0%)

 ジャパンエレベーターサービスホールディングス <6544> が大幅続伸。同社はエレベーターやエスカレーターの保守・保全や、リニューアルを展開するが、高い技術力と価格競争力を武器にシェアを伸ばしている。20年3月期は営業利益段階で前期比13%増の23億円を見込む。エレベーターでは保守事業が好調なほか、制御盤のみを交換する手法で工期短縮の実現とコストを大幅に抑えた「クイック・リニューアル」が需要を捉えており、業績への貢献が期待される状況にある。

■ファイバーG <9450>  3,560円 (+120円、+3.5%)

 ファイバーゲート <9450> が大幅続伸。同社は5日の取引終了後、東京証券取引所の承認を受けて、6月14日付で東証マザーズから東証1部へ市場変更されることになったと発表した。同社は、集合住宅や商業施設向けにWi-Fi環境の構築・運用などのサービスを提供しており、19年6月期連結業績予想は売上高54億円(前期比35.8%増)、経常利益8億5300万円(同67.3%増)を見込む。また、19年6月30日時点の株主から株主優待制度を一部変更する。現行制度では毎年6月30日時点で1単元(100株)以上を保有する株主に対して一律でクオカード2000円分を贈呈していたが、新制度では保有株数と保有期間に応じてクオカード2000円分~4000円分を贈呈するとしている。さらに、6月13日に15万7200株の立会外分売を実施すると発表した。市場変更における形式要件の充足を目的としており、分売値段は分売実施日前日の終値もしくは最終気配値を基準として決定する予定。また、買付申込数量の限度は顧客1人につき200株としている。

■アカツキ <3932>  5,670円 (+190円、+3.5%)

 アカツキ <3932> が大幅続伸、25日移動平均線を上放れつつある。スマートフォンゲームの開発・運営を手掛け、「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」が国内外で好調で収益を牽引している。また「ロマンシングサガ リ・ユニバース」なども好調で今後に期待が大きい。19年3月期は営業利益段階で前期比29%増の136億3500万円と大幅な伸びを示した。20年3月期業績予想について会社側は未開示ながら、増収増益が市場コンセンサスとなっている。

■NSW <9739>  2,596円 (+84円、+3.3%)

 日本システムウエア <9739> が上値追い継続、連日の年初来高値更新と強さを発揮している。独立系のシステムインテグレーターで組み込みソフトやデバイス設計で強みを持つ。現場で書き換え可能な電子回路FPGAにヘイズ・リダクションという画像処理ソフトを実装し、フルハイビジョンサイズの動画で鮮明化した映像を送る技術が注目されるなど、同社の画像AI分野のノウハウは5G時代に活躍余地が高い。業績も好調で19年3月期の営業14%増益に続き、20年3月期も前期比4.4%増の35億円を見込む。

■SBG <9984>  9,882円 (+303円、+3.2%)

 ソフトバンクグループ <9984> が大幅続伸、5日移動平均線とのマイナスカイ離を解消し底入れの気配をみせている。同社が出資する米配車サービス大手ウーバーテクノロジーズの株価が米株市場で戻り歩調を強めている。前日、ウーバーの株価は5月10日上場後初めて公開価格を上回った。これを受けてソフトバンクグループは含み益拡大への期待がポジティブ材料となった。

■ファストリ <9983>  64,080円 (+1,770円、+2.8%)

 ファーストリテイリング <9983> が大きく買われ、日経平均を押し上げる形となった。市場では「特に材料に反応して上げているわけではないが、前日の下げと同様で先物を絡めたインデックス売買の影響。前日分のショートカバーが反映されている。特に全体相場の出来高が6日は低調で、これが同社株の存在を際立たせている意味もある」(国内ネット証券アナリスト)と指摘されていた。

■Fスターズ <3687>  1,856円 (+48円、+2.7%)

 フィックスターズ <3687> が3日続伸、1800円台後半に歩を進め年初来高値を更新した。株価は18年3月につけた上場来高値2080円(株式分割後修正値)も視界に捉えている。マルチコアプロセッサーの高速化ソフトを開発し、高速化に特化した企業としては国内で競合他社がいないという状況にあり、リピートオーダー率がほぼ100%という実績が光る。各種アニーリングマシンを活用した量子コンピューター導入支援ビジネスを展開していることもポイント。会社側では「量子コンピューターは選択肢のひとつで顧客ニーズがあれば対応するが、当社の立場として推奨しているわけではない」としているが、同分野の関連最右翼として株式市場でも注目度が高い。

■薬王堂 <3385>  2,254円 (+42円、+1.9%)

 ドラッグストアを展開する薬王堂 <3385> が続伸。同社は5日取引終了後に、5月度の月次速報を公表。既存店売上高が前年同月比5.2%増となったことが好感されたようだ。既存店の客単価は前年同月比0.3%減となったが、客数が同5.5%増と伸びたことが寄与した。なお、全店ベースの売上高は同11.5%増となっている。

■第一三共 <4568>  5,989円 (+101円、+1.7%)

 第一三共 <4568> が4日続伸、最高値街道を走る展開。時価は未踏の6000円大台乗せを目前に捉えている。製薬大手で薬価改定の向かい風に晒されているものの、がん治療分野では非小細胞肺がん治療薬「DS-1062」と「U3-1402」の開発に対する期待が株価を押し上げている。信用買い残も軽く、直近5月31日申し込み現在の信用倍率は1.25倍、日証金では逆日歩がつく状況にある。

■資生堂 <4911>  7,910円 (+105円、+1.4%)

 資生堂 <4911> 、花王 <4452> がいずれも買い優勢の展開。米中貿易摩擦に対する懸念はくすぶるものの、中国政府高官が米中対話に前向きな姿勢を示したこともあって、足もと行き過ぎた警戒感が後退した。売り上げの中国依存比率の高い両銘柄も、ここ思惑先行で売られていた反動が出ている。資生堂は世界最大のドラッグチェーンであるワトソンズグループと戦略的提携を締結し今後の動向に期待がかかるほか、花王は独自開発の皮脂による肌の分析技術を公表し注目を集めるなど、両銘柄とも株価刺激材料が相次いでいる。

■JR東日本 <9020>  10,485円 (+110円、+1.1%)

 JR3社が高い。JR東日本 <9020> やJR東海 <9022> が値を上げJR西日本 <9021> は年初来高値を更新している。米中貿易摩擦や米国によるメキシコへの追加関税の動きなど外部環境に不透明感が強まるなか、「世界的にみて投資資金はディフェンシブ株にシフトしている」(市場関係者)という。JR東日本の20年3月期の連結純利益は前期比2%増の3010億円と最高益が見込まれるなど、JR各社の業績は堅調なことも見直し要因となっている。

※6日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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