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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、米年内利下げ観測で売り継続もクロス円がサポート

米ドル/円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

4日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想する。今晩のパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言機会でハト派姿勢が示されれば、ドルは前日同様、全面安の見通し。ただ、その影響でクロス円が上昇基調に振れ、ドルを下支えする可能性があろう。

前日の海外市場では、米5月ISM製造業景況指数が予想外に低調な内容となり、製造業の地合いの悪化で株安に振れた。また、ブラード米セントルイス連銀総裁が目先の利下げの可能性に言及したことで、米10年債利回りは一段と低下し、NY市場でドルは全面安の展開に。ドル・円はリスク回避の円買いも加わり、一時107円88銭まで値を切り下げた。本日のアジア市場では市場センチメントが弱まるなか、日本株安を背景に円買いが先行。ただ、米利下げ観測でドル売りは再開したものの、その影響でクロス円が堅調となりドル・円を押し上げた。

この後の欧米市場でも、引き続きドル売り地合いのなかクロス円が上昇基調に振れ、ドル・円をサポートする見通し。今晩は22時55分の連銀会議(シカゴ)の討論会にパウエルFRB議長が参加する予定で、発言内容が注目される。市場では年内の利下げについて1-2回を織り込む方向だが、パウエル議長の見解が想定内であれば目先のドル売りは小幅にとどまろう。一方、弱いISM製造業指数を受け、23時に発表される米国の4月製造業受注と耐久財受注(改定値)も材料視される。製造業受注はマイナスが予想され、ドルの戻りを弱める要因となりそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・5月建設業PMI(予想:50.6、4月:50.5)
・18:00 ユーロ圏・5月消費者物価指数速報値(前年比予想:+1.3%、4月:+1.7%)
・18:00 ユーロ圏・4月失業率(予想:7.7%、3月:7.7%)
・18:30 南ア・1-3月期GDP(前年比予想:+0.6%、10-12月期:+1.1%)
・21:30 ウィリアムズNY連銀総裁開会あいさつ(NY連銀主催会合)
・22:55 パウエル米FRB議長討論会参加(連銀会議、シカゴ)
・23:00 米・4月製造業受注(前月比予想:-1.0%、3月:+1.9%)
・23:00 米・4月耐久財受注改定値(速報値:前月比-2.1%)
・04:45 ブレイナード米FRB理事司会(連銀会議、シカゴ)

《FA》

 提供:フィスコ

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