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【市況】【↓】日経平均 大引け| 大幅に3日続落、通商摩擦への懸念や円高を嫌気 (5月31日)

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

日経平均株価
始値  20785.21
高値  20823.10(11:06)
安値  20581.58(15:00)
大引け 20601.19(前日比 -341.34 、 -1.63% )

売買高  14億3886万株 (東証1部概算)
売買代金  2兆3336億円 (東証1部概算)

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■本日のポイント

 1.日経平均は大幅安で3日続落、通商摩擦への懸念と急速な円高を嫌気
 2.日経平均は先物主導で後場下げ幅拡大、2月8日以来の安値圏に沈む
 3.トランプ米統領のメキシコへの追加関税発表や低調な中国PMIが重石に
 4.為替市場で1ドル108円台後半の円高受け、自動車株などの下げ目立つ
 5.全体の約8割の銘柄が下落、一部の値がさ株の下げも全体指数押し下げる

■東京市場概況

 前日の米国市場では、NYダウは43ドル高と3日ぶりに小反発した。GDP改定値は前期比年率3.1%増と下方修正となったが、過度な景気減速懸念は後退したことから、ディフェンシブ関連を中心に買い戻しが入った。

 東京市場では、リスク回避姿勢が強まった。日経平均株価は先物売りを絡め下げ幅を広げ、340円強の下落で3日続落、2月8日以来の安値圏に沈んだ。

 31日の東京市場は、前日の米国株高効果もみられず寄り付きから売りに押される展開。前場はいったん下げ渋ったものの、後場に入り売り直される展開を余儀なくされた。米中貿易摩擦の長期化で世界経済への影響が懸念されるなか、トランプ米統領がメキシコに追加関税を課すことを発表したことが嫌気され、中国の低調な製造業PMIも投資家心理を悪化させた。後場に入ると外国為替市場で1ドル=108円台後半まで一気にドル安・円高が進行し、自動車セクターなどをはじめ主力株が軒並み下げ幅を広げ、全体指数を押し下げた。株式需給面では先物を絡めた売りが重石となり、日経平均寄与度の高い一部の値がさ株の下げが影響した。東証1部全体の8割近い銘柄が下落している。

 個別では、ファーストリテイリング<9983>が1400円の下げをみせたほか、トヨタ自動車<7203>も大きく値を下げた。キーエンス<6861>、東京エレクトロン<8035>なども安い。武田薬品工業<4502>が下値を探り、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクも売りに押された。千代田化工建設<6366>、マツダ<7261>が急落したほか、東邦チタニウム<5727>、レンゴー<3941>などの下げも目立った。日本M&Aセンター<2127>も売られた。
 半面、任天堂<7974>がしっかり、アンリツ<6754>も終始買いが優勢だった。小野薬品工業<4528>も上値を追った。ジャパンディスプレイ<6740>が物色人気を集めたほか、コロプラ<3668>、グレイステクノロジー<6541>、Ubicomホールディングス<3937>なども高い。エムアップ<3661>も上昇した。

 日経平均へのプラス寄与度上位5銘柄はアサヒ <2502> 、楽天 <4755> 、日ハム <2282> 、小田急 <9007> 、丸井G <8252> 。5銘柄の指数押し上げ効果は合計で約3円。
 一方、マイナス寄与の上位5銘柄はファストリ <9983> 、ダイキン <6367> 、東エレク <8035> 、SBG <9984> 、ホンダ <7267> 。押し下げ効果は約104円。

 東証33業種のうち上昇は水産・農林業のみ。下落率の小さかった上位5業種は(1)その他製品、(2)電気・ガス業、(3)陸運業、(4)倉庫運輸関連、(5)食料品。一方、下落率の大きかった5業種は(1)鉱業、(2)輸送用機器、(3)ガラス土石製品、(4)保険業、(5)石油石炭製品。

■個別材料株

△海帆 <3133> [東証M]
 弥七から立ち食い焼肉事業を譲受。
△メディカルN <3645> [東証M]
 米バイオラックス社と資本・業務提携。
△小野薬 <4528>
 2.92%を上限に自社株買いを実施。
△オンコリス <4588> [東証M]
 米臨床腫瘍学会でテロメライシンに関する医師主導治験の計画内容を発表。
△グレイス <6541>
 日経新聞の「好調中堅企業の素顔」で紹介。
△オンキヨー <6628> [JQ]
 車載AI向け音声技術提携と「CNF」採用高音質スピーカー開発など発表。
△Jディスプレ <6740>
 官民ファンドからの追加金融支援が決定。
△アイペット <7323> [東証M]
 第一生命のHP上でペット保険の販売を開始。
△菱洋エレク <8068>
 2-4月期(1Q)経常は37%増益で着地。
△千葉興 <8337>
 8.04%を上限に自社株買いを実施。

▼SMC <6273>
 三菱UFJMS証券が目標株価を4万4000円へ引き下げ。
▼いすゞ <7202>
 大和証券がレーティングを「2」へ引き下げ。

 東証1部の値上がり率上位10傑は(1)Jディスプレ <6740> 、(2)千葉興 <8337> 、(3)エラン <6099> 、(4)コロプラ <3668> 、(5)グレイス <6541> 、(6)レオパレス <8848> 、(7)キムラタン <8107> 、(8)エイトレッド <3969> 、(9)Ubicom <3937> 、(10)エムアップ <3661> 。
 値下がり率上位10傑は(1)トップカルチ <7640> 、(2)千代建 <6366> 、(3)ミツバ <7280> 、(4)シークス <7613> 、(5)マツダ <7261> 、(6)RPA <6572> 、(7)ショーワ <7274> 、(8)小糸製 <7276> 、(9)邦チタ <5727> 、(10)スマバ <9417> 。

【大引け】

 日経平均は前日比341.34円(1.63%)安の2万0601.19円。TOPIXは前日比19.70(1.29%)安の1512.28。出来高は概算で14億3886万株。東証1部の値上がり銘柄数は374、値下がり銘柄数は1688となった。日経ジャスダック平均は3339.45円(17.90円安)。

[2019年5月31日]

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